色地獄 〜会津藩士の美少年が男娼に身を落として〜 18禁 BL時代小説【完結】

第４章 揚げ屋

７

　客は、左腕を仙千代の肩にまわして抱き寄せると、涙で濡れた目隠しの上に接吻した。

「こんなに涙を流して……さぞかし痛いのだろう、のう」

　自分で痛めつけておきながら、同情するように耳元でささやくと、仙千代の口に己の口を重ねた。

　客は、仙千代の舌を吸いながら、右手を着物の下に滑り込ませ、全身を強張らせて痛みに耐える仙千代の太ももやまたぐらをまさぐった。

　そうしながら、ときおり、乳首を嚙む竹ばさみを指先で弾く。

「んんっ！」

　舌を嚙まれ、口をふさがれている仙千代は、くぐもった呻き声をあげて痛みに身をよじらせた。

「お願い、堪忍して……乳首が千切れそう……！」

　ようやく口を解放されると、仙千代は泣きながら哀願した。

　しかし、客はふたたび仙千代の口を口で塞ぐと、吸った舌に歯を立てるような深い口吸いと、ついばむような軽い接吻、痛みに震える肉体を慈しむような優しい愛撫と、竹ばさみへの残酷な刺激をくりかえした。

　はぐらかすような前戯と、乳首を苛む絶え間ない痛み。

　そして、いつ起きるかわからない竹ばさみを弾かれる激痛の恐怖に仙千代は翻弄され、全身に冷たい汗をかいて震えている。

　客はいちぶのりを取り出して、口に入れた。
　口の中で唾と混ぜあわせてどろどろに溶かすと、口移しで仙千代の口に含ませる。

「飲んではならぬぞ」

　そういうと、仙千代の口に自分の指を入れ、舌で舐めさせ、溶けたふのりを指に絡ませた。

「佐吉」

　客は目で合図をした。

　それだけで佐吉は客の要望を察して、後ろ手に縛られた仙千代を褥の上へと導いた。

　そして、両膝と肩、左頬を褥につけて、尻を高く上げた姿勢にし、下帯を取った。

　客は仙千代の後ろに立つと、さらけだされた菊座に、指をズブリと埋めた。