色地獄 〜会津藩士の美少年が男娼に身を落として〜 18禁 BL時代小説【完結】

丸井マロ

文字の大きさ
上 下
83 / 120
第14章 性接待

しおりを挟む
「この前の続きをしよう」

 中年の武士は、口もとに歪んだ笑みを浮かべた。

「前回は聞きそびれてしまったが、今日は吐いてもらうぞ」

 さっそく若侍が鴨居に縄をかけ、仙千代の腕をつかみ、膝立ちにさせた。

 次いで両手首を頭上で縛り、鴨居から落ちる縄尻に手首の拘束を繋いで腕を吊るすと、目隠しをした。

「視界を塞ぐと、敏感になるからな」

 中年男の声がした。

「はじめなさい」

「はっ」

 若侍は仙千代の衿元をはだけ、片方の乳首に、いきなり竹ばさみを噛ませた。

「故郷の念者の名はなんという?」

 中年がそう訊いている間にも、若侍は仙千代のもう片方の乳首に竹ばさみを噛ませた。

「……」

 仙千代は痛みに顔をゆがめながらも、答えなかった。

「相変わらず強情な子だのう」

 中年の男は愉快そうにつぶやいた。

「ほれ」

 彼は竹ばさみを指先で弾き、

「ううっ!」

 仙千代は痛みに体を強張らせて呻く。

 何度かそれをくりかえされた後、仙千代は中年の男が離れるのを感じた。

治平左じへいざ、これを竹ばさみに」

「かしこまりました、殿」

 治平左と呼ばれた若侍は、細い紐を、竹ばさみに結びつける。

 その、竹ばさみがわずかに動く刺激にさえ、仙千代はじっとしていることはできず、体をよじらせて痛みに耐える。

「結びました」

「では、その紐を、柱に結ぶのだ」

「はい」

 治平左は、仙千代の左右の乳首を噛む竹ばさみに繋がる紐を、向き合う位置にある柱に巻きつけ、くくりつける。

「ああっ!」

 仙千代は乳首を引っ張られる激痛に鋭い声をあげて、膝立ちで両腕を頭上に吊るされたまま、可能なかぎり胸を突き出した姿勢になった。

「さぞかし痛いだろうのう」

 中年は笑い声をあげ、若侍も追従するように笑った。

「故郷の念者の名を言えば、すぐに解いてやるぞ?」

「……」

「これはこれは、根競べをしたいのかな?」

「……」

「夜は長い。儂は焦らぬ。いつまで苦しむかは、お前次第だ」

 仙千代は、乳首を噛む竹ばさみを引っ張られ、膝立ちのまま、痛みに呻くしかない。

 少しでも体が動けば、乳首に激痛が走るからだ。

 目隠しをする布にはすでに涙がにじんでいたが、くちびるは固く引き結ばれている。

 ──蔵人……。

 誰にも仙千代を汚すことはできないと、蔵人は言った。

 仙千代にとって、蔵人への想いは、誰にも汚すことのできない──いや、汚れさせてはならない聖域だった。

 この聖域を踏むにじられたら、もう生きていけないとさえ思った。
しおりを挟む
感想 12

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

アイドルグループの裏の顔 新人アイドルの洗礼

甲乙夫
恋愛
清純な新人アイドルが、先輩アイドルから、強引に性的な責めを受ける話です。

カテーテルの使い方

真城詩
BL
短編読みきりです。

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

ナースコール

wawabubu
青春
腹膜炎で緊急手術になったおれ。若い看護師さんに剃毛されるが…

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

処理中です...