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第7章 健診
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「まずは、最初にやられた時のことを教えてくれる?」
「それは……あの……僕が自慰を上手くできなかったからです」
「自慰をしろと言われたの?」
「はい」
「利用者の前で?」
「はい」
「つまり、利用者が見てる前で自慰をするよう強要されて、出来なかった?」
「バックで逝くようにと……」
僕は言葉に詰まったが、一呼吸して、話をつづけた。
「前は触るなと言われたんです、バックだけで逝けと命じられました。僕はおもちゃを使って、自分のバックを……でも、なかなか逝けなくて……」
「それで『お仕置き』されたのね?」
「はい」
「ニ回目の時は?」
「利用者さんの許可をもらう前に、僕が逝ってしまったので、その罰で……」
「ちょっと待って。あなたは射精をするのに利用者の許可が必要ってこと?」
「はい」
「それは一時的なもの? それとも恒常的なルール? つまり、タバコでやられた時だけ、そういうルールになっていたのか、それとも、あなたと利用者の間では、ずっとそういうルールがあるのかを聞きたいのだけど」
「ずっと、そういうルールです。最初に言われました。でも、僕は何度もルールを破って……その最後の時に、やられました。それ以来、逝きそうになる少し前から許可を求めるようにしているので、ルールは破ってません」
「最近、ちゃんと眠れてる?」
「いや、あんまり」
「朝起きた時、体がだるいことはない?」
「毎日だるいです」
「あまり良い兆候ではないわね」
医師はキーボードを打つ手を止めて、僕の顔を見た。
「帰る前に、カウンセリングを受けて行きなさい。私から予約を入れておくわ」
「それは……あの……僕が自慰を上手くできなかったからです」
「自慰をしろと言われたの?」
「はい」
「利用者の前で?」
「はい」
「つまり、利用者が見てる前で自慰をするよう強要されて、出来なかった?」
「バックで逝くようにと……」
僕は言葉に詰まったが、一呼吸して、話をつづけた。
「前は触るなと言われたんです、バックだけで逝けと命じられました。僕はおもちゃを使って、自分のバックを……でも、なかなか逝けなくて……」
「それで『お仕置き』されたのね?」
「はい」
「ニ回目の時は?」
「利用者さんの許可をもらう前に、僕が逝ってしまったので、その罰で……」
「ちょっと待って。あなたは射精をするのに利用者の許可が必要ってこと?」
「はい」
「それは一時的なもの? それとも恒常的なルール? つまり、タバコでやられた時だけ、そういうルールになっていたのか、それとも、あなたと利用者の間では、ずっとそういうルールがあるのかを聞きたいのだけど」
「ずっと、そういうルールです。最初に言われました。でも、僕は何度もルールを破って……その最後の時に、やられました。それ以来、逝きそうになる少し前から許可を求めるようにしているので、ルールは破ってません」
「最近、ちゃんと眠れてる?」
「いや、あんまり」
「朝起きた時、体がだるいことはない?」
「毎日だるいです」
「あまり良い兆候ではないわね」
医師はキーボードを打つ手を止めて、僕の顔を見た。
「帰る前に、カウンセリングを受けて行きなさい。私から予約を入れておくわ」
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