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第3章 ファーストライブ!
初ライブ当日!
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ライブ当日。梅雨の無い北海道の六月らしく、札幌の空は所々に真っ白な雲のある青空で、絶好の学園祭日和だった。
「あ、玲ちゃんおはよう」
「おはよう」
待ち合わせ場所に一番最初に着いていた美空が、二番目にやってきた玲に挨拶をする。
「まだ美空だけ?」
「うん、まだ集合十分前だしね」
という話をしていると、間もなくして大きなキャリーケースを引いた紗夜香と佑香が一緒にやってきた。
「れいちゃん、みそらちゃん、おはよう! 偶然地下鉄でさやか先輩と一緒になったんだ!」
「おはよう、佑香ちゃん。昨日はよく眠れた?」
「それが、遠足前の子供状態で朝めっちゃ早起きしました……」
「ふふ、佑香ちゃんらしいや」
美空が、紗夜香のキャリーケースを見る。
「紗夜香先輩、それ衣装ですか?」
「ええ、三人分あるからけっこうな量になっちゃって」
紗夜香のキャリーケースは、何週間も海外旅行に行くような特大サイズだった。
「すみません、前日のうちに私達で受け取っておけば」
「いいのよ、気にしないで。みんなはこれから体力を使うんだから力は温存しておいて。私はみんなをステージへ送り出すまでが本番なんだから」
そう言って力こぶを作る仕草をする紗夜香。すると遠くの方から声がした。
「すんまへん、遅くなりましたっ」
「おはよう、亜紀ちゃん。大丈夫よ、ちゃんと時間通り」
「なんか自分が出るわけでもないのにえらい緊張してもうて」
「亜紀ちゃんも緊張するんだ」
「なんやみそらっちまるでウチが無神経みたいに」
「ふふふ、それくらいにして会場へ行きましょう」
紗夜香の言葉で、五人は会場へ向かった。
★
会場となるH大学は、駅から歩いて十五分くらいの場所にあった。キャリーケースを引きながらだったので、手ぶらで歩くと十分かからないかもしれない。
「こっちの方が会場の学生会館へは近道なのよ」
大学の正門は駅を出てから直進と案内版にも出ていたのだが、紗夜香の言う通りに駅から西方向に進んでいったところに、細い道が通っていた。その道を抜けると、目に入ってきたのは一面大学の敷地だった。
「うわー、ひろーい」
札幌市の中心部にこれだけの広大な敷地があることに、佑香が驚く。見渡す限り大学の敷地で、点在する建物の間は緑の木々で埋まっている。
「おお、出店もいっぱいあって学祭、って雰囲気やなぁ」
広いキャンパスの真ん中を通るメインストリートは、一キロメートル以上あるのではないかという長さで、奥の方は霞んで見えなかった。その道に沿った形で大学生たちが出店の準備をしていた。
全員が祭りの雰囲気を感じて気分が高揚していたが、そのような中で美空はあることに気付いた。玲がさっきから一言も喋っていないのだ。
「玲ちゃんどうしたの? 緊張してる?」
「あ、うん。大丈夫……」
玲の呼びかけには答えたものの、その後もすぐに無言になってしまう玲。美空は何か玲に話し掛けた方が良いと思ったが、どういう言葉を掛ければ良いか悩んでいるうちに紗夜香から声が掛かった。
「じゃみんなそろそろ会場の学生会館に向かいましょう」
★
学生会館は、入口を入るとすぐにホールではなく、一般的なコンサートホールのようにロビーがあった。ロビーには関係者らしい学生が沢山いた。紗夜香がその中からとある顔を見つけて駆け寄って行く。
「おはようございます、愛菜先輩」
「おお、紗夜香、おはよう。今日はヨロシクな」
「はい。あ、メンバーを紹介しますね。みんな、こちらが今回私達を誘ってくれた、アイドル同好会のOGの美樹愛菜(みきあいな)先輩よ」
紗夜香に促されて、四人が自己紹介をする。
「はじめましてっ。アイドル同好会の柿木佑香です。今日はよろしくお願いしますっ!」
「葛西美空です。今日はよろしくお願いします」
「あ、成瀬玲、です。よろしくお願いします……」
「どうも、菊川亜紀言います。ウチは裏方メンバーです、よろしくお願いします」
「みんな、今日はヨロシクね」
挨拶をした美樹先輩が四人をじっくりと見る。佑香がなにか挨拶がまずかったのかとどきりとしたが、美樹先輩はからっと笑って話す。
「凄いな、みんななまら可愛いじゃん!」
「なまら」は英語のveryの意味の北海道弁である。「とても」「すごく」という意味で使用する。
「もう紗夜香、こんな可愛いならちゃんと言ってよ! これなら順番もっと後ろでも良かったじゃんか」
「愛菜先輩、ちゃんとみんな可愛いって言ってたじゃないですか」
「そりゃアイドルやりたくて入ってくるんだから普通に可愛いのは当たり前っしょ。この子達は普通にアイドルの中でも可愛いって胸張って言えるべや」
美樹先輩は気分が乗ると北海道弁が強く出るタイプのようである。
「それにしても今回がデビューなんですから、やっぱり順番は最初がいいですよ」
「まあワタシも初ライブは緊張で頭の中真っ白になったしなぁ。みんな、ごめんねだけど最初の方はあんまりお客さん来ないと思うから、その分気楽にやってね」
「はいっ」
その後美樹先輩と別れると、五人は裏通路から控え室に向かった。
控え室に向かう途中、裏道で一人の女性とすれ違う。佑香がその女性を見て、一瞬信じられないような顔になる。
「おはようございます」
優しそうに微笑みながら挨拶をする女性に。佑香が直立不動になって答える。
「お、おはようございますっ!」
挨拶を交わすと女性は歩き去っていった。佑香の様子がおかしかったことに美空が尋ねる。
「どうしたの佑香ちゃん。今の人知り合い?」
「みそらちゃんっ! 今の人みっぴーだよ、飯塚美穂! ライマスの蘭花ちゃんの中の人っ。みんなで見たライマスのDVDにいたでしょっ!」
「そういえば、居たような」
憧れの声優に対面して佑香のテンションがはね上がる。
「さやか先輩、今日の声優トークショーってみっぴーだったんですか!?」
「ええそうよ。本番前に知ったら佑香ちゃんのテンションが上がりすぎちゃうと思って黙ってたんだけど」
「もー、言ってくださいよぉ。大丈夫です、テンションあがって本番もバッチリですっ。それにしてもすごかったなぁ、オーラがあったなぁ」
「佑香ちゃん大袈裟だなぁ。でも確かに芸能人のオーラというか雰囲気のある人だったね」
信じられないという顔でみっぴーこと飯塚美穂が通り過ぎて行った裏道を見つめる佑香と、そんな佑香に冷静に対応する美空。
そんな会話をしているうちに、五人はステージ横の控え室に着いた。紗夜香と亜紀が音響室へ向かう。亜紀はそのまま本番が終わるまで音響室だ。亜紀を音響担当者へ紹介した紗夜香が控え室に戻ってくる。
「衣装に着替える前にステージに立っておく? リハの時間は後からあるけど、先に雰囲気を味わっておいた方がいいかな」
そう言われて、三人が控え室を出て舞台袖からステージに向かう。
「うわぁ、大きい」
ステージ上から客席を見た佑香が感想を言う。客席にはまだ人はいなかったが、その分広さを感じることができた。美空も口を開く。
「うん、二階にも客席があるんだね。お客さんどれくらい入るんだろう」
「満員で五百十人入るらしいわ。みんなはトップバッターだからお客さんほとんど入っていないだろうけどガッカリしないでね」
「初ライブだしその方が緊張しないでいいよね、れいちゃん」
そう言って佑香が玲の方を向くが、玲は客席に視線を向けたまま佑香の声に反応しない。こちらにも音が聞こえるくらいの大きな動作で唾を飲み込む。よく見るとその華奢な肩が細かく震えている。
「れいちゃん?」
佑香が玲の隣に寄って声を掛けると、玲はいつもの大人びた声とは違う、弱々しい声でぽつりとつぶやく。
「無理……」
そう言うとその場にしゃがみ込んでしまう玲。
「やっぱり、私には無理だよ……」
玲の目がキラリと光ったかと思うと、涙がぼろぼろと流れ出て止まらなくなった。
「あ、玲ちゃんおはよう」
「おはよう」
待ち合わせ場所に一番最初に着いていた美空が、二番目にやってきた玲に挨拶をする。
「まだ美空だけ?」
「うん、まだ集合十分前だしね」
という話をしていると、間もなくして大きなキャリーケースを引いた紗夜香と佑香が一緒にやってきた。
「れいちゃん、みそらちゃん、おはよう! 偶然地下鉄でさやか先輩と一緒になったんだ!」
「おはよう、佑香ちゃん。昨日はよく眠れた?」
「それが、遠足前の子供状態で朝めっちゃ早起きしました……」
「ふふ、佑香ちゃんらしいや」
美空が、紗夜香のキャリーケースを見る。
「紗夜香先輩、それ衣装ですか?」
「ええ、三人分あるからけっこうな量になっちゃって」
紗夜香のキャリーケースは、何週間も海外旅行に行くような特大サイズだった。
「すみません、前日のうちに私達で受け取っておけば」
「いいのよ、気にしないで。みんなはこれから体力を使うんだから力は温存しておいて。私はみんなをステージへ送り出すまでが本番なんだから」
そう言って力こぶを作る仕草をする紗夜香。すると遠くの方から声がした。
「すんまへん、遅くなりましたっ」
「おはよう、亜紀ちゃん。大丈夫よ、ちゃんと時間通り」
「なんか自分が出るわけでもないのにえらい緊張してもうて」
「亜紀ちゃんも緊張するんだ」
「なんやみそらっちまるでウチが無神経みたいに」
「ふふふ、それくらいにして会場へ行きましょう」
紗夜香の言葉で、五人は会場へ向かった。
★
会場となるH大学は、駅から歩いて十五分くらいの場所にあった。キャリーケースを引きながらだったので、手ぶらで歩くと十分かからないかもしれない。
「こっちの方が会場の学生会館へは近道なのよ」
大学の正門は駅を出てから直進と案内版にも出ていたのだが、紗夜香の言う通りに駅から西方向に進んでいったところに、細い道が通っていた。その道を抜けると、目に入ってきたのは一面大学の敷地だった。
「うわー、ひろーい」
札幌市の中心部にこれだけの広大な敷地があることに、佑香が驚く。見渡す限り大学の敷地で、点在する建物の間は緑の木々で埋まっている。
「おお、出店もいっぱいあって学祭、って雰囲気やなぁ」
広いキャンパスの真ん中を通るメインストリートは、一キロメートル以上あるのではないかという長さで、奥の方は霞んで見えなかった。その道に沿った形で大学生たちが出店の準備をしていた。
全員が祭りの雰囲気を感じて気分が高揚していたが、そのような中で美空はあることに気付いた。玲がさっきから一言も喋っていないのだ。
「玲ちゃんどうしたの? 緊張してる?」
「あ、うん。大丈夫……」
玲の呼びかけには答えたものの、その後もすぐに無言になってしまう玲。美空は何か玲に話し掛けた方が良いと思ったが、どういう言葉を掛ければ良いか悩んでいるうちに紗夜香から声が掛かった。
「じゃみんなそろそろ会場の学生会館に向かいましょう」
★
学生会館は、入口を入るとすぐにホールではなく、一般的なコンサートホールのようにロビーがあった。ロビーには関係者らしい学生が沢山いた。紗夜香がその中からとある顔を見つけて駆け寄って行く。
「おはようございます、愛菜先輩」
「おお、紗夜香、おはよう。今日はヨロシクな」
「はい。あ、メンバーを紹介しますね。みんな、こちらが今回私達を誘ってくれた、アイドル同好会のOGの美樹愛菜(みきあいな)先輩よ」
紗夜香に促されて、四人が自己紹介をする。
「はじめましてっ。アイドル同好会の柿木佑香です。今日はよろしくお願いしますっ!」
「葛西美空です。今日はよろしくお願いします」
「あ、成瀬玲、です。よろしくお願いします……」
「どうも、菊川亜紀言います。ウチは裏方メンバーです、よろしくお願いします」
「みんな、今日はヨロシクね」
挨拶をした美樹先輩が四人をじっくりと見る。佑香がなにか挨拶がまずかったのかとどきりとしたが、美樹先輩はからっと笑って話す。
「凄いな、みんななまら可愛いじゃん!」
「なまら」は英語のveryの意味の北海道弁である。「とても」「すごく」という意味で使用する。
「もう紗夜香、こんな可愛いならちゃんと言ってよ! これなら順番もっと後ろでも良かったじゃんか」
「愛菜先輩、ちゃんとみんな可愛いって言ってたじゃないですか」
「そりゃアイドルやりたくて入ってくるんだから普通に可愛いのは当たり前っしょ。この子達は普通にアイドルの中でも可愛いって胸張って言えるべや」
美樹先輩は気分が乗ると北海道弁が強く出るタイプのようである。
「それにしても今回がデビューなんですから、やっぱり順番は最初がいいですよ」
「まあワタシも初ライブは緊張で頭の中真っ白になったしなぁ。みんな、ごめんねだけど最初の方はあんまりお客さん来ないと思うから、その分気楽にやってね」
「はいっ」
その後美樹先輩と別れると、五人は裏通路から控え室に向かった。
控え室に向かう途中、裏道で一人の女性とすれ違う。佑香がその女性を見て、一瞬信じられないような顔になる。
「おはようございます」
優しそうに微笑みながら挨拶をする女性に。佑香が直立不動になって答える。
「お、おはようございますっ!」
挨拶を交わすと女性は歩き去っていった。佑香の様子がおかしかったことに美空が尋ねる。
「どうしたの佑香ちゃん。今の人知り合い?」
「みそらちゃんっ! 今の人みっぴーだよ、飯塚美穂! ライマスの蘭花ちゃんの中の人っ。みんなで見たライマスのDVDにいたでしょっ!」
「そういえば、居たような」
憧れの声優に対面して佑香のテンションがはね上がる。
「さやか先輩、今日の声優トークショーってみっぴーだったんですか!?」
「ええそうよ。本番前に知ったら佑香ちゃんのテンションが上がりすぎちゃうと思って黙ってたんだけど」
「もー、言ってくださいよぉ。大丈夫です、テンションあがって本番もバッチリですっ。それにしてもすごかったなぁ、オーラがあったなぁ」
「佑香ちゃん大袈裟だなぁ。でも確かに芸能人のオーラというか雰囲気のある人だったね」
信じられないという顔でみっぴーこと飯塚美穂が通り過ぎて行った裏道を見つめる佑香と、そんな佑香に冷静に対応する美空。
そんな会話をしているうちに、五人はステージ横の控え室に着いた。紗夜香と亜紀が音響室へ向かう。亜紀はそのまま本番が終わるまで音響室だ。亜紀を音響担当者へ紹介した紗夜香が控え室に戻ってくる。
「衣装に着替える前にステージに立っておく? リハの時間は後からあるけど、先に雰囲気を味わっておいた方がいいかな」
そう言われて、三人が控え室を出て舞台袖からステージに向かう。
「うわぁ、大きい」
ステージ上から客席を見た佑香が感想を言う。客席にはまだ人はいなかったが、その分広さを感じることができた。美空も口を開く。
「うん、二階にも客席があるんだね。お客さんどれくらい入るんだろう」
「満員で五百十人入るらしいわ。みんなはトップバッターだからお客さんほとんど入っていないだろうけどガッカリしないでね」
「初ライブだしその方が緊張しないでいいよね、れいちゃん」
そう言って佑香が玲の方を向くが、玲は客席に視線を向けたまま佑香の声に反応しない。こちらにも音が聞こえるくらいの大きな動作で唾を飲み込む。よく見るとその華奢な肩が細かく震えている。
「れいちゃん?」
佑香が玲の隣に寄って声を掛けると、玲はいつもの大人びた声とは違う、弱々しい声でぽつりとつぶやく。
「無理……」
そう言うとその場にしゃがみ込んでしまう玲。
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