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予想をことごとく外す女
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「あなた、モテるでしょ?」
『いいえ。私は人生で一度も、告白されたことがないんです。それに、告白してもフラれてばかりで。モテているとは言えないと思います』
「あなた、恋人はいるよね?」
『今言った通り、全然モテません。だから、恋人はいないです。告白は何度もしましたけど、フラれ続けています。人生でまだ一度も、付き合ったことはないです』
「あなた、A型でしょ?」
『いいえ。よく、A型っぽいと言われます。だけど、違うんです。几帳面で真面目そうとか、色々と言われます。だけど、これでもB型なんです。おっちょこちょいなところも、結構あるんですよ。意外だねって、よく言われます』
「あなた、30代くらいでしょ?」
『いいえ。こう見えて、まだ10代なんですよ。落ち着きがあるところとか。おでこのシワなどで、そう思われることが多いんです。30代に思われるなんて、良い方ですよ。酷いときは、50代って言わることもありましたからね』
「あなた、目が悪いでしょ?」
『目をぎゅっと思い切り瞑ったり。睨み付けるように、目を細めたりするのが癖なんです。目が悪いからしている、とかではないんですよ。むしろ、誰よりも目が良い方だと思っています。遠くの看板の文字が、誰よりも早く分かったりしますから』
「あなた、何かスポーツやってたでしょ?」
『いいえ。全くやってません。全然ダメで、文化部でした。運動神経のことも、よく誤解されます。運動神経が良さそうだと、みんなに言われるんです。だけど、逆上がりも出来ないんですよ。体格がいい方なんで、そう思われがちなんですよね』
「あなた、赤好きでしょ?」
『好きか嫌いかでいったら、好きの方に近いかもしれません。でも、好きな色のランキングでいうと、だいぶ下の方ですよ。今は、赤いTシャツを着てますけど。これは、友達に買ってもらった大切なものなんです。赤の洋服は、これくらいしかありませんよ』
「あなた、関西出身でしょ?」
『いいえ。ずっと、生まれたときから、東京に住んでます。関西には一度も、行ったことがありません。うちの家族はみんな、関西弁によく似たイントネーションで喋っています。なので、それが移ったのかもしれませんね。イントネーション以外は、関西要素ないですけどね』
「あなたのその財布、2万はするでしょ?」
『いいえ。これは本物の革ではないんです。高そうには見えますけど、有名なブランドのものでもありません。そこら辺の、普通のお店でも手に入る、ポピュラーな財布なんです。千円札一枚出しても、お釣りが来るくらいのものなんです。誰でも買えるんですよ』
「あなたの身長って、160cmくらいでしょ?」
『意外と170cm越えてるんですよ。ぴったり170cmなんです。だけど、みんなに小さいって思われることが多くて。顔の大きさとか、カラダのバランスとかの関係で、小さく見えるんですかね。ペチャンコの靴しか、持っていません。それも、背が低く思われる原因かもしれませんね』
「あなた、体重60kgはあるでしょ?」
『そんなにないですよ。身長は170cmあるので、多く思われがちなんです。だけで、意外と少ない方なんですよね。寒さに弱くて、着込んでいます。だから、それが影響して、太って見えるっていうのもあるかもしれませんね。50kgしかないんですよ。170cmにしては、少ないですよね』
「あなた、高校は卒業したでしょ?」
『いいえ。高校もそうですけど、中学さえも行ってないんです。中学は一日も、通いませんでした。だから、少しバカなところがあるんですよね。人間と話すのが少し苦手で。小さい頃は、部屋にいることが多かったんです。こういう言葉が、実際にあるかは分かりませんが、小卒なんですよ』
「あなた、男でしょ?」
『いいえ。違います。容姿は男に近いかもしれませんが、男ではないんです。これは、ほぼ全ての人に間違えられます。もちろん、女でもないです。この姿を見れば、分かりますよね。女性の要素は少しも、入っていませんから。もしも男と女で分けるとしたなら、男に部類されるかもしれませんが』
「あなた、人間でしょ?」
『いいえ。人間ではないです。外見は人間そのものですけど、違うんです。少しは人間も入ってます。他の色々な動物も、少しずつ入ってます。あと植物系のものも、僅かに入ってます。機械系や、少しロボットも入ってます。なにって言われると、答えられないんです。だけど、人間でないのは確かです』
予想を全て、外し続けている女は考えた。
色々と、考えを巡らせた。
少しの間、沈黙は続いた。
女は前を見つめると、ゆっくりと口を開いた。
「私は、あなたが住宅に住んでると予想する。外れてるでしょ?」
『いいえ。合ってます。住宅に住んでますよ。ごく普通のマンションに住んでます。部屋は狭い方ですけど、そのくらいが自分に合っていると思うので。それに、落ち着くので』
「あなたが、住宅に住んでると予想はしていたから、その点では当たりよね?」
『はい。そうですね』
『いいえ。私は人生で一度も、告白されたことがないんです。それに、告白してもフラれてばかりで。モテているとは言えないと思います』
「あなた、恋人はいるよね?」
『今言った通り、全然モテません。だから、恋人はいないです。告白は何度もしましたけど、フラれ続けています。人生でまだ一度も、付き合ったことはないです』
「あなた、A型でしょ?」
『いいえ。よく、A型っぽいと言われます。だけど、違うんです。几帳面で真面目そうとか、色々と言われます。だけど、これでもB型なんです。おっちょこちょいなところも、結構あるんですよ。意外だねって、よく言われます』
「あなた、30代くらいでしょ?」
『いいえ。こう見えて、まだ10代なんですよ。落ち着きがあるところとか。おでこのシワなどで、そう思われることが多いんです。30代に思われるなんて、良い方ですよ。酷いときは、50代って言わることもありましたからね』
「あなた、目が悪いでしょ?」
『目をぎゅっと思い切り瞑ったり。睨み付けるように、目を細めたりするのが癖なんです。目が悪いからしている、とかではないんですよ。むしろ、誰よりも目が良い方だと思っています。遠くの看板の文字が、誰よりも早く分かったりしますから』
「あなた、何かスポーツやってたでしょ?」
『いいえ。全くやってません。全然ダメで、文化部でした。運動神経のことも、よく誤解されます。運動神経が良さそうだと、みんなに言われるんです。だけど、逆上がりも出来ないんですよ。体格がいい方なんで、そう思われがちなんですよね』
「あなた、赤好きでしょ?」
『好きか嫌いかでいったら、好きの方に近いかもしれません。でも、好きな色のランキングでいうと、だいぶ下の方ですよ。今は、赤いTシャツを着てますけど。これは、友達に買ってもらった大切なものなんです。赤の洋服は、これくらいしかありませんよ』
「あなた、関西出身でしょ?」
『いいえ。ずっと、生まれたときから、東京に住んでます。関西には一度も、行ったことがありません。うちの家族はみんな、関西弁によく似たイントネーションで喋っています。なので、それが移ったのかもしれませんね。イントネーション以外は、関西要素ないですけどね』
「あなたのその財布、2万はするでしょ?」
『いいえ。これは本物の革ではないんです。高そうには見えますけど、有名なブランドのものでもありません。そこら辺の、普通のお店でも手に入る、ポピュラーな財布なんです。千円札一枚出しても、お釣りが来るくらいのものなんです。誰でも買えるんですよ』
「あなたの身長って、160cmくらいでしょ?」
『意外と170cm越えてるんですよ。ぴったり170cmなんです。だけど、みんなに小さいって思われることが多くて。顔の大きさとか、カラダのバランスとかの関係で、小さく見えるんですかね。ペチャンコの靴しか、持っていません。それも、背が低く思われる原因かもしれませんね』
「あなた、体重60kgはあるでしょ?」
『そんなにないですよ。身長は170cmあるので、多く思われがちなんです。だけで、意外と少ない方なんですよね。寒さに弱くて、着込んでいます。だから、それが影響して、太って見えるっていうのもあるかもしれませんね。50kgしかないんですよ。170cmにしては、少ないですよね』
「あなた、高校は卒業したでしょ?」
『いいえ。高校もそうですけど、中学さえも行ってないんです。中学は一日も、通いませんでした。だから、少しバカなところがあるんですよね。人間と話すのが少し苦手で。小さい頃は、部屋にいることが多かったんです。こういう言葉が、実際にあるかは分かりませんが、小卒なんですよ』
「あなた、男でしょ?」
『いいえ。違います。容姿は男に近いかもしれませんが、男ではないんです。これは、ほぼ全ての人に間違えられます。もちろん、女でもないです。この姿を見れば、分かりますよね。女性の要素は少しも、入っていませんから。もしも男と女で分けるとしたなら、男に部類されるかもしれませんが』
「あなた、人間でしょ?」
『いいえ。人間ではないです。外見は人間そのものですけど、違うんです。少しは人間も入ってます。他の色々な動物も、少しずつ入ってます。あと植物系のものも、僅かに入ってます。機械系や、少しロボットも入ってます。なにって言われると、答えられないんです。だけど、人間でないのは確かです』
予想を全て、外し続けている女は考えた。
色々と、考えを巡らせた。
少しの間、沈黙は続いた。
女は前を見つめると、ゆっくりと口を開いた。
「私は、あなたが住宅に住んでると予想する。外れてるでしょ?」
『いいえ。合ってます。住宅に住んでますよ。ごく普通のマンションに住んでます。部屋は狭い方ですけど、そのくらいが自分に合っていると思うので。それに、落ち着くので』
「あなたが、住宅に住んでると予想はしていたから、その点では当たりよね?」
『はい。そうですね』
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