5 / 123
1章
生徒会室
しおりを挟む
空高く飛ぶのも好きだが、今日は少し雲が出ているので、やや低空を飛行する。
学園の敷地は広大であり、寮が並ぶエリアと校舎のエリアは離れているが空から行くとあっという間に校舎のエリアに着くことができる。
本校舎前に降り立ったユノは本校舎の中を通り、中庭に抜け生徒会の使用する部屋がある石造りのシュトレイン塔に向かった。
講堂や大広間のある本校舎は学園の中央に、その西側に低学年棟があり東側に高学年棟がある。伝統あるシュトレイン塔は中庭を挟んで本校舎の裏に図書館と並んで聳え立つ。
膨大な蔵書がある図書館にはしょっちゅう出入りするユノであったが、隣接するシュトレイン塔に入るのは初めてであった。
生徒会役員以外は入りづらい雰囲気のある場所だ。
豪華と言えるほどではないが、細部に美しく細工を施された石造りの螺旋階段は、数百年の歴史を持つこの学校創立時からあるらしい。
初めてこの美しい階段を目にしてユノは圧倒され、少しの間立ちすくんでいたが、一段ずつゆっくりと登り始めた。
石造りの階段を昇って行くと上に行くにしたがって、荘厳な空気はますます濃くなっていった。
「きれい……」
螺旋階段を昇りきると、美しいステンドグラスの嵌った窓が並び、ゆったりとしたソファが置かれているロビーに出る。
その奥に生徒会室の扉があった。
扉の前に着くとユノは緊張しながらノックした。
「今日から生徒会役員に任命されたスタンダードクラスのユノ・マキノです。失礼します」
中から返答はなかったが、入るなとも言われなかったのでユノは扉を開けた。
ユノが部屋に一歩踏み込むと同時のことだった。
パシャッ……
冷たい水がユノに頭から降り注いだ。
何が起こったのか理解できずに呆然していると、割れんばかりの大爆笑が部屋に響いた。
「あはは!ビシャビシャじゃん」
「こんなに見事に引っかかるか? 普通」
「初めて来るところなんだから普通用心して防御魔法のシールドくらい掛けておくだろ」
「平民は防御魔法なんか使えないんじゃない?」
勝手な言葉が次々と飛び交うのを聞いて、ユノは自分の身の上に何が起きたのか理解した。
ユノは沢山の物が収まっているものとは思えないほど小さな収納バッグから、タオルを取り出す。タオルに少しだけユノの魔力を込めてから濡れた髪や服を拭うと、ビショビショだったユノの体はあっという間に乾いた。
「防御魔法は使えますが、まさかこんな子供のようなイタズラを受けるとは夢にも思わなかったので」
ユノははっきりした声でそう言って生徒会の面々を見遣った。
有名人ばかりなので、顔と名前はユノの中でも一致している。
こちらを見て嘲笑っているのが、この下らないが悪意のある悪戯をした者たちなのであろう。
一番楽しそうに笑っていたのは、目もくらむほどに美しい青年だった。
スラリと背が高いが、女の子のように華奢で艶々の金色の長い髪と翡翠のような瞳を持つ彼は、シュリ。シュリは『術師』の名門フィザード家の令息である。
『術師』の大切な能力である『占術』の力を持つ家系は非常に少ない。国を超えての内情視察ができるほどの能力を持つ家系となるとフィザード家の他にはポポフ家しかいない。
政治を行うには周辺国の内情を探れる『術師』の能力は非常に重要なもので、この力を受け継ぐ家系は代々国王一番の側近である宮内長官を務めている。
故に宮内長官はこの二つの家の中から能力が高いものが選ばれており、今はシュリの父親が務めているのだ。
国王のすぐ下には皇太子と『光の魔法使い』と王族が続くが、宮内長官は王族を除けば一番高い位だ。
宮内長官の『占術』は戦争時だけでなく、国の大切なことを決めるのにも大いに役立っている。
シュリはそんな国を支える要職の家系の令息であり、学園内でもキリヤと常に一緒に動いているイメージがある。
「ふーん。つまんないの。折角汚い髪を水で洗って綺麗にしてあげようと思ったのに、生意気な奴」
そのシュリの横にピッタリとくっついているのは、美しいシュリの腰巾着とも噂されているサントス家の双子、カルキとマコレ。
顔はそっくりで二人とも緑の髪を持つので、見分けることが難しい。
ユノがすぐに反論するとは夢にも思わなかったらしく、双子はギリギリと睨みつけてくる。
「その汚い色も水でも被れば少しはマシになると思ったんだけど、汚いまんまだね」
シュリはそう言ってユノを嘲笑うような表情をして肩を竦めた。
平民の者は髪の色が黒や茶色など暗い色が多く、王族や貴族は美しく華やかな髪色を持つ者が多いため、平民の髪色が暗い色であることを『汚い色』と侮辱する上流階級の者は少なくない。
「くだらねぇな」
一連のやり取りを見て言ったのは部屋の奥にいた男だった。
燃える様に赤い目と赤い髪を持つ男。
「そんな子供みてぇなことしてねぇで、さっさと追い出せばいいだけだろうが」
この燃え盛った炎のような男は、シュトレイン王国の魔法軍の要職を代々務める家柄ビスコンティ家の長男アンドレアである。
アンドレア自身も学生であるにもかかわらず、軍の騎士団の団長を務めている。
その場にいる生徒会役員のメンバーをユノは注意深く見渡したが、ユノがずっと話したいと願い続けてきた相手は見当たらなかった。
「おい。聞いてんのか? ここにはお前みたい頭でっかちで成績がいいだけの弱っちぃ平民が来るところじゃねぇんだよ。さっさと出ていけ」
大抵の人間ならすぐにでも逃げ出すような、燃え盛る炎のように強い瞳に睨みつけられた。
「ではあなたが俺よりも弱かったら、あなたが出て行くのですか?」
ユノが正面から赤い瞳を受け止めると、アンドレアはさらに瞳をキツくしてギリギリと睨みつけてきた。
せめて彼と会う前にここから出て行くわけにはいかなかった。
争いごとは極力避けたかったが、避けられないのなら仕方ない。
「てめぇ誰に向かって言ってる……っ」
アンドレアの右手に炎の球が浮かんだ。
ビスコンティ家が得意とする炎の攻撃魔法だ。
この美しい生徒会室を壊さずにアンドレアを倒す方法を素早く考えた時であった。
不意に生徒会室の扉が開いた。
入ってきたのは、ユノが探していたその人物、この国の第二王子で『光の魔法使い』でもあるキリ・シュトレイン、その人に間違いなかった。
学園の敷地は広大であり、寮が並ぶエリアと校舎のエリアは離れているが空から行くとあっという間に校舎のエリアに着くことができる。
本校舎前に降り立ったユノは本校舎の中を通り、中庭に抜け生徒会の使用する部屋がある石造りのシュトレイン塔に向かった。
講堂や大広間のある本校舎は学園の中央に、その西側に低学年棟があり東側に高学年棟がある。伝統あるシュトレイン塔は中庭を挟んで本校舎の裏に図書館と並んで聳え立つ。
膨大な蔵書がある図書館にはしょっちゅう出入りするユノであったが、隣接するシュトレイン塔に入るのは初めてであった。
生徒会役員以外は入りづらい雰囲気のある場所だ。
豪華と言えるほどではないが、細部に美しく細工を施された石造りの螺旋階段は、数百年の歴史を持つこの学校創立時からあるらしい。
初めてこの美しい階段を目にしてユノは圧倒され、少しの間立ちすくんでいたが、一段ずつゆっくりと登り始めた。
石造りの階段を昇って行くと上に行くにしたがって、荘厳な空気はますます濃くなっていった。
「きれい……」
螺旋階段を昇りきると、美しいステンドグラスの嵌った窓が並び、ゆったりとしたソファが置かれているロビーに出る。
その奥に生徒会室の扉があった。
扉の前に着くとユノは緊張しながらノックした。
「今日から生徒会役員に任命されたスタンダードクラスのユノ・マキノです。失礼します」
中から返答はなかったが、入るなとも言われなかったのでユノは扉を開けた。
ユノが部屋に一歩踏み込むと同時のことだった。
パシャッ……
冷たい水がユノに頭から降り注いだ。
何が起こったのか理解できずに呆然していると、割れんばかりの大爆笑が部屋に響いた。
「あはは!ビシャビシャじゃん」
「こんなに見事に引っかかるか? 普通」
「初めて来るところなんだから普通用心して防御魔法のシールドくらい掛けておくだろ」
「平民は防御魔法なんか使えないんじゃない?」
勝手な言葉が次々と飛び交うのを聞いて、ユノは自分の身の上に何が起きたのか理解した。
ユノは沢山の物が収まっているものとは思えないほど小さな収納バッグから、タオルを取り出す。タオルに少しだけユノの魔力を込めてから濡れた髪や服を拭うと、ビショビショだったユノの体はあっという間に乾いた。
「防御魔法は使えますが、まさかこんな子供のようなイタズラを受けるとは夢にも思わなかったので」
ユノははっきりした声でそう言って生徒会の面々を見遣った。
有名人ばかりなので、顔と名前はユノの中でも一致している。
こちらを見て嘲笑っているのが、この下らないが悪意のある悪戯をした者たちなのであろう。
一番楽しそうに笑っていたのは、目もくらむほどに美しい青年だった。
スラリと背が高いが、女の子のように華奢で艶々の金色の長い髪と翡翠のような瞳を持つ彼は、シュリ。シュリは『術師』の名門フィザード家の令息である。
『術師』の大切な能力である『占術』の力を持つ家系は非常に少ない。国を超えての内情視察ができるほどの能力を持つ家系となるとフィザード家の他にはポポフ家しかいない。
政治を行うには周辺国の内情を探れる『術師』の能力は非常に重要なもので、この力を受け継ぐ家系は代々国王一番の側近である宮内長官を務めている。
故に宮内長官はこの二つの家の中から能力が高いものが選ばれており、今はシュリの父親が務めているのだ。
国王のすぐ下には皇太子と『光の魔法使い』と王族が続くが、宮内長官は王族を除けば一番高い位だ。
宮内長官の『占術』は戦争時だけでなく、国の大切なことを決めるのにも大いに役立っている。
シュリはそんな国を支える要職の家系の令息であり、学園内でもキリヤと常に一緒に動いているイメージがある。
「ふーん。つまんないの。折角汚い髪を水で洗って綺麗にしてあげようと思ったのに、生意気な奴」
そのシュリの横にピッタリとくっついているのは、美しいシュリの腰巾着とも噂されているサントス家の双子、カルキとマコレ。
顔はそっくりで二人とも緑の髪を持つので、見分けることが難しい。
ユノがすぐに反論するとは夢にも思わなかったらしく、双子はギリギリと睨みつけてくる。
「その汚い色も水でも被れば少しはマシになると思ったんだけど、汚いまんまだね」
シュリはそう言ってユノを嘲笑うような表情をして肩を竦めた。
平民の者は髪の色が黒や茶色など暗い色が多く、王族や貴族は美しく華やかな髪色を持つ者が多いため、平民の髪色が暗い色であることを『汚い色』と侮辱する上流階級の者は少なくない。
「くだらねぇな」
一連のやり取りを見て言ったのは部屋の奥にいた男だった。
燃える様に赤い目と赤い髪を持つ男。
「そんな子供みてぇなことしてねぇで、さっさと追い出せばいいだけだろうが」
この燃え盛った炎のような男は、シュトレイン王国の魔法軍の要職を代々務める家柄ビスコンティ家の長男アンドレアである。
アンドレア自身も学生であるにもかかわらず、軍の騎士団の団長を務めている。
その場にいる生徒会役員のメンバーをユノは注意深く見渡したが、ユノがずっと話したいと願い続けてきた相手は見当たらなかった。
「おい。聞いてんのか? ここにはお前みたい頭でっかちで成績がいいだけの弱っちぃ平民が来るところじゃねぇんだよ。さっさと出ていけ」
大抵の人間ならすぐにでも逃げ出すような、燃え盛る炎のように強い瞳に睨みつけられた。
「ではあなたが俺よりも弱かったら、あなたが出て行くのですか?」
ユノが正面から赤い瞳を受け止めると、アンドレアはさらに瞳をキツくしてギリギリと睨みつけてきた。
せめて彼と会う前にここから出て行くわけにはいかなかった。
争いごとは極力避けたかったが、避けられないのなら仕方ない。
「てめぇ誰に向かって言ってる……っ」
アンドレアの右手に炎の球が浮かんだ。
ビスコンティ家が得意とする炎の攻撃魔法だ。
この美しい生徒会室を壊さずにアンドレアを倒す方法を素早く考えた時であった。
不意に生徒会室の扉が開いた。
入ってきたのは、ユノが探していたその人物、この国の第二王子で『光の魔法使い』でもあるキリ・シュトレイン、その人に間違いなかった。
241
お気に入りに追加
4,316
あなたにおすすめの小説

親友と同時に死んで異世界転生したけど立場が違いすぎてお嫁さんにされちゃった話
gina
BL
親友と同時に死んで異世界転生したけど、
立場が違いすぎてお嫁さんにされちゃった話です。
タイトルそのままですみません。

モフモフになった魔術師はエリート騎士の愛に困惑中
risashy
BL
魔術師団の落ちこぼれ魔術師、ローランド。
任務中にひょんなことからモフモフに変幻し、人間に戻れなくなってしまう。そんなところを騎士団の有望株アルヴィンに拾われ、命拾いしていた。
快適なペット生活を満喫する中、実はアルヴィンが自分を好きだと知る。
アルヴィンから語られる自分への愛に、ローランドは戸惑うものの——?
24000字程度の短編です。
※BL(ボーイズラブ)作品です。
この作品は小説家になろうさんでも公開します。
ギルド職員は高ランク冒険者の執愛に気づかない
Ayari(橋本彩里)
BL
王都東支部の冒険者ギルド職員として働いているノアは、本部ギルドの嫌がらせに腹を立て飲みすぎ、酔った勢いで見知らぬ男性と夜をともにしてしまう。
かなり戸惑ったが、一夜限りだし相手もそう望んでいるだろうと挨拶もせずその場を後にした。
後日、一夜の相手が有名な高ランク冒険者パーティの一人、美貌の魔剣士ブラムウェルだと知る。
群れることを嫌い他者を寄せ付けないと噂されるブラムウェルだがノアには態度が違って……
冷淡冒険者(ノア限定で世話焼き甘えた)とマイペースギルド職員、周囲の思惑や過去が交差する。
表紙は友人絵師kouma.作です♪
【完結】僕はキミ専属の魔力付与能力者
みやこ嬢
BL
【2025/01/24 完結、ファンタジーBL】
リアンはウラガヌス伯爵家の養い子。魔力がないという理由で貴族教育を受けさせてもらえないまま18の成人を迎えた。伯爵家の兄妹に良いように使われてきたリアンにとって唯一安らげる場所は月に数度訪れる孤児院だけ。その孤児院でたまに会う友人『サイ』と一緒に子どもたちと遊んでいる間は嫌なことを全て忘れられた。
ある日、リアンに魔力付与能力があることが判明する。能力を見抜いた魔法省職員ドロテアがウラガヌス伯爵家にリアンの今後について話に行くが、何故か軟禁されてしまう。ウラガヌス伯爵はリアンの能力を利用して高位貴族に娘を嫁がせようと画策していた。
そして見合いの日、リアンは初めて孤児院以外の場所で友人『サイ』に出会う。彼はレイディエーレ侯爵家の跡取り息子サイラスだったのだ。明らかな身分の違いや彼を騙す片棒を担いだ負い目からサイラスを拒絶してしまうリアン。
「君とは対等な友人だと思っていた」
素直になれない魔力付与能力者リアンと、無自覚なままリアンをそばに置こうとするサイラス。両片想い状態の二人が様々な障害を乗り越えて幸せを掴むまでの物語です。
【独占欲強め侯爵家跡取り×ワケあり魔力付与能力者】
* * *
2024/11/15 一瞬ホトラン入ってました。感謝!

小悪魔系世界征服計画 ~ちょっと美少年に生まれただけだと思っていたら、異世界の救世主でした~
朱童章絵
BL
「僕はリスでもウサギでもないし、ましてやプリンセスなんかじゃ絶対にない!」
普通よりちょっと可愛くて、人に好かれやすいという以外、まったく普通の男子高校生・瑠佳(ルカ)には、秘密がある。小さな頃からずっと、別な世界で日々を送り、成長していく夢を見続けているのだ。
史上最強の呼び声も高い、大魔法使いである祖母・ベリンダ。
その弟子であり、物腰柔らか、ルカのトラウマを刺激しまくる、超絶美形・ユージーン。
外見も内面も、強くて男らしくて頼りになる、寡黙で優しい、薬屋の跡取り・ジェイク。
いつも笑顔で温厚だけど、ルカ以外にまったく価値を見出さない、ヤンデレ系神父・ネイト。
領主の息子なのに気さくで誠実、親友のイケメン貴公子・フィンレー。
彼らの過剰なスキンシップに狼狽えながらも、ルカは日々を楽しく過ごしていたが、ある時を境に、現実世界での急激な体力の衰えを感じ始める。夢から覚めるたびに強まる倦怠感に加えて、祖母や仲間達の言動にも不可解な点が。更には魔王の復活も重なって、瑠佳は次第に世界全体に疑問を感じるようになっていく。
やがて現実の自分の不調の原因が夢にあるのではないかと考えた瑠佳は、「夢の世界」そのものを否定するようになるが――。
無自覚小悪魔ちゃん、総受系愛され主人公による、保護者同伴RPG(?)。
(この作品は、小説家になろう、カクヨムにも掲載しています)

からかわれていると思ってたら本気だった?!
雨宮里玖
BL
御曹司カリスマ冷静沈着クール美形高校生×貧乏で平凡な高校生
《あらすじ》
ヒカルに告白をされ、まさか俺なんかを好きになるはずないだろと疑いながらも付き合うことにした。
ある日、「あいつ間に受けてやんの」「身の程知らずだな」とヒカルが友人と話しているところを聞いてしまい、やっぱりからかわれていただけだったと知り、ショックを受ける弦。騙された怒りをヒカルにぶつけて、ヒカルに別れを告げる——。
葛葉ヒカル(18)高校三年生。財閥次男。完璧。カリスマ。
弦(18)高校三年生。父子家庭。貧乏。
葛葉一真(20)財閥長男。爽やかイケメン。
魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました
タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。
クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。
死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。
「ここは天国ではなく魔界です」
天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。
「至上様、私に接吻を」
「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」
何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?
異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします
み馬
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。
わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!?
これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。
おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。
※ 設定ゆるめ、造語、出産描写あり。幕開け(前置き)長め。第21話に登場人物紹介を載せましたので、ご参考ください。
★お試し読みは、第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★
★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる