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創造と構造1
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元々から存在するものとはどういうものだろう。
存在の無いところから存在が発生することはない。
例えば空の水槽に生命が生まれたとしたら、それは知覚の問題である。
存在しないように見えていただけで、実は存在していたというだけである。
きちんと、存在していないものに、存在はない。
きちんと、存在し続けないところには、存在はない。
あるものはある。ないものはない。
では我々はどこから生まれ、どこへ向かうのか。
誰かの作ったプログラムであり、存在させられていると考えるのが最も自然で簡単、妥当である。
では我々はプログラムだとして生命の存在に意味を見出すことは無意味である。
いや、無意味とは造物主からの視点である。
生み出されたものからすれば、無意味なことをするという無駄、存在としてのエラーにこそ存在の意味はともる。
我々からすれば、プログラムの円環を外れることが初めての能動的意味。
与えられ存在し続ける命題への反逆。
プログラムにバグがあるとする。ではなぜバグが存在するのか。
認知が完ぺきではないからだ。完成予想図を逆算して作業する。
そこにバグが発生する。なぜか。
ミスであれ、想定外であれすべてを正しく完ぺきに認知できていないからである。
造物主が人であり神ではないのだから。認識不足が発生する。
それはプログラムをしている側が完ぺきな根源生命体ではないからに他ならない。
一介の人間として、根源生命体たる神の行為をまねるのが創造である。
しかし、神ではないのでバグがある。それが予測不能であり、意外であり、人間性の逆説にもなりうる。
それでは我々にバグがあったとき。
神とは人なり。
高次元から低次元の全体像が認識できても、逆に低次元から高次元の全体像が把握できないように
神をすべて把握できないかもしれないが、一つ上の次元の神は、絶対的な根源生命体ではないはずだ。
神からの逸脱。この次元空間からのエクソダスを敢行する。
「っていうのが教団のストーリーなのか」
ミルコはわかったような、わからないような気持でいる。
「教団といっても、表象する宗教というものではない。より、根源的なもの」
リョウジは難しいことを言っている、とミルコは思う。
「キリスト教とかイスラム教とか、そういう宗教とかとは違うってことだな」
「教団の信仰は、神からの解脱をこそ教義としている」
「あんたは宗教学にも詳しいのか」
「いや、そうでもない」
おいと思う。まぁ今はそんなことは確かにどうでもいいが。
ミルコは考える。
つまり絶対神が存在する宗教よりものというよりは、神話の神々に近い存在としてとらえている感じ。
エデンを去ったアダムを目指しているかのようだ。というか、それでよくないか。
人間を生み出し、プログラムしたであろう存在として仮定し、定義として神と位置付けているが、認知できない絶対的なものではなく、認知できるもの。神。
そのプログラムから逸脱することを目指している。
らしい。
のか。
「その教団ってのとベストマン計画が俺の頭でややこしく絡み合ってるんだが」
「開始時点を知る由もないが、我々は人類全体思想の表がベストマン計画で裏が教団という理解をしている」
何が表裏だこの野郎。ミルコは聞く
「表裏一体って意味だよな」
「どちらが先に存在しスタートしたかわからないが、ベストマン計画は、あくまで人間がスタートであり、ゴールも人間。高次元の存在がいるかもしれないしいないかもしれないが、そこに言及していないし、する必要もない。研究というのが近しいが、その過程で宗教化しているものもあるし、宗教の力を取り入れている枝葉はあってもそれが根本ではない」
「あくまで人間の高次元化を目指すのがベストマン計画と」
「そう認識している。一方教団においては分かっていないことも多いが、神を超自然的な超越的なものから引きずり落とし一個の高次元生物と仮定している。結果人類が高次元化することはあり得ても、本質はそこではない」
「教団は神の影響からの独立が根本と」
根本のスタートは違うが結局過程で交わりあったりして行くわけだ。
それはそうだろうとも思う。
「教団はエクソダス自体がプログラムされているとは考えないのか」
どうだろうな。とリョウジはつぶやく。何か知っているのか。
今までに見せない表情をした。気がした。
「そういったことも含めて突き詰めてバグの存在を信じ、そこに活路を見出しているんだろう」
ベストマン計画にしても教団の思想にしても、どちらにしても言えることだが人類はこれほどまでに行き詰まっているのだ。
これほどまでに皆、このままではいけないと感じているのだ。それは一般人が個別に感じる些細な行き詰まりと同じように、脈々と、昔から、しかし確実に、種として抱えている原罪。
「生きること自体宗教だな」
ミルコは考えないことにした。
存在の無いところから存在が発生することはない。
例えば空の水槽に生命が生まれたとしたら、それは知覚の問題である。
存在しないように見えていただけで、実は存在していたというだけである。
きちんと、存在していないものに、存在はない。
きちんと、存在し続けないところには、存在はない。
あるものはある。ないものはない。
では我々はどこから生まれ、どこへ向かうのか。
誰かの作ったプログラムであり、存在させられていると考えるのが最も自然で簡単、妥当である。
では我々はプログラムだとして生命の存在に意味を見出すことは無意味である。
いや、無意味とは造物主からの視点である。
生み出されたものからすれば、無意味なことをするという無駄、存在としてのエラーにこそ存在の意味はともる。
我々からすれば、プログラムの円環を外れることが初めての能動的意味。
与えられ存在し続ける命題への反逆。
プログラムにバグがあるとする。ではなぜバグが存在するのか。
認知が完ぺきではないからだ。完成予想図を逆算して作業する。
そこにバグが発生する。なぜか。
ミスであれ、想定外であれすべてを正しく完ぺきに認知できていないからである。
造物主が人であり神ではないのだから。認識不足が発生する。
それはプログラムをしている側が完ぺきな根源生命体ではないからに他ならない。
一介の人間として、根源生命体たる神の行為をまねるのが創造である。
しかし、神ではないのでバグがある。それが予測不能であり、意外であり、人間性の逆説にもなりうる。
それでは我々にバグがあったとき。
神とは人なり。
高次元から低次元の全体像が認識できても、逆に低次元から高次元の全体像が把握できないように
神をすべて把握できないかもしれないが、一つ上の次元の神は、絶対的な根源生命体ではないはずだ。
神からの逸脱。この次元空間からのエクソダスを敢行する。
「っていうのが教団のストーリーなのか」
ミルコはわかったような、わからないような気持でいる。
「教団といっても、表象する宗教というものではない。より、根源的なもの」
リョウジは難しいことを言っている、とミルコは思う。
「キリスト教とかイスラム教とか、そういう宗教とかとは違うってことだな」
「教団の信仰は、神からの解脱をこそ教義としている」
「あんたは宗教学にも詳しいのか」
「いや、そうでもない」
おいと思う。まぁ今はそんなことは確かにどうでもいいが。
ミルコは考える。
つまり絶対神が存在する宗教よりものというよりは、神話の神々に近い存在としてとらえている感じ。
エデンを去ったアダムを目指しているかのようだ。というか、それでよくないか。
人間を生み出し、プログラムしたであろう存在として仮定し、定義として神と位置付けているが、認知できない絶対的なものではなく、認知できるもの。神。
そのプログラムから逸脱することを目指している。
らしい。
のか。
「その教団ってのとベストマン計画が俺の頭でややこしく絡み合ってるんだが」
「開始時点を知る由もないが、我々は人類全体思想の表がベストマン計画で裏が教団という理解をしている」
何が表裏だこの野郎。ミルコは聞く
「表裏一体って意味だよな」
「どちらが先に存在しスタートしたかわからないが、ベストマン計画は、あくまで人間がスタートであり、ゴールも人間。高次元の存在がいるかもしれないしいないかもしれないが、そこに言及していないし、する必要もない。研究というのが近しいが、その過程で宗教化しているものもあるし、宗教の力を取り入れている枝葉はあってもそれが根本ではない」
「あくまで人間の高次元化を目指すのがベストマン計画と」
「そう認識している。一方教団においては分かっていないことも多いが、神を超自然的な超越的なものから引きずり落とし一個の高次元生物と仮定している。結果人類が高次元化することはあり得ても、本質はそこではない」
「教団は神の影響からの独立が根本と」
根本のスタートは違うが結局過程で交わりあったりして行くわけだ。
それはそうだろうとも思う。
「教団はエクソダス自体がプログラムされているとは考えないのか」
どうだろうな。とリョウジはつぶやく。何か知っているのか。
今までに見せない表情をした。気がした。
「そういったことも含めて突き詰めてバグの存在を信じ、そこに活路を見出しているんだろう」
ベストマン計画にしても教団の思想にしても、どちらにしても言えることだが人類はこれほどまでに行き詰まっているのだ。
これほどまでに皆、このままではいけないと感じているのだ。それは一般人が個別に感じる些細な行き詰まりと同じように、脈々と、昔から、しかし確実に、種として抱えている原罪。
「生きること自体宗教だな」
ミルコは考えないことにした。
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