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第11章 虐待
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緊張するな、力を抜けと言われても、恐怖に圧倒された体は自然に身構えてしまう。
近くでは、みしみしと忙しなく縄のきしむ音と、後門に山芋を咥え込んで吊るされたお雪が、激しく悶絶する嗚咽が聞こえる。
恐怖に凍りつく意識の片隅で、ここは色地獄どころか、拷問場だと思った。
あんな異形めいた巨根を挿入されて、己が生きて帰れる保証もない。
仙千代は瞑想をする時のように、可能なかぎり恐怖から目をそらし、心を無にしようと努めた。
客の男根の先端が、菊門をこじあけて入ってくる。
粘膜が引き裂かれる音が、メリメリと聞こえるような気がした。
「ああっ!」
早くも仙千代は痛みに悲鳴を上げる。
「いやっ、あ、ああ……ひぃっ!」
引き裂かれるような激痛と圧迫感に、視界が真っ赤に染まる。
無意識のうちに体がのたうちまわり、仙千代の両膝を押さえつける客の手に力がこもった。
「お仙ちゃん、息をつめないで」
佐吉の助言は、もはや仙千代に届かなかった。
「ひっ……いや、あぁっ、アアアアァァァ──ッ!」
仙千代は目を見開き、大きすぎるもので後門を抉じ開けられる苦痛に絶叫した。
「ほら、いちばん太いところが入ったぞ」
巨大な亀頭を飲み込んだ菊門は、くちびるが限界まで伸びきって、かすり傷のような細かな裂傷が無数に走り、血が滲んでいた。
「ここまでなら、なんとか受け入れられる穴はある。しかし──」
客は両手で仙千代の腰をわしづかみにすると、狭いところにギリギリと力ずくで捩じ込んだ。
「ギャアアアアアアアッ!」
まるで腹の中の内臓を押し潰しながら楔が打ち込まれるような苦痛に、仙千代は細い首をのけぞらせ、背は弓なりになる。
「皆、ここで我慢できなくなる」
客は、全身を硬直させてビクビクと痙攣する仙千代を見下ろした。
「お雪も初めての時は、ここで失神したものだが……さすがは会津藩士の子、まだ意識がある。大したものだ」
低く笑うと、客は腰を引いた。
「ヒィィ──」
後門から内臓が裏返るような感覚に、仙千代は呻いた。
「こいつは堪えられそうだな」
客は腰を前後に動かした。
その動きに合わせて、仙千代は絶叫した。
これまで、この客の常軌を逸した大きさのものを、なんとか入れることまでは出来ても、抜き差しされる苦痛に堪えられる蔭間はいなかった。
蔭間の苦痛は無視したとしても、多くの場合、菊門の筋や直腸の内部が切れて、客を取れない体になってしまうのだ。
そうやって彼は、幾人もの蔭間を廃業に追い込んだ末に、川上屋以外の蔭間茶屋からは出入りを断られていた。
無論、商品を壊された茶屋の亭主らが黙っているはずはなく、はじめのうちは、彼が壊した蔭間を買い取ることで、責任を取っていた。
しかし、どこからともなく、身請けした蔭間を痛めつけ、なぶり殺しにしていると噂が立ち、彼に蔭間を売る茶屋はなくなってしまった──川上屋を除いては。
近くでは、みしみしと忙しなく縄のきしむ音と、後門に山芋を咥え込んで吊るされたお雪が、激しく悶絶する嗚咽が聞こえる。
恐怖に凍りつく意識の片隅で、ここは色地獄どころか、拷問場だと思った。
あんな異形めいた巨根を挿入されて、己が生きて帰れる保証もない。
仙千代は瞑想をする時のように、可能なかぎり恐怖から目をそらし、心を無にしようと努めた。
客の男根の先端が、菊門をこじあけて入ってくる。
粘膜が引き裂かれる音が、メリメリと聞こえるような気がした。
「ああっ!」
早くも仙千代は痛みに悲鳴を上げる。
「いやっ、あ、ああ……ひぃっ!」
引き裂かれるような激痛と圧迫感に、視界が真っ赤に染まる。
無意識のうちに体がのたうちまわり、仙千代の両膝を押さえつける客の手に力がこもった。
「お仙ちゃん、息をつめないで」
佐吉の助言は、もはや仙千代に届かなかった。
「ひっ……いや、あぁっ、アアアアァァァ──ッ!」
仙千代は目を見開き、大きすぎるもので後門を抉じ開けられる苦痛に絶叫した。
「ほら、いちばん太いところが入ったぞ」
巨大な亀頭を飲み込んだ菊門は、くちびるが限界まで伸びきって、かすり傷のような細かな裂傷が無数に走り、血が滲んでいた。
「ここまでなら、なんとか受け入れられる穴はある。しかし──」
客は両手で仙千代の腰をわしづかみにすると、狭いところにギリギリと力ずくで捩じ込んだ。
「ギャアアアアアアアッ!」
まるで腹の中の内臓を押し潰しながら楔が打ち込まれるような苦痛に、仙千代は細い首をのけぞらせ、背は弓なりになる。
「皆、ここで我慢できなくなる」
客は、全身を硬直させてビクビクと痙攣する仙千代を見下ろした。
「お雪も初めての時は、ここで失神したものだが……さすがは会津藩士の子、まだ意識がある。大したものだ」
低く笑うと、客は腰を引いた。
「ヒィィ──」
後門から内臓が裏返るような感覚に、仙千代は呻いた。
「こいつは堪えられそうだな」
客は腰を前後に動かした。
その動きに合わせて、仙千代は絶叫した。
これまで、この客の常軌を逸した大きさのものを、なんとか入れることまでは出来ても、抜き差しされる苦痛に堪えられる蔭間はいなかった。
蔭間の苦痛は無視したとしても、多くの場合、菊門の筋や直腸の内部が切れて、客を取れない体になってしまうのだ。
そうやって彼は、幾人もの蔭間を廃業に追い込んだ末に、川上屋以外の蔭間茶屋からは出入りを断られていた。
無論、商品を壊された茶屋の亭主らが黙っているはずはなく、はじめのうちは、彼が壊した蔭間を買い取ることで、責任を取っていた。
しかし、どこからともなく、身請けした蔭間を痛めつけ、なぶり殺しにしていると噂が立ち、彼に蔭間を売る茶屋はなくなってしまった──川上屋を除いては。
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