色地獄 〜会津藩士の美少年が男娼に身を落として〜 18禁 BL時代小説【完結】

丸井マロ

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第17章 潜入

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 大黒屋が腰をつかんだ手を離すと、仙千代の体はずるずるとくずおれた。

「きれいにしろ」

 自らの子種で汚れた逸物を、格子の間から差し入れる。

 しかし、仙千代は動かなかった。

「おい、仙、もたもたするな」

 その呼びかけにも、反応はない。

「気絶したのか、だらしない」

 大黒屋は舌打ちすると、見張り役らのほうに向き直った。

「お前たち」

「はっ」

「この子を起こして厠へ連れて行ってやれ」

「はっ」

 大黒屋は急いでいるようで、早足で立ち去った。

 その後ろ姿を見送ると、

「仕方ない」

 一番古参の見張り役が、大きな南京錠を解錠して、格子戸を開けた。

「瀬兵衛、手伝ってくれ」

 彼は蔵人に顔を向ける。

「はっ」

 蔵人は彼に続いて、座敷牢の中に足を踏み入れた。

 仙千代は、寝衣を羽織ってはいるが前を大きくはだけて、下半身は剥き出しのまま、床に転がっていた。

 蝋燭の明かりに照らされた顔は泣き濡れて、苦しげに眉根を寄せている。

 その黒髪はおどろに乱れ、髻から落ちた髪の毛が、額や頬に貼り付いている。
 
 意識はないが、上下する胸が、呼吸をしていることを教えてくれた。

「おい」

 古参の男は、仙千代の頬をペチペチと軽く叩いた。

 仙千代は、薄目を開けた。

「厠へ行くぞ、立てるか?」

 そう訊ねたものの、立てそうにないのは瞭然だった。

 意識は取り戻したものの、まだ朦朧としているようで、目の焦点が合わず、すぐそばにいる蔵人にも気づいていない。

 蔵人と古参は、目を見合わせた。

 古参も今は浪人だが、武家の生まれで、衆道の心得はあった。

 この時代、尻の中に出した子種はすぐに掻き出さないと、痔になると信じられている。

 その真偽は置いておくとしても、腹を下すのは間違いないだろう。

「その様子じゃあ、厠へ連れて行っても、用を足すのは無理だろうな」

 格子の外から見ている、別の男が言った。

「そうだな」

 古参はうなずいた。

 意識がはっきりしない者を抱えて厠へ運ぶことは出来ても、本人が便所に跨ることが出来なければ意味がない。

「指で掻き出すか」

 古参はいかにも不本意そうな表情をすると、

「まず、こいつをうつ伏せにしよう」

 蔵人と二人がかりで、仙千代をうつ伏せにした。

 それから、ふところから懐紙を取り出し、自分の指をなめて唾液で濡らす。

「ちょっと痛いかも知れないが、我慢しとくれよ」

 男は注意深く、仙千代の菊座に指先を入れた。

 仙千代は体を強張らせて呻き、男は動きを止める。

 少し待って、男は指を深く挿入し、子種を掻き出し始めた。

 仙千代は呻き声をあげて体をよじらせ、蔵人は仙千代が動かないように床に押さえつける。

 ねちゃねちゃと湿った音を立てて、古参の男が子種を掻き出す様子を、蔵人は無言でじっと見つめた。

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