色地獄 〜会津藩士の美少年が男娼に身を落として〜 18禁 BL時代小説【完結】

丸井マロ

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第4章 揚げ屋

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「こっちに来なさい」

 男が立ち上がり、座敷の奥にある襖を開ける音がした。

 視界を塞がれた仙千代は、佐吉に手を取られて歩いて行く。

 奥の部屋は、すでに床が整えられ、もう一人、中年の武士が褥の上で胡坐をかいていたが、仙千代には見えなかった。

「失礼いたします」

 佐吉に促されるまま、仙千代は布団の手前に座った。

「殿、かなりの上玉でございます。きっとお気に召されるかと存じます」

 背後から、若い男の声がした。

「後ろ手に縛れ」

 見知らぬ男の声。

「はっ」

 ふいに仙千代は腕をつかまれて背中にまわされると、手拭いのようなもので手首を縛られた。

「佐吉……?」

 仙千代は両手の自由を奪われて、不安のあまり声を漏らすが、

「しっ」

 佐吉に黙っているように促された。

 顔も知らない客が、仙千代の隣に来た。

 仙千代は目隠しをされているせいで、視覚以外の感覚は研ぎ澄まされていた。

 客の鼻息を、首に感じる。

 なにをされるのだろうと考えていると、客は右手を衿元から差し入れ、長襦袢の上から左の乳首に触れた。

「痛っ!」

 仙千代は反射的に身をよじった。

「軽く触れただけだぞ?」

「乳首が腫れてるんです」

 佐吉が助け船をだした。

「乳首が腫れてる?」

 客は仙千代の長着と長襦袢を大きくはだけ、裸の胸元を露出させた。

「ほう……まことに赤く腫れておる」

 客は右手の人差し指を舐めて唾をつけると、指先で乳首をなでた。

「……ッ!」

 またしても、仙千代は痛みのため、反射的に身をよじる。

 しかし、客は左手で仙千代の肩を強く抱き寄せ、腫れた乳首を摘まんだ。

「動くと、もっと痛い思いをするぞ?」

 痛みに体を強張らせる仙千代の耳に、客はささやいた。
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