とろけてまざる

ゆなな

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1章

6話

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車のドアを開けられても、自力で降りることなんて出来なくなっていた。
膝がかくかくと震えて立てないし、熱に浮かされたように躯中が熱い。

「ユキ……おいで……」
呼び方がいつの間にか変わっていたことにも気がつかず、腕を広げた永瀬から溢れる香りにフラフラとその胸に転がり込んだ。
まるで蜜に引き寄せられる蝶のように。
抱き上げられ、室内に運ばれた。

自分が今どこにいるのかなんてわかりはしない。
「は………は…………」

シャツが肌に擦れるのさえも、刺激になって辛い。
永瀬はユキを抱き上げたままいくつかの扉を通り、どこか柔らかいところの上にそっと降ろした。

苦しくて、熱い吐息が絶えず漏れるくちびるは腫れぼったくて思わず舌で湿らせると、永瀬はユキの躯の上にのし掛かった……

そして永瀬のくちびるがユキのそれに重なった。

「やっ………」

辛うじて引っ掛かっていた理性で厚い胸板を押しやろうとすると、
強い力で両手を押さえつけられ、貪るように咥内を侵された。
ぬるりと濡れた舌が忍び込んでくる。舌を吸われて唾液を飲まされると、ただでさえ発情している躯なのに、まるで媚薬でも飲まされたように更に躯は熱くなった……

「永…瀬せんせ……っ……ど……して?」

感じすぎて潤んだ瞳で問いかけると永瀬はユキの耳元にささやくように答えた。

「オメガのヒートは、『こう』しないと辛いままだろう?」

そして、

「オメガのフェロモンに煽られたアルファも、『こう』しないと止まれない」


「っ……んぅ……」
耳朶をペロリ、と舐められて首筋を辿られる。
プツ…プツ……とシャツのボタンが外されてゆくのを何処か他人ごとのように感じていたが、永瀬の指先がぷつりと濃い桃色に色づいた胸の先に触れると

「ひ…………っ」

電流を流されたかのように快感がユキの躯を走った。
胸の先からじくじくと躯を苛む快感を流し込まれている間にいつの間にかジーンズは脱がされていて…

「凄いな……もう下着までぐしょぐしょじゃないか…」

下着を脱がしながら永瀬は楽しそうに嗤った。
違うとも反論できないほどの状態。
反論できたとしても火傷しそうに熱い吐息が漏れるくちびるを開けば甘ったるい声が何を口走ってしまうかもうわからなくてぐっ…とくちびるを噛み締めた。

下肢を全て裸に剥かれると、つ………と熱い愛液が太ももを伝った。とろとろとした愛液を長い指は掬うように辿り、双丘の間にたどりつく。

永瀬の香りに半ば意識が飛びそうなほど朦朧とする。
躯を伝う指先から与えられる熱が熱すぎてユキの気は狂いそうだ。

「発情期のオメガとするのは初めてじゃないんだが…ここまで濡れる子は初めてだよ。」

「ぅ……っ……」

「いいね、発情期真っ只中で声を我慢しようとするくらい理性が残ってる、とはね…」
その理性、奪ってぐちゃぐちゃにしたい……

耳たぶに甘く歯を立てながらささやかれる。

そして───

くちゅっ………

永瀬の長い指先を熱く濡れる孔に挿し込むと、どろどろとぬかるんだナカはきゅうきゅうとその指先を心地よさそうに締め付けた。

「っ………んんっ………ん」

声を我慢しようとくちびるを噛んで耐えるユキ。

愛液は我慢など出来ようがなくて、恥ずかしいほど溢れてはシーツに濡れた染みを作る。
「…っあつ…いっ…………」

ナカを探るような動きをされ、電流に撃たれたかと思うほど衝撃的な快楽が躯の芯を走り抜け……
目の裏に火花が飛び散ったかと思うと、射し込まれている孔からおびただしい量の体液が溢れだし、屹立からも白濁が吐き出された。…

「凄いな……これだけ濡れてたら大丈夫だな…」

ちゅぷん、と音を立てて長くて骨張った男らしい指が引き抜かれた。

そして、永瀬の大きな手のひらがぐ…っとユキの脚を大きく開いた。
全てを永瀬の眼前に曝すことになり羞恥に襲われるが熱く火照った躯はもう形ばかりの抵抗さえも出来なくなっていて…

完全に立ち上がった永瀬のペニスはアルファ独特の形をしており、初めて目にしたユキはその大きさと形に思わず息を飲む。
根本が膨れ上がり、一度挿入してしまったら射精するまで抜けないと言われているアルファ。しかも何分も時間をかけて射精する。それは交わったオメガを狂わすという。

信じられないほど疼いているユキの躯。
濡れそぼった秘孔は永瀬のそれを欲しがってきゅうきゅうと切なく収縮を繰り返す。
欲しくて欲しくてたまらないが、これを受け入れてしまったら自分はどうなってしまうのだろう。

ぐちゅ………

欲しがってはくはくと蠢くそこに、熱い塊が押し当てられる。
「ああっ………っん」
ぐり……とゆっくり回すようにして先端の太いところをわずかに挿入された。
それに拡げられる感覚だけて、頭の中がかちかちと火花が散るような快感。
拡げられたところからとぷり、と愛液が溢れた。

だが、そこでくちゅくちゅとユキの体液と永瀬の屹立の先端から出る透明な液を混ぜ合わせるとでもいうように、入り口のほんの浅いところでかき混ぜられるように動かされるだけでナカへは入ってこない……

(欲しい……このまま奥、まで……でも……)
そんな浅ましい願いを口にするなんて到底できなくて。

は……は……と苦しい吐息を漏らしながら
ゆらゆらと腰を揺らしてしまう。


「奥まで、挿れて欲しい……?」
低く艶かしい永瀬の声でささやかれただけで、きゅうっと躯の奥深くが切なく疼いた。

「あ………っ」

思わず声を溢すと
ぐちゅ、ぐちゅ………入り口を掻き回す濡れた音が大きくなった気がする。

「言えたら、あげるよ……」
言えない、言えないと頭を振ると、ユキの香りが更に永瀬を煽りぐっ…とこれ以上ないくらい大きくなっていた先端が更に膨らんだ。

「っんんっ……」

「ほら……言ってごらん……」

ぐちゃ……ぐちゅ……
泡たつ程にかき回されて

「あ……あ……」

何か、躯の奥底でひっそりと熱い息を漏らすナニカが欲しい、欲しいとユキを狂わせていく。

「ぉねが……い………も……おかしくなるっ……」

「ユキ。何をお願いしてるんだ?」

「奥まで……っ……いれて…… 」

よく言えた、というように大きな手のひらで頭を撫でられたかと思うと……

「ひ……っ……あああっ………」

奥まで一気に拡げられて……
ぐ…………
躯の奥に発情期のときだけ現れる器官の入り口にまで先端が辿りついた。
同時にユキのオメガらしいピンクの屹立からとぷりと白濁が溢れた。

「入れられただけ、なのに」

くくっと愉しそうに嗤う永瀬。

「それにしても、狭いな……っ……久しぶりなのか?」


「……っは……は……なに……?」

何のことかわからないといった様子に

「まさか……」

初めて、なのか?これだけの香りを放つ極上のオメガに誰も手を付けなかったなど信じられない。
永瀬のそんな思考も、奥に誘い込むように艶かしく蠕動するぬかるんだ隘路の誘惑に奪われていった。

「…あ……あっ……や……」

「っく………ああ……想像以上だ……」
どこも、かしこも俺に合うように創られて産まれてきた存在だろうと予想していたことを、あまりにぴったりと合う躯がまるで証明しているようだ。

(これは、癖になるな……)

全身うっすらと桃色に染まって達したばかりでひくひくと震える姿。
まだ動かれたら辛いだろうと思いながらも…


ぐち……ゅ………ぐちゅ………


永瀬も自分の意思では腰の動きを止めることができない。焦点が合わなくなった栗色の瞳も後孔と同じように涙で濡れていた。
「あ……ん………っ………ふ、ぅあ……」
敏感すぎるそこをかき回されて、もう声を我慢することもできずひっきりなしにあまい声が溢れ落ちる。

本能がここに種を撒き散らしたくて仕方ないのだと訴えてきて、貪るように永瀬もユキの胎内を掻き回す。


腰をぐ……っと押さえつけられられたかと思うと……

出すよ……っ……く………

ぶわり、と永瀬の屹立がアルファの射精時の形状に膨れ上がりそして。

ぴしゃ………

熱い白濁が子宮に注がれる感覚はこの世のものとも思えない快楽だったが……
そこで、はっとユキは我に返った。
「あっ………だ、だめっ………出さないで……ぇ…ああっ」

焦点が合わなかったはずの潤んだ瞳がしっかりと永瀬を見つめてやめて、と拒絶した。
驚きで永瀬は瞳を軽く見開いた。

「驚……いたな…っ…注がれてるのに、理性が残ってるとは…っ…」

だが、逃げようとするも、動くこともできない。
アルファのペニスは射精している間は抜けない

「っ……逃げられないよ……っ………全部注ぐまで……」
逃がさない……

どく、どく……と熱い体液をかけられたユキの子宮は悦びに震えていたが……

「……や……っ……やだっ……出さないで………っ」

くつくつと低く喉で嗤う永瀬。
「そう、だね……っ…発情期のオメガにそのまま出したら……妊娠、するな………」
腹部に手のひらが当てがわれる。


「でも……全部注ぐまで、コレ、抜けないのも知ってるだろう……っ」

射精時逃げられないように根元が膨らむというまるで狼のようなアルファの性質。

「ああっ……熱いっ……や、も、止めて…」

「ユキの子宮は欲しい、欲しいって…ふ、く……ほら……入り口が絡み付いて…吸い付いてくる………」

「あ……っ…ひ………わかんなくなっちゃう……っ」

与えられる快楽以外、わからなくなればいい……

ユキは長い、長い時間をかけて子宮に注ぎ込まれる快楽を植え付けられた
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