上 下
7 / 7

7

しおりを挟む
…1ヶ月が経過した。
私の瞳からはとうに宝石然とした輝きは消えていた。
この1ヶ月の間は、語るに堪えない日々だった。
殴られ、蹴られ、犯され。
尽くせる限りの辱めを受け続けた。
感情などはとうに私の手を離れていた。

「クク…よォ…あんた…上じゃお姫様だったんだってなァ…クク、いや、なりそこなったんだっけかァ…ま、そんなこたァどぉだっていいやァ……んなことよりさァァ抱かせろよぉいいだろ?いいよな?だって俺らもう同類、同族だもんなァ拒否する権利なんてねェからなァ!!!」

まぁ、こんなのが日に3回ならまだ少ない方である。
ここに人間はいない。
それは、私含めて。

「…お好きに」

抵抗して拒絶する気力は5日目で尽き果てた。
____酷く不快だ。
でも、それ以上に無感情。
かつてのアウローラ・アイギスが守ったものは全て崩れ去った。
あれだけ叩き込まれた姫君としての立ち居振る舞いも、思い出した頃には忘れていた。
残ったのは無だけの残骸。
それが今の私。

「クッ…ふぅー……あぁ、最高だったぜェ…また頼むわァ、よろしくな、お姫様。…おっと、これは地雷だったかァ?クククク…」

「……死ね」

これだけ。
これだけを繰り返す。
壁を這い回る百足も、どこを向いても視界に入る人の死体も、私にとっては無関係。
そのまま、私は眠る。
あぁ、でも、最近はよく生まれた村のことを思い出す。
その記憶だけが、私。
それだけが、アウローラ・アイギス。
____嘘。
もう一つ。
残骸わたしを私に繋ぎ止めているもの。
碧。
翠。
その色が、絶え間なく私を見つめてる。
その視線に気づくたび、私は私になれる。
___殺意という名の劇薬で。

「……ッ…目が冴えてきちゃったな…」

と、冴えた瞳を持て余していると、

「……ん?」

何か…目が冴えすぎているのか、何かが見える。
あれは、何?
何かが、見える。
それは、次第に大きくなって…

「え?降ってきてない…?」

どんどん近づいて、

「まって直撃コースじゃんこれてか速」

堕ちた。

「……いった……ちゃんと直撃してんじゃん…」

何事かと思って確認すると、

「え?…人じゃん」

降ってきたのは、青年だった。


















しおりを挟む

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(1件)

ゆうちゃん
2021.06.12 ゆうちゃん

此れで終わり?

此れだと地下行く前で終わってますよ。タイトル見て此れからざまぁだと思っていたので残念です。正直読んでいて消化不良となりました。

解除

あなたにおすすめの小説

悪役令嬢の私が婚約破棄?いいでしょう。どうなるか見ていなさい!

有賀冬馬
恋愛
マリアンヌは悪役令嬢として名高い侯爵家の娘だった。 そんな彼女が婚約者のシレクサ子爵から婚約破棄を言い渡される。 しかし彼女はまったくショックを受ける様子もなく……

元婚約者は入れ替わった姉を罵倒していたことを知りません

ルイス
恋愛
有名な貴族学院の卒業パーティーで婚約破棄をされたのは、伯爵令嬢のミシェル・ロートレックだ。 婚約破棄をした相手は侯爵令息のディアス・カンタールだ。ディアスは別の女性と婚約するからと言う身勝手な理由で婚約破棄を言い渡したのだった。 その後、ミシェルは双子の姉であるシリアに全てを話すことになる。 怒りを覚えたシリアはミシェルに自分と入れ替わってディアスに近づく作戦を打ち明けるのだった。 さて……ディアスは出会った彼女を妹のミシェルと間違えてしまい、罵倒三昧になるのだがシリアは王子殿下と婚約している事実を彼は知らなかった……。

婚約解消した後でもキス出来ると思っているのですか?

ルイス
恋愛
「お互いの為にも婚約はなかったことにしよう」 「非常に残念です……グローム様……」 伯爵令嬢のルシャ・ゼラードと侯爵のグローム・ナイトレイ。二人は婚約関係にあったが、性格の不一致やグロームの浮気が原因で婚約解消することになった。 ルシャは悲しみを乗り越え、新しい恋に生きることにする。 しかし、グロームはその後もルシャに対して馴れ馴れしく接して来るようになり……。

【完結】女癖の悪い第一王子に婚約破棄されました ~ところでお二人は王妃様の教育に耐えられますか?~

つぼみ
恋愛
レーナは婚約者のロイド様のことでいつも頭を悩ませていた。 ロイド様は第一王子なのに女癖が悪く、数々の令嬢を泣かせてきた人で、レーナはその後始末をやっていた。 そんなある日、レーナはロイド様に婚約破棄をされてしまう。 ロイド様はリリカさんという一番のお気に入りと婚約するらしい。 ショックを受けたレーナは家族に相談をする。 すると、家族は思い思いの反応をしめす。 一週間王宮に行かなくていいといわれたレーナはその間自由に過ごすことにする。 そのころロイド様とリリカさんは王妃様から教育を受けていて……。 *婚約破棄ざまぁものです。 *ロイド、リリカ、ともにざまぁ展開があります。 *設定ゆるゆるです(コメントでいろいろ教えていただきありがとうございます。もっと勉強しようと思います)

その公女、至極真面目につき〜デラム公女アリスタの婚約破棄ショー〜

ルーシャオ
恋愛
デラム公女アリスタは、婚約者であるクラルスク公爵家嫡男ヴュルストがいつも女性を取っ替え引っ替えして浮気していることにいい加減嫌気が差しました。 なので、真面目な公女としてできる手を打ち、やってやると決めたのです。 トレディエールの晩餐会で、婚約破棄ショーが幕を開けます。

婚約破棄から始まる破滅

四季
恋愛
フェミーアの王女ミルネアには婚約者がいた。 その婚約者は、隣国の王子であった。 二人は徐々に親しくなり、すべてが順調に進んでいるかのように思われていたのだが……。

婚約破棄した王太子、男爵令嬢にあっけなく振られる

下菊みこと
恋愛
王太子にヒロイン扱いされる女性が、王太子に悪役令嬢扱いされる女性に懐いてるお話。 王太子は勘違いナルシスト野郎。きっちり破滅。 ざまぁというか当然の流れかも。 小説家になろう様でも投稿しています。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。