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第14章 性接待
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仙千代は無言ですすり泣いている。
しばらくすると、若侍が戻って来た。
その後に、大黒屋、そして屈強な二人の青年──馬吉と牛蔵が続いた。
「この痴れ者に、己の立場と言うものを思い知らせてやる」
中年の男は、大黒屋に事情を説明した。
「お雪と言い、この子と言い、どうも川上屋は若衆を甘やかし過ぎるきらいがあるようだ。厳しくしつけ直してやらねばならぬ」
「お代官様の仰るとおり、この仙めは淫売の分をわきまえておらず、わからせてやる必要があります。お代官様に躾けていただければ、手前としても大助かりでございます」
大黒屋は両手を揉みながら述べた。
「水責めは如何でしょうか。体に傷をつけずに、たっぷり懲らしめてやることが出来るゆえ、蔭間茶屋では足抜けした蔭間の見せしめに使われていると聞いております」
「水責めか」
男はニヤリと酷薄な笑みを浮かべた。
「聞いたか、この小生意気な淫売め!」
彼は仙千代の乳首と柱の間にある紐を押した。
仙千代の乳首は千切れるかと思うほど引っ張られ、絹を裂くような悲鳴があがる。
「今宵はたっぷり苦しむがよい。お前が望んだことだ、後悔しても遅いぞ」
若侍の手によって、仙千代は手首と乳首を解放されたが、一息つくまもなく後ろ手に縛られた。
その間に、大黒屋の命で、馬吉と牛蔵は部屋を出ていった。
ややあって、
「失礼します」
馬吉と牛蔵が二人がかりで、大きな盥を室内に運び入れる。
目隠しをされている仙千代は、そこになにがあるのかわからないまま、若侍に上腕をつかまれて少し歩き、盥の前で両膝をついて正座をさせられた。
若侍が、仙千代の目隠を外した。
目の前にある盥には、なみなみと水が張られていた。
「これから行うのは、古典的かつ効果的な拷問のひとつだ。物好きなお前も、これには懲りるだろう」
ご丁寧に、中年男は説明した。
「ひれ伏して儂に謝り、許しを乞い、念者の名を言えば、許してやっても良いぞ?」
「……」
仙千代は口を閉ざしたままだった。
「やれ」
「へい」
馬吉は仙千代の髻──髪をひとつにまとめて束ねているところをつかむと、仙千代の顔を水につけた。
かくして、水責めが始まった。
しばらくすると、若侍が戻って来た。
その後に、大黒屋、そして屈強な二人の青年──馬吉と牛蔵が続いた。
「この痴れ者に、己の立場と言うものを思い知らせてやる」
中年の男は、大黒屋に事情を説明した。
「お雪と言い、この子と言い、どうも川上屋は若衆を甘やかし過ぎるきらいがあるようだ。厳しくしつけ直してやらねばならぬ」
「お代官様の仰るとおり、この仙めは淫売の分をわきまえておらず、わからせてやる必要があります。お代官様に躾けていただければ、手前としても大助かりでございます」
大黒屋は両手を揉みながら述べた。
「水責めは如何でしょうか。体に傷をつけずに、たっぷり懲らしめてやることが出来るゆえ、蔭間茶屋では足抜けした蔭間の見せしめに使われていると聞いております」
「水責めか」
男はニヤリと酷薄な笑みを浮かべた。
「聞いたか、この小生意気な淫売め!」
彼は仙千代の乳首と柱の間にある紐を押した。
仙千代の乳首は千切れるかと思うほど引っ張られ、絹を裂くような悲鳴があがる。
「今宵はたっぷり苦しむがよい。お前が望んだことだ、後悔しても遅いぞ」
若侍の手によって、仙千代は手首と乳首を解放されたが、一息つくまもなく後ろ手に縛られた。
その間に、大黒屋の命で、馬吉と牛蔵は部屋を出ていった。
ややあって、
「失礼します」
馬吉と牛蔵が二人がかりで、大きな盥を室内に運び入れる。
目隠しをされている仙千代は、そこになにがあるのかわからないまま、若侍に上腕をつかまれて少し歩き、盥の前で両膝をついて正座をさせられた。
若侍が、仙千代の目隠を外した。
目の前にある盥には、なみなみと水が張られていた。
「これから行うのは、古典的かつ効果的な拷問のひとつだ。物好きなお前も、これには懲りるだろう」
ご丁寧に、中年男は説明した。
「ひれ伏して儂に謝り、許しを乞い、念者の名を言えば、許してやっても良いぞ?」
「……」
仙千代は口を閉ざしたままだった。
「やれ」
「へい」
馬吉は仙千代の髻──髪をひとつにまとめて束ねているところをつかむと、仙千代の顔を水につけた。
かくして、水責めが始まった。
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