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第16章 鞭打ち
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大黒屋は背後から竹根鞭を取り出すと、うやうやしく若侍に差し出し、若侍が男に手渡す。
男の両手の間で、鞭が弓の形を描いた。
それを目にした途端、お雪は見るからに青ざめ、狼狽えた。
慌てて這いつくばると、床に顔を近づけ、一瞬の躊躇の後、くちびるの間から舌を出し、小便で濡れた畳を舐め始める。
これまで、この鞭がどれほど苛烈にお雪を痛めつけ、その痛みがどれほどの恐怖を心に植え付けたのか、大黒屋が説明するまでもなく、お雪の様子を見ればわかった。
お雪が床に這いつくばって、濡れる畳に舌を這わせる姿を、お代官様と呼ばれる男は愉悦に輝く目で見ていることに、仙千代は気付いた。
この男は、若衆に苦痛のみならず、屈辱を与えることをも楽しんでいる。
仙千代は、かような趣味を持つ人がこの世に存在すること、そして、その接待をせねばならない己の身上を呪った。
「一滴残らず舐め取るのだぞ」
男はお雪に言うと、仙千代に顔を向けた。
「近う寄れ」
「はい、旦那様……」
仙千代が男に近づくと、男は自分の持ち物を取り出した。
それはすでに半勃ちになっていた。
「舐めなさい、あれのように舌だけを使ってな」
言われたとおり、仙千代は舌を出してそれを舐めた。
この悪夢のような宴を少しでも早く終わらせたい一心で、舌全体を使って付け根から先まで舐めあげ、尖らせた舌先で、鎌首や鈴口を刺激する。
やがて、お雪の舌を使っての床掃除が終わる頃には、男のそれは骨があるかのように固くなっていた。
「ようし。では、お漏らしをした罰を与えねばならぬ」
男の股間に顔を埋めている仙千代には、お雪の姿は見えなかった。
「その便所穴を、丸裸にして吊るし上げろ」
男の命じる声がした。
「手首を吊るしますか?」
「いや、胸部に縄をかけて宙吊りにするが良い」
「へい、わかりました」
「良い子にしていれば、最低限の躾で済んだものを。小便を漏らして、自分で自分の罰を重くしている。馬鹿な穴だ」
男は自らの言葉に昂ぶって、仙千代が舐めているそれは、はちきれんばかりにビクンと脈打った。
男の両手の間で、鞭が弓の形を描いた。
それを目にした途端、お雪は見るからに青ざめ、狼狽えた。
慌てて這いつくばると、床に顔を近づけ、一瞬の躊躇の後、くちびるの間から舌を出し、小便で濡れた畳を舐め始める。
これまで、この鞭がどれほど苛烈にお雪を痛めつけ、その痛みがどれほどの恐怖を心に植え付けたのか、大黒屋が説明するまでもなく、お雪の様子を見ればわかった。
お雪が床に這いつくばって、濡れる畳に舌を這わせる姿を、お代官様と呼ばれる男は愉悦に輝く目で見ていることに、仙千代は気付いた。
この男は、若衆に苦痛のみならず、屈辱を与えることをも楽しんでいる。
仙千代は、かような趣味を持つ人がこの世に存在すること、そして、その接待をせねばならない己の身上を呪った。
「一滴残らず舐め取るのだぞ」
男はお雪に言うと、仙千代に顔を向けた。
「近う寄れ」
「はい、旦那様……」
仙千代が男に近づくと、男は自分の持ち物を取り出した。
それはすでに半勃ちになっていた。
「舐めなさい、あれのように舌だけを使ってな」
言われたとおり、仙千代は舌を出してそれを舐めた。
この悪夢のような宴を少しでも早く終わらせたい一心で、舌全体を使って付け根から先まで舐めあげ、尖らせた舌先で、鎌首や鈴口を刺激する。
やがて、お雪の舌を使っての床掃除が終わる頃には、男のそれは骨があるかのように固くなっていた。
「ようし。では、お漏らしをした罰を与えねばならぬ」
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「その便所穴を、丸裸にして吊るし上げろ」
男の命じる声がした。
「手首を吊るしますか?」
「いや、胸部に縄をかけて宙吊りにするが良い」
「へい、わかりました」
「良い子にしていれば、最低限の躾で済んだものを。小便を漏らして、自分で自分の罰を重くしている。馬鹿な穴だ」
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