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第15章 媚態
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「いつまでたっても儂を楽しませることが出来なければ、同心連中の接待に格下げする。心しておけ」
仙千代は、大黒屋が言わんとする意味を悟ると、苦痛の中から快楽を取り出そうと虚しい努力を重ねた。
──蔵人。
ごめん。
もう会えない──。
痛みに切り刻まれる意識の中で、仙千代は、蔵人を忘れて、自分自身をも捨ててしまおうと思った。
そうすれば、楽になれるかも知れないと思った。
──氷見仙千代は死んだ。私はもう、人ですらない。氷見家の次男、仙千代は、もうどこにもいないのだ……。
そう自分に言い聞かせて、大黒屋に犯される拷問に耐えながら、なんとか感じている演技をしようとしてみるものの、あまりの痛みに己の反応を制御できず、苦闘する日々が続いた。
やがて、腰の奥のほうで、快楽の芽のようなものが生じてくるのを感じた。
当初は激しい苦痛に圧倒されて、薄ぼんやりとした感覚でしかなかったものが、何度も回数を重ね、その欠片を必死にかき集めているうちに、だんだんと輪郭をあらわにした。
「旦那様、私を壊して……めちゃくちゃにして……!」
仙千代は、せっかく捕らえた快楽の尻尾を逃さんとばかりに、すらりとした脚を大黒屋の下肢に絡ませて抱き寄せる。
「お願いです……旦那様以外に…抱かれたくありません……」
仙千代は大黒屋にしがみついて泣いた。
半ば演技であるが、もう半分は、昼も夜も何十人もの男に輪姦される毎日は耐えられない、そこまで酷い目には遭わせないでほしいという必死の哀願だった。
「お前も随分かわいいことを言うようになったじゃないか。どうせ、接待が嫌だから、儂に取り入って免れようって魂胆だろう?」
大黒屋はあしらうように鼻で笑ったが、顔にはまんざらでもなさそうな表情が浮かんでいた。
「生憎ながら、儂は淫売を囲うほど悪趣味ではない。囲い者にして愛でるなら、汚れを知らぬ生童に限るわい」
そう言って、仙千代に嘲笑を浴びせかける。
「お前みたいに、ちょんの間で数え切れぬほどの男の肉棒を咥え込んできた中古穴は、所詮ただの接待要員、儂にとってはおもちゃに過ぎぬ、勘違いするな」
大黒屋は己の言葉にますます興奮し、激しく腰を打ちつけた。
仙千代は、大黒屋が言わんとする意味を悟ると、苦痛の中から快楽を取り出そうと虚しい努力を重ねた。
──蔵人。
ごめん。
もう会えない──。
痛みに切り刻まれる意識の中で、仙千代は、蔵人を忘れて、自分自身をも捨ててしまおうと思った。
そうすれば、楽になれるかも知れないと思った。
──氷見仙千代は死んだ。私はもう、人ですらない。氷見家の次男、仙千代は、もうどこにもいないのだ……。
そう自分に言い聞かせて、大黒屋に犯される拷問に耐えながら、なんとか感じている演技をしようとしてみるものの、あまりの痛みに己の反応を制御できず、苦闘する日々が続いた。
やがて、腰の奥のほうで、快楽の芽のようなものが生じてくるのを感じた。
当初は激しい苦痛に圧倒されて、薄ぼんやりとした感覚でしかなかったものが、何度も回数を重ね、その欠片を必死にかき集めているうちに、だんだんと輪郭をあらわにした。
「旦那様、私を壊して……めちゃくちゃにして……!」
仙千代は、せっかく捕らえた快楽の尻尾を逃さんとばかりに、すらりとした脚を大黒屋の下肢に絡ませて抱き寄せる。
「お願いです……旦那様以外に…抱かれたくありません……」
仙千代は大黒屋にしがみついて泣いた。
半ば演技であるが、もう半分は、昼も夜も何十人もの男に輪姦される毎日は耐えられない、そこまで酷い目には遭わせないでほしいという必死の哀願だった。
「お前も随分かわいいことを言うようになったじゃないか。どうせ、接待が嫌だから、儂に取り入って免れようって魂胆だろう?」
大黒屋はあしらうように鼻で笑ったが、顔にはまんざらでもなさそうな表情が浮かんでいた。
「生憎ながら、儂は淫売を囲うほど悪趣味ではない。囲い者にして愛でるなら、汚れを知らぬ生童に限るわい」
そう言って、仙千代に嘲笑を浴びせかける。
「お前みたいに、ちょんの間で数え切れぬほどの男の肉棒を咥え込んできた中古穴は、所詮ただの接待要員、儂にとってはおもちゃに過ぎぬ、勘違いするな」
大黒屋は己の言葉にますます興奮し、激しく腰を打ちつけた。
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