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7章
交渉
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「ギーク村の村民にお願いがあって来た。改めて言うと私はシュトレイン王国第二王子のキリヤ・シュトレインだ」
彼が言葉を発するとこの古くて寒い地下室に清廉な空気が流れたようだった。
部屋が明るくなったのも火の精に魔法油を足してあげたからというだけではないようだ。
「時間はあまりない。単刀直入に言うと、私たちシュトレイン軍に協力してほしい」
キリヤは真っ直ぐに二人を見つめて言った。
「俺たちはもしドレイク宰相に逆らったことが分かったらその場で死刑です。シュトレインのように裁判があるわけではないんですよ? それを知っていての話ですか」
その場に流れた緊張した空気にユノはごくりと喉を鳴らした。
ユノが願いさえすれば、この二人の幼馴染は命の危険を顧みず協力するだろう。
でもそれは違う気がした。
今はユノは一歩引いてキリヤとギルラディア共和国の国民であるニコライとルカの交渉を見守るべきだと思った。
マルクルも緊張したやり取りに体を固まらせて成り行きを見守っていた。
「だからこそ君らにはわが軍の作戦を聞いてもらい、どちらが勝利するか考えて決めてほしい。我々が敗北したら君らの裏切りも明るみに出て、無事ではいられないことは分かっている」
「そちらの作戦を全て聞かせていただけると? ギルラディア共和国軍の俺たちに?」
ニコライが驚いたように言った。
「そうだ。君らに命を懸けてくれと頼むのだから私も自分の命を懸ける」
キリヤはそう言うと深呼吸して、続けた。
どこの農村にでもあるようなこの地下の食糧庫がとても高貴な場所にさえ感じられてユノは不思議な気分だった。
恐らく他の三人も同様に感じているだろう。
「ギルラディア軍は国境付近までドレイク宰相と共にやってきているが、シールドを張って待機したきりだ。そこに数日遅れて私がクルリ村に入っている。我が国を侵略したいのならば、私が国境に到着する前に攻め込み、侵略を進めていくのがセオリーだと思うがそれをしなかった。まるで私が来るのを待っているように」
キリヤの言葉を肯定するかのようにルカとニコライは頷いた。
「そうです。ドレイク宰相はあなたの『封印の魔法』だけを恐れています」
キリヤは二人の言葉に頷いた。
「わが軍も私がクルリ村に入ると同時に強いシールドを張っている。そして国境の川を挟んでの睨み合いが続いている状況だ。恐らくシールドを張っている兵士を交代するときなどにシールドが緩むごくわずかな瞬間を狙っているのが分かっているので、今は気を付けて交代を行っている。だが、わが軍は準備が整い次第わざとシールドを弱める予定だ」
「誘いこむ、ということですか?」
ルカがキリヤの説明を聞いて尋ねた。
「そうだ。わざとクルリ村に誘い込む。恐らく楓の森の辺りに陣営を張り、少しずつ攻撃を強め、私を誘い出すつもりだろう。そこで、ギルラディア軍が我が国の領地に入ってきたら食料や武器などの物資をギーク村で全て止め、ギーク村に戻れないようにシールドを張り直してほしい。ドレイク宰相とその騎士団を徹底的に孤立化させたい。そうすれば焦ったドレイク宰相は自ら私を狙いに早急に姿を現すだろう。長期戦になることがなければ我軍の『術師』が正確にドレイク宰相が攻撃してくるタイミングを見れるので、迎え撃つことができる」
一歩後ろで聞いていたニコライがすっと前に出てきた。
「確かに我々ギーク村の村民は中央から運ばれてきた物資を後ろから軍に届けたり、近くの都市に控えている援軍を呼ぶなどの後方任務の担当だ。だが、その作戦に乗ってあなたが敗北してしまったり、『黒の魔法』を封印できたとしても、ドレイク宰相が生き残っている場合我々は確実に罪に問われる。そんなリスクを負ってまでそちらに加担するメリットはあるのか」
キリヤはニコライの問いに頷いた。
緊迫した雰囲気にユノも息を呑む。
「前回の戦いでは『封印の魔法』は『黒の魔法』を封じ込めるだけであったが、今回はドレイク宰相そのものを封印する魔法に進化させている。『封印の魔法』を彼にかけることさえできれば、ドレイク宰相の恐怖に慄く時代は終わりを告げる。ドレイク宰相がギルラディアを治める時代は必ず終わりにさせる」
ユノはキリヤの力強い言葉を聞いて目を見開いた。
「『封印の魔法』でドレイク宰相そのものを封印することができるんですか?!」
ユノは驚いて尋ねる。
「あぁ。ずっとその魔法を訓練してきた。これで彼自身を封印してしまい、シュツバルト神殿に納めれば彼の力だけでは出てこれない。ギルラディア共和国も穏やかになるはずだ」
キリヤが言ったが、ルカは静かに首を振った。
「確かにドレイク宰相がいなくなれば不安要素は大きく減ります。しかし、ドレイク宰相がいなくなったとしても、裏切り者の烙印は押され、戦後も村は国から支援が得られず貧しいままでしょう」
ルカの話を聞いたあと、キリヤは指をそっと振った。
すると殺風景な地下室に美しい氷の玉が一つ現れた。
「これは……?」
それは宙に浮き、ランタンの光を反射してキラキラと輝いて宝石のようだった。
「『守りの氷』だ」
「『守りの氷』?」
聞き覚えのない言葉にユノとキリヤ以外の三人は首を傾げた。
「『守護神の石』は知っているよね? これはそれと同じ働きをする氷なんだよ」
ユノは言うと、簡単な攻撃魔法を放った。
すると『守りの氷』から優しくシールドのような膜が現れ、ユノの攻撃を吸収した。
「すごい……」
目を丸くしたマルクルが思わず、と言ったように呟いた。
「これをこの村を守れる分だけ譲り渡そう。戦火が激しくなった場合村を守ることができる。それとシュトレインが勝利した場合は先の戦争から復興が進んでいないギーク村とクルリ村の復興と、両国の行き来を自由にして国境付近を宿場町として開発を進める。その際はシュトレイン領地であるクルリ村だけでなく、ギーク村の開発もシュトレイン王国が責任を持って行う」
「そ……そんな約束っ……位が高いやつは平民とのそんな約束、戦後になったら簡単に反故にするのが目に見えているっ『守りの氷』はともかくとして、そんな口約束に命かけるなんてできるかっ」
「ユノが貴方のことをかっているから、どんな人なのかと思っていましたが、そんな口約束で平民をだまそうとする人だったなんてがっかりです」
キリヤの話を聞いてカッとなったニコライに続き、ルカも眉を顰めた。
「ニコライ、ルカ落ち着いて。お願い。最後までキリヤの話を聞いて。キリヤ、すみません。俺たち今まで役人たちのこういう話に何度も期待させられては裏切られてきたんです」
ユノは怒るニコライとルカを落ち着かせるように必死で宥めながら、キリヤに言った。
「もちろん、口約束などではない。シュトレイン国王から預かってきた『誓約書』がある」
キリヤが指を振ると、宙に一枚の『誓約書』が現れた。
『誓約書』は決して偽造ができない魔法の紙で、誓約が守られなかった場合は誓いを立てた者に知らせが行く、かつてキリヤがシュリに使ったものと同様のものであった。
『誓約書』を破れば『誓約書』は公のものとされ、国民からの信用も揺らぐ。
国王など位が高いものであればあるほど、社会的制裁も大きい。
そして、その『誓約書』にはすでにシュトレイン国王のサインがされていた。
「出立前に国王に今回の作戦について当然詳細に相談している。その際にこの件も了承をいただいて、サインを貰ってきた」
『誓約書』は宙を舞ってニコライとルカの前に現れた。
「君たちが了承して、『誓約主』の欄にサインをすればこの誓約は完了する」
ニコライとルカは目を見開いて自分たちの目の前に現れた『誓約書』を見た。
そこには戦後のギーク村への手厚い支援が誓われていた。
ユノもキリヤが用意してきたものの大きさに驚き、ニコライとルカ同様目を丸くした。
「ドレイク宰相は圧政を行っているが、国民は恐怖で皆自分に従うと考えている。ドレイク宰相に従わない国民がいるということ、また作戦が思いどおりにいかないということはかなり大きな心理的ダメージを与えるはずだ。また、できるだけ両国に死傷者が出ないようにしたい。ドレイクの『黒い魔法』の被害者は私たちだけでなく、ギルラディア国民もそうであると考えている。罰せられるべきはドレイク宰相のみだ」
キリヤが真摯な瞳で語ると、ルカは指を一振りした。
ルカの愛用する羽根ペンが現れて、ルカは目の前に浮いている『誓約書』にさらさらとサインをした。
ルカがサインをしてしまうと、ニコライも黙って自身のペンを出し同様にサインをした。
「あなたが勝利することに賭けるよ」
ニコライとルカは真っ直ぐにキリヤを見て言った。
彼が言葉を発するとこの古くて寒い地下室に清廉な空気が流れたようだった。
部屋が明るくなったのも火の精に魔法油を足してあげたからというだけではないようだ。
「時間はあまりない。単刀直入に言うと、私たちシュトレイン軍に協力してほしい」
キリヤは真っ直ぐに二人を見つめて言った。
「俺たちはもしドレイク宰相に逆らったことが分かったらその場で死刑です。シュトレインのように裁判があるわけではないんですよ? それを知っていての話ですか」
その場に流れた緊張した空気にユノはごくりと喉を鳴らした。
ユノが願いさえすれば、この二人の幼馴染は命の危険を顧みず協力するだろう。
でもそれは違う気がした。
今はユノは一歩引いてキリヤとギルラディア共和国の国民であるニコライとルカの交渉を見守るべきだと思った。
マルクルも緊張したやり取りに体を固まらせて成り行きを見守っていた。
「だからこそ君らにはわが軍の作戦を聞いてもらい、どちらが勝利するか考えて決めてほしい。我々が敗北したら君らの裏切りも明るみに出て、無事ではいられないことは分かっている」
「そちらの作戦を全て聞かせていただけると? ギルラディア共和国軍の俺たちに?」
ニコライが驚いたように言った。
「そうだ。君らに命を懸けてくれと頼むのだから私も自分の命を懸ける」
キリヤはそう言うと深呼吸して、続けた。
どこの農村にでもあるようなこの地下の食糧庫がとても高貴な場所にさえ感じられてユノは不思議な気分だった。
恐らく他の三人も同様に感じているだろう。
「ギルラディア軍は国境付近までドレイク宰相と共にやってきているが、シールドを張って待機したきりだ。そこに数日遅れて私がクルリ村に入っている。我が国を侵略したいのならば、私が国境に到着する前に攻め込み、侵略を進めていくのがセオリーだと思うがそれをしなかった。まるで私が来るのを待っているように」
キリヤの言葉を肯定するかのようにルカとニコライは頷いた。
「そうです。ドレイク宰相はあなたの『封印の魔法』だけを恐れています」
キリヤは二人の言葉に頷いた。
「わが軍も私がクルリ村に入ると同時に強いシールドを張っている。そして国境の川を挟んでの睨み合いが続いている状況だ。恐らくシールドを張っている兵士を交代するときなどにシールドが緩むごくわずかな瞬間を狙っているのが分かっているので、今は気を付けて交代を行っている。だが、わが軍は準備が整い次第わざとシールドを弱める予定だ」
「誘いこむ、ということですか?」
ルカがキリヤの説明を聞いて尋ねた。
「そうだ。わざとクルリ村に誘い込む。恐らく楓の森の辺りに陣営を張り、少しずつ攻撃を強め、私を誘い出すつもりだろう。そこで、ギルラディア軍が我が国の領地に入ってきたら食料や武器などの物資をギーク村で全て止め、ギーク村に戻れないようにシールドを張り直してほしい。ドレイク宰相とその騎士団を徹底的に孤立化させたい。そうすれば焦ったドレイク宰相は自ら私を狙いに早急に姿を現すだろう。長期戦になることがなければ我軍の『術師』が正確にドレイク宰相が攻撃してくるタイミングを見れるので、迎え撃つことができる」
一歩後ろで聞いていたニコライがすっと前に出てきた。
「確かに我々ギーク村の村民は中央から運ばれてきた物資を後ろから軍に届けたり、近くの都市に控えている援軍を呼ぶなどの後方任務の担当だ。だが、その作戦に乗ってあなたが敗北してしまったり、『黒の魔法』を封印できたとしても、ドレイク宰相が生き残っている場合我々は確実に罪に問われる。そんなリスクを負ってまでそちらに加担するメリットはあるのか」
キリヤはニコライの問いに頷いた。
緊迫した雰囲気にユノも息を呑む。
「前回の戦いでは『封印の魔法』は『黒の魔法』を封じ込めるだけであったが、今回はドレイク宰相そのものを封印する魔法に進化させている。『封印の魔法』を彼にかけることさえできれば、ドレイク宰相の恐怖に慄く時代は終わりを告げる。ドレイク宰相がギルラディアを治める時代は必ず終わりにさせる」
ユノはキリヤの力強い言葉を聞いて目を見開いた。
「『封印の魔法』でドレイク宰相そのものを封印することができるんですか?!」
ユノは驚いて尋ねる。
「あぁ。ずっとその魔法を訓練してきた。これで彼自身を封印してしまい、シュツバルト神殿に納めれば彼の力だけでは出てこれない。ギルラディア共和国も穏やかになるはずだ」
キリヤが言ったが、ルカは静かに首を振った。
「確かにドレイク宰相がいなくなれば不安要素は大きく減ります。しかし、ドレイク宰相がいなくなったとしても、裏切り者の烙印は押され、戦後も村は国から支援が得られず貧しいままでしょう」
ルカの話を聞いたあと、キリヤは指をそっと振った。
すると殺風景な地下室に美しい氷の玉が一つ現れた。
「これは……?」
それは宙に浮き、ランタンの光を反射してキラキラと輝いて宝石のようだった。
「『守りの氷』だ」
「『守りの氷』?」
聞き覚えのない言葉にユノとキリヤ以外の三人は首を傾げた。
「『守護神の石』は知っているよね? これはそれと同じ働きをする氷なんだよ」
ユノは言うと、簡単な攻撃魔法を放った。
すると『守りの氷』から優しくシールドのような膜が現れ、ユノの攻撃を吸収した。
「すごい……」
目を丸くしたマルクルが思わず、と言ったように呟いた。
「これをこの村を守れる分だけ譲り渡そう。戦火が激しくなった場合村を守ることができる。それとシュトレインが勝利した場合は先の戦争から復興が進んでいないギーク村とクルリ村の復興と、両国の行き来を自由にして国境付近を宿場町として開発を進める。その際はシュトレイン領地であるクルリ村だけでなく、ギーク村の開発もシュトレイン王国が責任を持って行う」
「そ……そんな約束っ……位が高いやつは平民とのそんな約束、戦後になったら簡単に反故にするのが目に見えているっ『守りの氷』はともかくとして、そんな口約束に命かけるなんてできるかっ」
「ユノが貴方のことをかっているから、どんな人なのかと思っていましたが、そんな口約束で平民をだまそうとする人だったなんてがっかりです」
キリヤの話を聞いてカッとなったニコライに続き、ルカも眉を顰めた。
「ニコライ、ルカ落ち着いて。お願い。最後までキリヤの話を聞いて。キリヤ、すみません。俺たち今まで役人たちのこういう話に何度も期待させられては裏切られてきたんです」
ユノは怒るニコライとルカを落ち着かせるように必死で宥めながら、キリヤに言った。
「もちろん、口約束などではない。シュトレイン国王から預かってきた『誓約書』がある」
キリヤが指を振ると、宙に一枚の『誓約書』が現れた。
『誓約書』は決して偽造ができない魔法の紙で、誓約が守られなかった場合は誓いを立てた者に知らせが行く、かつてキリヤがシュリに使ったものと同様のものであった。
『誓約書』を破れば『誓約書』は公のものとされ、国民からの信用も揺らぐ。
国王など位が高いものであればあるほど、社会的制裁も大きい。
そして、その『誓約書』にはすでにシュトレイン国王のサインがされていた。
「出立前に国王に今回の作戦について当然詳細に相談している。その際にこの件も了承をいただいて、サインを貰ってきた」
『誓約書』は宙を舞ってニコライとルカの前に現れた。
「君たちが了承して、『誓約主』の欄にサインをすればこの誓約は完了する」
ニコライとルカは目を見開いて自分たちの目の前に現れた『誓約書』を見た。
そこには戦後のギーク村への手厚い支援が誓われていた。
ユノもキリヤが用意してきたものの大きさに驚き、ニコライとルカ同様目を丸くした。
「ドレイク宰相は圧政を行っているが、国民は恐怖で皆自分に従うと考えている。ドレイク宰相に従わない国民がいるということ、また作戦が思いどおりにいかないということはかなり大きな心理的ダメージを与えるはずだ。また、できるだけ両国に死傷者が出ないようにしたい。ドレイクの『黒い魔法』の被害者は私たちだけでなく、ギルラディア国民もそうであると考えている。罰せられるべきはドレイク宰相のみだ」
キリヤが真摯な瞳で語ると、ルカは指を一振りした。
ルカの愛用する羽根ペンが現れて、ルカは目の前に浮いている『誓約書』にさらさらとサインをした。
ルカがサインをしてしまうと、ニコライも黙って自身のペンを出し同様にサインをした。
「あなたが勝利することに賭けるよ」
ニコライとルカは真っ直ぐにキリヤを見て言った。
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