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俺に塩対応な友達が彼氏になったらめちゃめちゃ甘かったなんて聞いてない
バレンタイン編〜彼氏になる前〜
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彼氏になる前
「え?これともちゃんの手作り?」
今日はバレンタイン。
俺の作ったお菓子を部活後皆に差し出すと、友達の一人が驚いた顔をした。
「そ。ガトーショコラ」
「またともちゃんの姉ちゃんに頼まれて作ったんだろ」
俺が答えると、同じ中学出身の友達言った。
「え? どういうこと?」
「あ、お前同中じゃないもんな。ともちゃんお菓子作り得意だから、毎年姉ちゃんが彼氏にあげるバレンタインのお菓子作らされてんの」
「そ。で、女の子から貰えなさそうな可哀想な友達にもついでに毎年作ってやってんの」
俺が言うと周りにいた友達は皆ふざけて唇を尖らせた。
「なんだよ、それ。シツレーだな。でもともちゃんの作ったヤツ旨いから貰っとくわ」
そう言って次々に友達は俺の作ったガトーショコラを手に取り、口に運んだ。
「ラッピングも可愛いな。女の子から貰ったみたいでちょっと嬉しいかも」
「うまぁ。お菓子作り本当に得意なんだな。お前」
「だろー。お姉ちゃんの彼氏もお陰でメロメロよ」
「姉ちゃんの彼氏可哀想―!まさか弟が作ってるなんてな」
「気づいてないから大丈夫」
「女ってこえー!」
俺が言うと友達はみんな笑った
「うるせぇな。何騒いでんの?」
そこにダルそうな顔をした柚希が現れた。
両手に大きな紙袋。
「わ。ゆず、今年も随分もらったな」
紙袋いっぱいに入ったチョコレート。
それを見て皆は驚いた声を出す。
「こんなに貰ったんじゃ、ゆずはともちゃんの作ったガトーショコラはいらないよな」
友達が俺の作ったガトーショコラを指差して言う。
「何それ?鈴木の手作り?」
眉を顰めて柚希が言う。
「あ……そ……そう、俺の手作り……ゆずもいる?」
「いると思う?」
両手の紙袋。
「いらないですよねー……」
俺が言うと、柚希はさっさと身を翻した。
「そんなもん食ってねぇでさっさと帰ろうぜ」
柚希が言うと、皆も食べかけの俺のガトーショコラをそれぞれバッグに詰め込んで帰り支度を始めた。
もちろんだけど、柚希にあげたくて特別にラッピングしたガトーショコラは渡せなかった。
「え?これともちゃんの手作り?」
今日はバレンタイン。
俺の作ったお菓子を部活後皆に差し出すと、友達の一人が驚いた顔をした。
「そ。ガトーショコラ」
「またともちゃんの姉ちゃんに頼まれて作ったんだろ」
俺が答えると、同じ中学出身の友達言った。
「え? どういうこと?」
「あ、お前同中じゃないもんな。ともちゃんお菓子作り得意だから、毎年姉ちゃんが彼氏にあげるバレンタインのお菓子作らされてんの」
「そ。で、女の子から貰えなさそうな可哀想な友達にもついでに毎年作ってやってんの」
俺が言うと周りにいた友達は皆ふざけて唇を尖らせた。
「なんだよ、それ。シツレーだな。でもともちゃんの作ったヤツ旨いから貰っとくわ」
そう言って次々に友達は俺の作ったガトーショコラを手に取り、口に運んだ。
「ラッピングも可愛いな。女の子から貰ったみたいでちょっと嬉しいかも」
「うまぁ。お菓子作り本当に得意なんだな。お前」
「だろー。お姉ちゃんの彼氏もお陰でメロメロよ」
「姉ちゃんの彼氏可哀想―!まさか弟が作ってるなんてな」
「気づいてないから大丈夫」
「女ってこえー!」
俺が言うと友達はみんな笑った
「うるせぇな。何騒いでんの?」
そこにダルそうな顔をした柚希が現れた。
両手に大きな紙袋。
「わ。ゆず、今年も随分もらったな」
紙袋いっぱいに入ったチョコレート。
それを見て皆は驚いた声を出す。
「こんなに貰ったんじゃ、ゆずはともちゃんの作ったガトーショコラはいらないよな」
友達が俺の作ったガトーショコラを指差して言う。
「何それ?鈴木の手作り?」
眉を顰めて柚希が言う。
「あ……そ……そう、俺の手作り……ゆずもいる?」
「いると思う?」
両手の紙袋。
「いらないですよねー……」
俺が言うと、柚希はさっさと身を翻した。
「そんなもん食ってねぇでさっさと帰ろうぜ」
柚希が言うと、皆も食べかけの俺のガトーショコラをそれぞれバッグに詰め込んで帰り支度を始めた。
もちろんだけど、柚希にあげたくて特別にラッピングしたガトーショコラは渡せなかった。
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