セクサロイドは幼なじみに恋をする 〜近未来、人権のない「セックス人形」として生きる少年の初恋と青春〜 18禁SF要素ありBL小説 完結済

丸井マロ

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第1章 センター

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 居住棟に移動した日の午後、保護官と面接があった。

 彼は藤堂と名乗り、若齢事例は十六歳になるまで保護官がつくと教えてくれた。

「スグル君、外の世界のことや法律のこと、きみは知らないことが沢山あると思う。センターにいる間はもちろん、外に出てからも、わからないことや困ったことがあったら我々に連絡してほしい。きっと力になれると思うよ」

「聞けば教えてくれるんですか?」

「知っていることならね」

「僕の職種は性奉仕ですか?」
 単刀直入に尋ねた。

「不安かい?」
 藤堂さんの声は穏やかだった。

「少し」

「そうだろう。しかし、外の世界では、きみのような若齢事例は性奉仕の需要がきわめて高い。ともすると成人女性よりも強く求められる。我々はきみが奉仕するにあたって、あまり辛くならないようにサポートするし、虐待が疑われれば介入する用意がある」

 彼は保護官がいる理由と、彼らの役割を説明してくれた。

「もう噂は聞いたかい?」
 藤堂さんはモニタに目を向け、キーボードを操作していた。

「なんの噂ですか?」

「いや、聞いてないならいいんだ。もしかしたら奇妙な噂を耳にすることがあるかも知れないが、それについて私に尋ねても無駄だと言っておこうと思ってね」

「はあ……」

「知っていることは教えると言ったが、なにもかも知っているわけではない。このセンターのことだって、別のセクションのことは、ほとんど知らされてないんだ」

 彼のデスクの横にあるプリンタから、黄色い紙が静かに排出された。

「最後に。性奉仕という職種は存在しない。きみの職種は家政に決まったよ。この紙を訓練校の受付に提出しなさい」
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