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7章
作戦開始
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キリヤとユノがシュトレイン陣営になっている村の集会所に戻ってからほどなくして、一日の間に何度もわざとにシールドを緩めるタイミングを作った。
シールドを張る担当の魔法使いの交代が上手くいっていないように見せかけて、何度か隙を作ると、ギルラディアの軍勢はシュトレイン領地内に少しずつ侵攻してきた。
「国境の川を越えて楓の森の辺りに陣営を作ったみたいだね。ドレイク宰相も来ているよ」
薄紫色のイヴァンの水晶には薄っすらとだが、ドレイク宰相の姿が映し出されていた。
「やはり大軍は引き連れていないようだな」
「わが軍もキリヤがドレイク宰相と戦って万が一負けてしまったときにすぐそばに大軍を控えさせていたら一気に『黒い魔法』で大軍もやられてしまうと警戒しているのと同様、向こうもキリヤの『光の魔法』を恐れているんだと思うよ」
「『光の魔法』は『黒の魔法』とは違い『黒い魔法』を封じることができるだけで人の命を一瞬で大量に奪うような魔法ではないのだがな」
イヴァンの発言を聞いてキリヤは呆れたように笑った。
「相手の使う手の内を調べることは大切なことだよね」
イヴァンはユノとキリヤにそう言った。
「ドレイク宰相と戦ったトーマ様の様子を当時戦いに参加した兵士たちの話が本となって残されていたのが良かったです」
先の戦争でドレイク宰相の『黒の魔法』を封じたものの命を落とした『光の魔法使い』トーマの側近たちが、ドレイク宰相との直接対決した時の詳細なレポートは書物になり、王宮の書庫と学園図書館の禁書の倉庫に『黒い魔法』の本と共に仕舞われている。
キリヤもそれらには目を通してあるし、ユノもしっかり読み込んできている。
「『黒の魔法』に『封印の魔法』を使っているときはどちらの魔法使いも動けない。そのため他の兵士からの攻撃にも無防備だ。戦いの前にトーマ叔父上の近くにいた兵士が全て飛ばされてしまったせいでお守りできるものが誰も居らず、叔父上がお一人で戦ってしまったのが敗因だ」
そして、兵士に致命傷を負わされたトーマは戻って来た兵士に助けられるも回復できず、『北の都』の治癒院に到着する前に絶命したのだ。
「まず、俺たちがキリヤ様のもとへドレイク宰相以外の敵を向かわせないように対策をしっかりとして立ち向かう、それが肝要だ」
アンドレアがキリヤの話に続いて言った。
シュトレイン領地内にギルラディア軍は侵略してきたものの、現在は楓の森と村の中央部にそれぞれ陣営を張り、様子を見合っている。
「もうしばらくしたら、ギーク村から支援の物資が入ってこないことに気が付くと思うよ」
イヴァンが水晶を覗き込んで言った。
「その時になって初めてギーク村にシールドが張られていることと自分たちが孤立させられていることに気が付く。時間が経つほど自分たちが不利になると気付いたら、すぐにキリヤを狙ってくるはずです」
ユノが神妙な顔でそう言うと、その場にいる三人も頷いた。
そしてその夜。
「自分たちが孤立させられていることに、気が付いたみたいだな。ドレイク宰相が予想外の事態に苛立ち始めた様子が見えた」
水晶を何度もチェックしていたイヴァンがキリヤに報告した。
「恐らく準備を整えて夜明けと共に仕掛けてくるだろう。騎士団にも備えて交代で早めに休むように伝えてくれ」
アンドレアに指示を出すと、すぐに集会所の近くに張られた騎士団の陣営に向かった。
アンドレアが向かった後、集中して『占術』を続けなければならないイヴァンを部屋に残してキリヤとユノも集会所の外に出た。
「みんな、明日はよろしく頼む。相手は一瞬で人の命を奪うこともできる『黒の魔法』の使い手だ。危険だと思ったら一歩引いてすぐに自分自身にシールドを張ってくれ。僕も今回の『封印の魔法』はただドレイクの『黒い魔法』を封じるだけではない。ドレイク自身を封じる魔法にすべく、先代の『光の魔法使い』の使う魔法より強化させている。作戦通り事が運べばもうドレイク宰相はいなくなる。ギルラディアとも国交が回復し、より豊かで安全な国を目指せるだろう」
騎士団の面々が集う陣営まで行くと、キリヤは騎士団にそう話をした。
キリヤの力強い言葉に騎士団は士気が高まったようで、大変な盛り上がりを見せた。
クルリ村に入ってからキリヤの隣には、国境警備隊の制服に身を包んだユノがいる。
国境警備隊の身分は高くはないが、アンドレアがユノはこの村の出身者で国境付近の地理に明るいことやギルラディアについても詳しい者だと説明してくれたため、キリヤのそばにいてもユノのことを咎める者は誰もいなかった。
騎士団への話が済んだ後、少しだけユノとキリヤは村を散歩した。
今にも戦いの火ぶたが切って落とされそうな状況なのが嘘のように静かな夜だった。
「ここはいいところだな。宿場町としても発展しそうだが、開発によっては夜空やオーロラを見に来る観光客も増えるかもしれないな」
キリヤは美しい星空を眺めて言った。
周囲に誰もいなかったので、そっと二人は手をつないだ。
「いよいよですね」
ユノが言うと、キリヤは頷いた。
「あぁ。でも不思議なんだ。昔トーマ叔父が亡くなった時は自分が『光の魔法使い』であることと自分の運命がものすごく恐ろしくて逃げ出したかった」
キリヤは静かな声で語った。
ユノは静かに聞いていた。
「でも、この北の村で親を失ったというユノに出会ってからは、自分の運命に立ち向かいたいと強く思えて努力することができた。そして今も」
キリヤはそう言うとユノを見た。
「君がいると思うと怖くない。君の故郷も国も守りたい。君と一緒にいる未来を想像すると絶対に生きると思えるんだ」
そう言って青い宝石が嵌まっている指輪をそっと撫でた。
そのとき、触れた指輪から彼がどんなにかユノと一緒に生きたいのかと思っているのか強く伝わってきた。
ギーク村から二人で箒に乗って帰ってきた夜。
ユノと結婚したいと言った彼の言葉は彼の全てで、元々は戦うことに向いてはいない彼の戦う支えなのだと命を賭する戦いを眼前に控えてより一層痛切なほどに伝わってきた。
ユノは深く息を吸って目を閉じた。
目を閉じると、瞳に溜まっていた涙が溢れて零れた。
「ユノ? 怖いのか?」
ユノは静かに首を振った。
「いいえ。怖くないです。二人で絶対に無事に戻りましょう」
キリヤはユノを抱きしめた。
「ドレイクとの戦いにも勝って、ユノが心配する必要もないくらい君の故郷も復興させてみせる」
プラチナブロンドが首筋にぐりぐりと押し付けられた。
「くすぐったい」
笑うと、唇に軽くキスを落とされた。
「ん……」
ふにゅ、と触れるだけの軽いキスなのに、どうしようもないほどに勇気が湧いてきた。
戦いの前の夜だとは思えないくらい静かな夜だった。
「ユノ、明日勝ったら、君を抱きたい。いいか?」
そっと唇を離した彼だが、まだ唇の一番ふっくらとしているところが触れ合うような場所で甘い約束をねだられる。
これに素直に頷けるほど物慣れていないユノではあったが、少し離れた集会所そばの騎士団の陣営から夕食を知らせる鐘の音が響いた。
キリヤが姿を現さなければ騎士団たちを不安にさせる。
もう行かなければならない。
恥ずかしくて、恥ずかしくて、凍えそうなほど寒いのに頬が燃える様に熱くなった。
ユノは勇気を出して頷いた。
それはユノの望みでもあったから。
二人は甘い約束を交わして繋いでいた手をそっとほどいて共に戦う戦士たちの居る場所へと戻った。
シールドを張る担当の魔法使いの交代が上手くいっていないように見せかけて、何度か隙を作ると、ギルラディアの軍勢はシュトレイン領地内に少しずつ侵攻してきた。
「国境の川を越えて楓の森の辺りに陣営を作ったみたいだね。ドレイク宰相も来ているよ」
薄紫色のイヴァンの水晶には薄っすらとだが、ドレイク宰相の姿が映し出されていた。
「やはり大軍は引き連れていないようだな」
「わが軍もキリヤがドレイク宰相と戦って万が一負けてしまったときにすぐそばに大軍を控えさせていたら一気に『黒い魔法』で大軍もやられてしまうと警戒しているのと同様、向こうもキリヤの『光の魔法』を恐れているんだと思うよ」
「『光の魔法』は『黒の魔法』とは違い『黒い魔法』を封じることができるだけで人の命を一瞬で大量に奪うような魔法ではないのだがな」
イヴァンの発言を聞いてキリヤは呆れたように笑った。
「相手の使う手の内を調べることは大切なことだよね」
イヴァンはユノとキリヤにそう言った。
「ドレイク宰相と戦ったトーマ様の様子を当時戦いに参加した兵士たちの話が本となって残されていたのが良かったです」
先の戦争でドレイク宰相の『黒の魔法』を封じたものの命を落とした『光の魔法使い』トーマの側近たちが、ドレイク宰相との直接対決した時の詳細なレポートは書物になり、王宮の書庫と学園図書館の禁書の倉庫に『黒い魔法』の本と共に仕舞われている。
キリヤもそれらには目を通してあるし、ユノもしっかり読み込んできている。
「『黒の魔法』に『封印の魔法』を使っているときはどちらの魔法使いも動けない。そのため他の兵士からの攻撃にも無防備だ。戦いの前にトーマ叔父上の近くにいた兵士が全て飛ばされてしまったせいでお守りできるものが誰も居らず、叔父上がお一人で戦ってしまったのが敗因だ」
そして、兵士に致命傷を負わされたトーマは戻って来た兵士に助けられるも回復できず、『北の都』の治癒院に到着する前に絶命したのだ。
「まず、俺たちがキリヤ様のもとへドレイク宰相以外の敵を向かわせないように対策をしっかりとして立ち向かう、それが肝要だ」
アンドレアがキリヤの話に続いて言った。
シュトレイン領地内にギルラディア軍は侵略してきたものの、現在は楓の森と村の中央部にそれぞれ陣営を張り、様子を見合っている。
「もうしばらくしたら、ギーク村から支援の物資が入ってこないことに気が付くと思うよ」
イヴァンが水晶を覗き込んで言った。
「その時になって初めてギーク村にシールドが張られていることと自分たちが孤立させられていることに気が付く。時間が経つほど自分たちが不利になると気付いたら、すぐにキリヤを狙ってくるはずです」
ユノが神妙な顔でそう言うと、その場にいる三人も頷いた。
そしてその夜。
「自分たちが孤立させられていることに、気が付いたみたいだな。ドレイク宰相が予想外の事態に苛立ち始めた様子が見えた」
水晶を何度もチェックしていたイヴァンがキリヤに報告した。
「恐らく準備を整えて夜明けと共に仕掛けてくるだろう。騎士団にも備えて交代で早めに休むように伝えてくれ」
アンドレアに指示を出すと、すぐに集会所の近くに張られた騎士団の陣営に向かった。
アンドレアが向かった後、集中して『占術』を続けなければならないイヴァンを部屋に残してキリヤとユノも集会所の外に出た。
「みんな、明日はよろしく頼む。相手は一瞬で人の命を奪うこともできる『黒の魔法』の使い手だ。危険だと思ったら一歩引いてすぐに自分自身にシールドを張ってくれ。僕も今回の『封印の魔法』はただドレイクの『黒い魔法』を封じるだけではない。ドレイク自身を封じる魔法にすべく、先代の『光の魔法使い』の使う魔法より強化させている。作戦通り事が運べばもうドレイク宰相はいなくなる。ギルラディアとも国交が回復し、より豊かで安全な国を目指せるだろう」
騎士団の面々が集う陣営まで行くと、キリヤは騎士団にそう話をした。
キリヤの力強い言葉に騎士団は士気が高まったようで、大変な盛り上がりを見せた。
クルリ村に入ってからキリヤの隣には、国境警備隊の制服に身を包んだユノがいる。
国境警備隊の身分は高くはないが、アンドレアがユノはこの村の出身者で国境付近の地理に明るいことやギルラディアについても詳しい者だと説明してくれたため、キリヤのそばにいてもユノのことを咎める者は誰もいなかった。
騎士団への話が済んだ後、少しだけユノとキリヤは村を散歩した。
今にも戦いの火ぶたが切って落とされそうな状況なのが嘘のように静かな夜だった。
「ここはいいところだな。宿場町としても発展しそうだが、開発によっては夜空やオーロラを見に来る観光客も増えるかもしれないな」
キリヤは美しい星空を眺めて言った。
周囲に誰もいなかったので、そっと二人は手をつないだ。
「いよいよですね」
ユノが言うと、キリヤは頷いた。
「あぁ。でも不思議なんだ。昔トーマ叔父が亡くなった時は自分が『光の魔法使い』であることと自分の運命がものすごく恐ろしくて逃げ出したかった」
キリヤは静かな声で語った。
ユノは静かに聞いていた。
「でも、この北の村で親を失ったというユノに出会ってからは、自分の運命に立ち向かいたいと強く思えて努力することができた。そして今も」
キリヤはそう言うとユノを見た。
「君がいると思うと怖くない。君の故郷も国も守りたい。君と一緒にいる未来を想像すると絶対に生きると思えるんだ」
そう言って青い宝石が嵌まっている指輪をそっと撫でた。
そのとき、触れた指輪から彼がどんなにかユノと一緒に生きたいのかと思っているのか強く伝わってきた。
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ユノと結婚したいと言った彼の言葉は彼の全てで、元々は戦うことに向いてはいない彼の戦う支えなのだと命を賭する戦いを眼前に控えてより一層痛切なほどに伝わってきた。
ユノは深く息を吸って目を閉じた。
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「ユノ? 怖いのか?」
ユノは静かに首を振った。
「いいえ。怖くないです。二人で絶対に無事に戻りましょう」
キリヤはユノを抱きしめた。
「ドレイクとの戦いにも勝って、ユノが心配する必要もないくらい君の故郷も復興させてみせる」
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「くすぐったい」
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「ん……」
ふにゅ、と触れるだけの軽いキスなのに、どうしようもないほどに勇気が湧いてきた。
戦いの前の夜だとは思えないくらい静かな夜だった。
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そっと唇を離した彼だが、まだ唇の一番ふっくらとしているところが触れ合うような場所で甘い約束をねだられる。
これに素直に頷けるほど物慣れていないユノではあったが、少し離れた集会所そばの騎士団の陣営から夕食を知らせる鐘の音が響いた。
キリヤが姿を現さなければ騎士団たちを不安にさせる。
もう行かなければならない。
恥ずかしくて、恥ずかしくて、凍えそうなほど寒いのに頬が燃える様に熱くなった。
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おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。
※ 設定ゆるめ、造語、出産描写あり。幕開け(前置き)長め。第21話に登場人物紹介を載せましたので、ご参考ください。
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