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第1章 川上屋

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 その見下ろす先では、仙千代が淫らに肉体をくねらせていた。

 全身はじっとりと汗ばみ、本来は磁器のように白い素肌は、桜色に火照っている。

 高く上げられた尻は、まるで男のものを欲しがるように、いやらしく動いていた。

「お珍宝が欲しいんだろ?」と、権兵衛。

「はい……」

「じゃあ、そう言うんだ」

「お、おちんぽうが……欲しいです……」

 仙千代は、震える声を絞り出した。

「上のお口でおしゃぶりしたいのか?」

「は、はい……」

「誰のなにを、誰のどこでどうしたいのか言ってみろ」

「旦那さまの、おちんぽうを……私の、上の口で……しゃぶらせてください……」

「ようし、いい子だ。ご褒美をくれてやろう」

 主は小袖の前をめくり男根を取り出すと、その先を仙千代のくちびるに押し当てた。

 仙千代は困惑して、主を見上げた。

 この時代、口腔性交は「口取り」と呼ばれて存在してはいたが、もっぱら遊女や蔭間などの玄人が行う特殊な床技であり、武家社会では一般的ではなかった。

「ふん、お上品ぶりやがって」

 主は硬くなった男根で仙千代の頬をペシペシと打った。

「口を大きく開けてみろ。大きくな」

 仙千代は言われたとおりにした。

「いいか、よく聞け、お前の口に肉棒を突っ込むから、くちびるだけをすぼめてそれをこするんだ。絶対、歯を当てるんじゃねぇぞ。いいな?」

 そう言うと、主は仙千代の前髪をつかみ、その口腔に男根を入れた。

「くちびるに力を入れて……そうだ、くちびるで締めつけて、首を動かして雁首を擦れ」

 主は仙千代の前髪をつかんだ手を、規則的に前後に動かした。

「そうだ……いいぞ、上手いじゃないか」

 仙千代の口の中で、主のそれは一段と硬さを増した。

 しかし今、主はあくまで売春宿の亭主としての仕事をしており、性欲の解消を目的とはしていない。

 そこで彼は、仙千代の口腔を解放すると、印籠から一口大の紙切れのようなものを取り出した。
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