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第14章 性接待
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「この前の続きをしよう」
中年の武士は、口もとに歪んだ笑みを浮かべた。
「前回は聞きそびれてしまったが、今日は吐いてもらうぞ」
さっそく若侍が鴨居に縄をかけ、仙千代の腕をつかみ、膝立ちにさせた。
次いで両手首を頭上で縛り、鴨居から落ちる縄尻に手首の拘束を繋いで腕を吊るすと、目隠しをした。
「視界を塞ぐと、敏感になるからな」
中年男の声がした。
「はじめなさい」
「はっ」
若侍は仙千代の衿元をはだけ、片方の乳首に、いきなり竹ばさみを噛ませた。
「故郷の念者の名はなんという?」
中年がそう訊いている間にも、若侍は仙千代のもう片方の乳首に竹ばさみを噛ませた。
「……」
仙千代は痛みに顔をゆがめながらも、答えなかった。
「相変わらず強情な子だのう」
中年の男は愉快そうにつぶやいた。
「ほれ」
彼は竹ばさみを指先で弾き、
「ううっ!」
仙千代は痛みに体を強張らせて呻く。
何度かそれをくりかえされた後、仙千代は中年の男が離れるのを感じた。
「治平左、これを竹ばさみに」
「かしこまりました、殿」
治平左と呼ばれた若侍は、細い紐を、竹ばさみに結びつける。
その、竹ばさみがわずかに動く刺激にさえ、仙千代はじっとしていることはできず、体をよじらせて痛みに耐える。
「結びました」
「では、その紐を、柱に結ぶのだ」
「はい」
治平左は、仙千代の左右の乳首を噛む竹ばさみに繋がる紐を、向き合う位置にある柱に巻きつけ、くくりつける。
「ああっ!」
仙千代は乳首を引っ張られる激痛に鋭い声をあげて、膝立ちで両腕を頭上に吊るされたまま、可能なかぎり胸を突き出した姿勢になった。
「さぞかし痛いだろうのう」
中年は笑い声をあげ、若侍も追従するように笑った。
「故郷の念者の名を言えば、すぐに解いてやるぞ?」
「……」
「これはこれは、根競べをしたいのかな?」
「……」
「夜は長い。儂は焦らぬ。いつまで苦しむかは、お前次第だ」
仙千代は、乳首を噛む竹ばさみを引っ張られ、膝立ちのまま、痛みに呻くしかない。
少しでも体が動けば、乳首に激痛が走るからだ。
目隠しをする布にはすでに涙がにじんでいたが、くちびるは固く引き結ばれている。
──蔵人……。
誰にも仙千代を汚すことはできないと、蔵人は言った。
仙千代にとって、蔵人への想いは、誰にも汚すことのできない──いや、汚れさせてはならない聖域だった。
この聖域を踏むにじられたら、もう生きていけないとさえ思った。
中年の武士は、口もとに歪んだ笑みを浮かべた。
「前回は聞きそびれてしまったが、今日は吐いてもらうぞ」
さっそく若侍が鴨居に縄をかけ、仙千代の腕をつかみ、膝立ちにさせた。
次いで両手首を頭上で縛り、鴨居から落ちる縄尻に手首の拘束を繋いで腕を吊るすと、目隠しをした。
「視界を塞ぐと、敏感になるからな」
中年男の声がした。
「はじめなさい」
「はっ」
若侍は仙千代の衿元をはだけ、片方の乳首に、いきなり竹ばさみを噛ませた。
「故郷の念者の名はなんという?」
中年がそう訊いている間にも、若侍は仙千代のもう片方の乳首に竹ばさみを噛ませた。
「……」
仙千代は痛みに顔をゆがめながらも、答えなかった。
「相変わらず強情な子だのう」
中年の男は愉快そうにつぶやいた。
「ほれ」
彼は竹ばさみを指先で弾き、
「ううっ!」
仙千代は痛みに体を強張らせて呻く。
何度かそれをくりかえされた後、仙千代は中年の男が離れるのを感じた。
「治平左、これを竹ばさみに」
「かしこまりました、殿」
治平左と呼ばれた若侍は、細い紐を、竹ばさみに結びつける。
その、竹ばさみがわずかに動く刺激にさえ、仙千代はじっとしていることはできず、体をよじらせて痛みに耐える。
「結びました」
「では、その紐を、柱に結ぶのだ」
「はい」
治平左は、仙千代の左右の乳首を噛む竹ばさみに繋がる紐を、向き合う位置にある柱に巻きつけ、くくりつける。
「ああっ!」
仙千代は乳首を引っ張られる激痛に鋭い声をあげて、膝立ちで両腕を頭上に吊るされたまま、可能なかぎり胸を突き出した姿勢になった。
「さぞかし痛いだろうのう」
中年は笑い声をあげ、若侍も追従するように笑った。
「故郷の念者の名を言えば、すぐに解いてやるぞ?」
「……」
「これはこれは、根競べをしたいのかな?」
「……」
「夜は長い。儂は焦らぬ。いつまで苦しむかは、お前次第だ」
仙千代は、乳首を噛む竹ばさみを引っ張られ、膝立ちのまま、痛みに呻くしかない。
少しでも体が動けば、乳首に激痛が走るからだ。
目隠しをする布にはすでに涙がにじんでいたが、くちびるは固く引き結ばれている。
──蔵人……。
誰にも仙千代を汚すことはできないと、蔵人は言った。
仙千代にとって、蔵人への想いは、誰にも汚すことのできない──いや、汚れさせてはならない聖域だった。
この聖域を踏むにじられたら、もう生きていけないとさえ思った。
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