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第4章 揚げ屋

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「ああ! ご、五十人……くらいです……!」

 菊座を抉られるような痛みに、仙千代は悲鳴をあげる。

「五十人だと!」

 客は笑い声をあげながら、背後にいる家臣を振り向いた。

「これは驚いた。こいつはここに五十本もの肉棒をくわえこんだのか。かわいい顔をして、たいしたものだ」

 いきなり男根を突っ込むような野暮な真似はしないかわりに、ねちねちと責めたて、嘲笑を浴びせる。

 仙千代は、顔もわからぬこの客が怖かった。

 ちょんの間の客のほうがマシだと思った。

「短い間に五十人もの男に使い込まれたとあっては、ここもさぞ痛かろうのう」

 客は仙千代の尻に唾液を吐き、二本目の指を挿入した。

 仙千代は尻を震わせて痛みに耐える。

「指を吸い込むように蠢いておる」

 指をゆっくり抜き差ししながら、客は言った。

「もしかすると、これは名器かも知れぬのう」

 再度つばを吐くと、中指と薬指を挿入したまま、そこに人差し指を追加した。

「う……うう……」

 傷ついた菊座を拡げられる痛みに、仙千代は呻く。

 目隠しをする手拭いが吸収しきれなかった涙が、褥を濡らした。

「どれ、だいぶ拡がっただろう」

 客は指を引き抜いた。

「お前が吐き出してしまったから、ふのりはなしだ」

 その言葉に、仙千代はビクリとした。

「ただし、唾で濡らすのは許してやろう」

 客は仙千代の前髪をつかむと顔を上げさせる。

「舌を使って、唾をぬりなさい。舌だけでな」

 仙千代のくちびるに男根を押し当てて、客は酷薄な微笑を浮かべた。
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