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3章 インターハイ予選へ向けて
015話 公式試合と、高校レベルと ①
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SIDE:YUNO
世の中は今日からゴールデンウィーク。
高校一年生たちは初めての連休に遊ぶ計画を立てる。という人が多いのだろうけど。
私たちは、市の体育館へ来ていた。
今日は、高校卓球選手権春季大会札幌地区予選の日。私たち札幌山花高校卓球部は高校の公式戦を実際に観たことがないということで、試合観戦に来たのだった。
「はえー、めっちゃ人いる」
「卓球の体育館って観客席少ないからね。それにウチみたいに春季は出ないけど本番は出るって学校もあるだろうからインハイ予選はもっと混むはずだよ」
よく見ると、客席の真ん中前の方の席は、大人数の同じジャージの集団が陣取っている。卓球部だけであんなに大人数がいるのは私立の強豪校だろうか。
「うちらは試合出るわけでもないし他の学校の邪魔にならない端っこの方で見やすい場所にしようか」
「はい」
絵東先輩に先導されて、一番端の方の席の前列に座る。六列か七列あるうちの手前側二列くらいしか見えないが、その代わりに見える二列については近くでよく見える。
「ナオミちゃんあとお願いしてもいい? 私ちょっと挨拶周りに」
「わかりました。あまり長居はしないでくださいね」
「はーい」
手を振ると絵東先輩は客席の真ん中へと向かっていった。
「皆さんトーナメント表は持ってきましたか?」
「はい」
大会のホームページにあったトーナメント表に、前原先生と絵東先輩が『昨秋道ベスト32』『ドライブ主戦。めっちゃ打ってくる!』などメモ書きをしてくれたものだ。先輩からは高校名と苗字だけなので鈴木さんとか佐藤さんは把握できていないのと三年前時点の評価だよという注釈はついていたが、それでも真っ白なトーナメント表を眺めるのとは情報量が段違いだ。
「春季の団体戦は強豪校だと下級生に出場機会を与えたりしますが、個人戦はインターハイ予選のシードに関わってくるので有力な選手は大体出場しますね」
第二シードには「妙高 聖マリヤ女子」の文字がある。この前専門店で会った妙高静香さんだろう。
トーナメント表を見ていると、美夏があることに気付く。
「あれ、じゃ大会に出てないヤマコーはどうなるんですか?」
「一年生は中学の実績も加味されるので有栖川さんはシードになると思いますが、他の皆さんはおそらくノーシードだと思います」
「絵東さんもですか?」
「はい、絵東さんは高校の実績の無い三年生なので、確実にノーシードになります」
元中学王者で、ブランクもほとんど感じさせない先輩が一回戦から戦わないといけないというのはなんとなく理不尽な気もする。それはそれで一回戦で先輩と当たる対戦相手はお気の毒以外の言葉がないけど。
「さあ、そろそろ始まりますよ。目の前のコートでどの試合が行われるかは直前までわからないので、アナウンスをよく聞いてくださいね」
世の中は今日からゴールデンウィーク。
高校一年生たちは初めての連休に遊ぶ計画を立てる。という人が多いのだろうけど。
私たちは、市の体育館へ来ていた。
今日は、高校卓球選手権春季大会札幌地区予選の日。私たち札幌山花高校卓球部は高校の公式戦を実際に観たことがないということで、試合観戦に来たのだった。
「はえー、めっちゃ人いる」
「卓球の体育館って観客席少ないからね。それにウチみたいに春季は出ないけど本番は出るって学校もあるだろうからインハイ予選はもっと混むはずだよ」
よく見ると、客席の真ん中前の方の席は、大人数の同じジャージの集団が陣取っている。卓球部だけであんなに大人数がいるのは私立の強豪校だろうか。
「うちらは試合出るわけでもないし他の学校の邪魔にならない端っこの方で見やすい場所にしようか」
「はい」
絵東先輩に先導されて、一番端の方の席の前列に座る。六列か七列あるうちの手前側二列くらいしか見えないが、その代わりに見える二列については近くでよく見える。
「ナオミちゃんあとお願いしてもいい? 私ちょっと挨拶周りに」
「わかりました。あまり長居はしないでくださいね」
「はーい」
手を振ると絵東先輩は客席の真ん中へと向かっていった。
「皆さんトーナメント表は持ってきましたか?」
「はい」
大会のホームページにあったトーナメント表に、前原先生と絵東先輩が『昨秋道ベスト32』『ドライブ主戦。めっちゃ打ってくる!』などメモ書きをしてくれたものだ。先輩からは高校名と苗字だけなので鈴木さんとか佐藤さんは把握できていないのと三年前時点の評価だよという注釈はついていたが、それでも真っ白なトーナメント表を眺めるのとは情報量が段違いだ。
「春季の団体戦は強豪校だと下級生に出場機会を与えたりしますが、個人戦はインターハイ予選のシードに関わってくるので有力な選手は大体出場しますね」
第二シードには「妙高 聖マリヤ女子」の文字がある。この前専門店で会った妙高静香さんだろう。
トーナメント表を見ていると、美夏があることに気付く。
「あれ、じゃ大会に出てないヤマコーはどうなるんですか?」
「一年生は中学の実績も加味されるので有栖川さんはシードになると思いますが、他の皆さんはおそらくノーシードだと思います」
「絵東さんもですか?」
「はい、絵東さんは高校の実績の無い三年生なので、確実にノーシードになります」
元中学王者で、ブランクもほとんど感じさせない先輩が一回戦から戦わないといけないというのはなんとなく理不尽な気もする。それはそれで一回戦で先輩と当たる対戦相手はお気の毒以外の言葉がないけど。
「さあ、そろそろ始まりますよ。目の前のコートでどの試合が行われるかは直前までわからないので、アナウンスをよく聞いてくださいね」
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