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第16章 鞭打ち
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「自分で張り型を入れなさい、根元まで全部だ」
お雪に一休みする暇を与えず、男は残酷に命じた。
馬吉がお雪に張り型を差し出し、お雪はのろのろと体を起こすと、それを受け取った。
指でふのりをすくいとり、張り型にぬりつけ、それに跨がるように腰をおろし始める。
「うう……!」
痛みに呻きながらも、お雪の菊座は張り型を根元まですっぽりと飲み込んだ。
「四つん這いになりなさい」
男に命じられ、お雪は黙って従った。
すると、くちびるを大きく縦長に開いた菊座が人々の目に曝された。
「腕を伏せ、顔を床につけて、尻を高くあげなさい」
言われた通りにすると、重力とふのりのぬめりのせいで、直腸を拡げる固い石の重圧が、今度は体の内側を滑り落ち、腸や胃に向かって突き上げてきた。
その苦しさに、お雪はたまらず、これまで一度も出したことのない、ぐええっというような無様な呻き声を漏らした。
内臓を苛む苦痛に冷たい脂汗を流し、もはや死をも覚悟しているお雪の、地獄の底を這うような命懸けの苦悶は、男にとっては宴の肴、お楽しみのひとつに過ぎなかった。
「自力で張り型をひりだしなさい」
口もとに込み上げる笑いを隠さず、男は命じた。
「はい、旦那様……」
お雪は、頭部を床に着けて尻を高く突き上げた姿勢で、尻から張り型を排出しようとした。
しかし、お雪の細腰に対して太すぎるそれは、いきんでいる間は少しだけ押し出されるものの、いきむのをやめると、元の位置に戻ってしまう。
なにより、胸部の緊縛のせいで息をするのも苦しく、腹に力が入らない。
お雪は産褥の女のように、呻き声を上げ、汗みずくになりながら何度もいきむが、菊座を上に向けた姿勢で、狭い穴に押し込まれた張り型を自力で排出するのは困難をきわめた。
「早くしろ」
男は言い、馬吉は、鞭の先を尻贅に這わせ、お雪を急かす。
「うう……!」
お雪は全力でいきむが、重い張り型は、ほんの少し出てくると、そこで止まってしまう。
「打て」
男が片手を上げて合図をすると、竹根鞭が、お雪の尻に炸裂した。
お雪に一休みする暇を与えず、男は残酷に命じた。
馬吉がお雪に張り型を差し出し、お雪はのろのろと体を起こすと、それを受け取った。
指でふのりをすくいとり、張り型にぬりつけ、それに跨がるように腰をおろし始める。
「うう……!」
痛みに呻きながらも、お雪の菊座は張り型を根元まですっぽりと飲み込んだ。
「四つん這いになりなさい」
男に命じられ、お雪は黙って従った。
すると、くちびるを大きく縦長に開いた菊座が人々の目に曝された。
「腕を伏せ、顔を床につけて、尻を高くあげなさい」
言われた通りにすると、重力とふのりのぬめりのせいで、直腸を拡げる固い石の重圧が、今度は体の内側を滑り落ち、腸や胃に向かって突き上げてきた。
その苦しさに、お雪はたまらず、これまで一度も出したことのない、ぐええっというような無様な呻き声を漏らした。
内臓を苛む苦痛に冷たい脂汗を流し、もはや死をも覚悟しているお雪の、地獄の底を這うような命懸けの苦悶は、男にとっては宴の肴、お楽しみのひとつに過ぎなかった。
「自力で張り型をひりだしなさい」
口もとに込み上げる笑いを隠さず、男は命じた。
「はい、旦那様……」
お雪は、頭部を床に着けて尻を高く突き上げた姿勢で、尻から張り型を排出しようとした。
しかし、お雪の細腰に対して太すぎるそれは、いきんでいる間は少しだけ押し出されるものの、いきむのをやめると、元の位置に戻ってしまう。
なにより、胸部の緊縛のせいで息をするのも苦しく、腹に力が入らない。
お雪は産褥の女のように、呻き声を上げ、汗みずくになりながら何度もいきむが、菊座を上に向けた姿勢で、狭い穴に押し込まれた張り型を自力で排出するのは困難をきわめた。
「早くしろ」
男は言い、馬吉は、鞭の先を尻贅に這わせ、お雪を急かす。
「うう……!」
お雪は全力でいきむが、重い張り型は、ほんの少し出てくると、そこで止まってしまう。
「打て」
男が片手を上げて合図をすると、竹根鞭が、お雪の尻に炸裂した。
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