神様にいちばん遠い島 〜女人禁制の「神の島」で神子となった少年は、神職者らの性処理のための慰み者にされて〜 18禁 BL歴史小説 完結済み

丸井マロ

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第7章 折檻

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 雪千代はすぐに水から引き上げられた。

 体は冷たくなり意識が朦朧としていたため、戸板に寝かされて社に連れ戻されると、湯殿に用意されたあたたかい湯に首から下を浸された。

 少し水を飲んでいたが、命に別状はなく、体があたたまり血の巡りがよくなると、次第に意識は明瞭になった。

 医師の見立てでは、念の為に一晩はあたたかくして、安静にするようにとの事だった。

 立浪は、その日のうちに見せしめに丸裸にされ、庭の木に吊るされ、出仕らに竹木で打ち叩かれて絶命した。

 翌朝、雪千代が目覚めると、二名の出仕が監視役として室内にいた。

 出仕の松沖に手伝われて、雪千代は着替えて、顔を洗い、歯を磨き、髪を結う。

 身支度を済ませて部屋を出ると、障子の外には、さらに二名の出仕が見張りについていた。

「神子様、あちらをご覧ください」

 松沖に促されて中庭を見ると、立浪の死体が木に吊るされていた。

 激しく打ち叩かれて、肌はどす黒く変色し、もはや原型を留めていない。

 それでも雪千代は、一目でそれが立浪だとわかった。

 かすかに眉をひそめたが、顔色は変えなかった。

 こぶしをにぎりしめて、目の奥に焼きつけようとせんばかりに、正面から見つめている。

 そんな彼を尻目に、

「たいした神子様であられる」

 松沖はうっそりと呟いた。

 拝殿に行くと、宮司を筆頭に神職と出仕らが一堂に会し、儀式の準備はできていた。

「神子様におかれましては、悪しきものがお憑きになられている御様子。祓い落とし、お清めいたさねばなりませぬ」

 雪千代は着ているものを脱がされ、肌着姿になると、左右の手首をひとつに縛められ、梁にかけた縄で手首を吊るされた。

高天原たかあまはらかみ留坐つまります──」

 宮司が独特の節回しではじめの一節を唱えると、

皇親すめらがむつ神漏岐かむろぎ神漏美かむろみみこともちて、八百萬やほよろづの神等かみたち神集かむつどへにつどたまひ、神議かむはかりりにはかたまひ──」

 大祓詞おおはらえのことばの合唱が始まった。
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