神様にいちばん遠い島 〜女人禁制の「神の島」で神子となった少年は、神職者らの性処理のための慰み者にされて〜 18禁 BL歴史小説 完結済み

丸井マロ

文字の大きさ
上 下
11 / 53
第2章 神子

しおりを挟む
「神子様、お食事をお持ちしました」

 夕食は、白米、味噌汁、鯛の蒸し焼き、根菜を炊いたもの、菜っ葉の漬物だった。

「すごいごちそうだな」

「神子様ですので当然です」

 雪千代は食べながら、鶴千代は約束どおりきちんと食事をとっているのか気になった。

 食後、房楊枝と丁子油で歯を磨き、また湯浴みをして、柘榴の皮の粉で肌を磨き、寝衣に着替える。

「神子様、宮司様がお呼びです」

 障子の外から、出仕に声をかけられた。

 立浪が静かに障子を開けて、雪千代は廊下に出た。

 中庭に面する板戸が閉められた廊下は暗いが、立浪ともう一人の出仕が足元が見えるように燭台で照らしてくれるので、自分がどこを歩いているのかわかった。

「宮司様、神子様がお見えになられました」

 障子の前で膝を付き、出仕は述べた。

「入れ」

「はっ」

 立浪と出仕は障子を開けて、雪千代に中に入るように促す。

「失礼いたします」

 雪千代はお辞儀をして、室内ににじり入ると、背後で静かに障子が閉められた。

「おもてを上げなさい」

 雪千代は顔を上げた。

 寝所にはすでに床が整えられていた。

「神子様、島はご覧になりましたか?」

「はい」

「どう思いましたかな?」

「おだやかな島に見えました」

「おだやか、か」

 宮司はふっと笑った。

「神は荒御魂あらみたま和御魂にぎみたまを両方をお持ちになられる。そなたは荒ぶる神を鎮める神子様のようですのう」

 そう言いながら、宮司は雪千代の肩を抱き寄せ、口を吸った。

「む……んんっ」

 なまあたたかい舌が口腔をまさぐる気色悪さに、雪千代は全身を固くして耐える。

 宮司は舌で相手の舌先をおびきだすと、雪千代の舌を吸い込んだ。

 舌を飲まれるような口吸いに、雪千代は目を白黒させて困惑するが、宮司は手をゆるめなかった。

「昨夜、そなたの快楽の門が開かれるのを、しかと見ておりましたぞ」

 宮司は雪千代を褥の上に押し倒すと、腰紐を解いて寝衣の前を開き、下帯を脱がせた。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます

まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。 貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。 そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。 ☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。 ☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

R指定

ヤミイ
BL
ハードです。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

ある少年の体調不良について

雨水林檎
BL
皆に好かれるいつもにこやかな少年新島陽(にいじまはる)と幼馴染で親友の薬師寺優巳(やくしじまさみ)。高校に入学してしばらく陽は風邪をひいたことをきっかけにひどく体調を崩して行く……。 BLもしくはブロマンス小説。 体調不良描写があります。

処理中です...