神様にいちばん遠い島 〜女人禁制の「神の島」で神子となった少年は、神職者らの性処理のための慰み者にされて〜 18禁 BL歴史小説 完結済み

丸井マロ

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第5章 立浪

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「神子様」

 立浪は雪千代に駆け寄り、傍らに膝をついた。

 雪千代は、首筋や胸部、内ももなどに、行為の名残も生々しく、赤い跡を散らしていた。

 泣き濡れた目を見開いて、虚空の一点を見つめている。

「神子様、立浪です」

 もういちど声をかけて、肩に手を置いた。

 雪千代の黒目が動いて、立浪をさがす。

 立浪は雪千代の寝衣の前を閉じ合わせ、腰紐を結んだ。

 雪千代はされるがままになっている。

 立浪は、雪千代の首の下から腕を差し入れて、上半身を起こした。

 それから一気に抱き上げると、雪千代は立浪の首の後ろに両腕をまわしてしがみついた。

 ──よかった、意識がある。

 ひどいときは完全に意識がないか、意識はあっても自分の首や腕を支える力も残っていないが、今夜はまだ立浪にしがみつく力が残っている。

 立浪は、雪千代を抱きかかえて、居室に連れて帰った。

 褥に下ろし、寝かせようとするが、雪千代は抗って立浪にしがみついてきた。

「神子様……」

「あたたかい」

「……」

「こうして、抱いていてくれ」

 雪千代は熱っぽく潤んだ黒目がちの目で、立浪を見あげる。

「神子様」

「立浪」

 二人は、くちびるを重ねた。

 たがいに口を吸い、舌を絡め合いながら、雪千代の手は立浪の股間にのびる。

 それは、すでに熱くなっていた。

「立浪、私を抱いて」

 雪千代は立浪にしなだれかかり、立浪は我慢ならずと雪千代を押し倒す。

「早く、こなたが欲しい」

 立浪が雪千代の下肢に触れると、蕾は熱く熟れており、潤滑油や精液でトロトロになっている。

「私をめちゃくちゃにして」

 急かされるように、立浪は相手の菊座に、ぬめりと亀頭を挿入した。

「ああ……!」

 雪千代は喉もとをのけぞらせ、悦びにわなないた。

「もっと……もっと、こなたを感じたい、もっと奥を突いて……」

 すらりと伸びた白い下肢が、立浪の腰に絡みつき、もっともっととせがんでくる。

「ああ……神子様……!」

 若い立浪は、呻きながら、雪千代の中に精を吐いた。
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