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序章 最後の夜
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「離したくない」
蔵人は仙千代を抱き寄せ、くちびるを重ねた。
仙千代は口腔に入ってきた舌に、己の舌をからませる。
「む……うん……」
もうこれが最後かと思うと、若い二人はどれだけ求め合っても満ち足りることはなかった。
蔵人は仙千代を後ろから抱きしめ、すでに一度果てた男根を仙千代の菊座に挿したまま、仙千代の首をのけぞらせて舌を飲むような口吸いを交わす。
仙千代の内部は熱くとろけ、蔵人の陰茎を扱くように肉襞が蠢いた。
「んん……」
そうやって口唇で交わっていると、蔵人の男根は仙千代の中でピクピクと脈打ち、ふたたび力を取り戻していく。
「あぁ……」
長い長い接吻のあと、ようやく口唇を解放された仙千代は、切ない吐息をもらした。
「蔵人、私を滅茶苦茶にしてくれ……二度とそなたを忘れられぬように……」
「仙……!」
「ああっ!」
蔵人が後ろから突き上げると、仙千代は短い声をあげた。
「もっと、もっとそなたを感じたい……」
二人は交わったまま、蔵人は相手を褥の上に四つん這いにさせた。
「よいか、仙?」
蔵人の問いかけに、少年はうなずいた。
その細い腰骨をつかむと、蔵人は腰を前後に動かした。
「はぁ、ああっ、あ、ああ──!」
蔵人の動きに合わせて、仙千代の肉体は揺れる。
いつもなら、できるかぎり声を出すまいと堪えている仙千代が、今日は悲鳴のような声をあげて激しく乱れた。
こんなにも、あられもない姿を見せるのは、初めてだった。
行為が終わると、蔵人は相手の頬を濡らす涙を、指先でやさしく拭いてやった。
「蔵人……」
仙千代は腕を伸ばし、なおも蔵人の抱擁を求めてしがみついてくる。
「仙……」
最後の逢瀬。
最後の夜。
──このまま夜が続けばいいのに……。
生木を引き裂くような別れを前に、二人は夜が明けるまで肌を重ね合わせていた。
蔵人は仙千代を抱き寄せ、くちびるを重ねた。
仙千代は口腔に入ってきた舌に、己の舌をからませる。
「む……うん……」
もうこれが最後かと思うと、若い二人はどれだけ求め合っても満ち足りることはなかった。
蔵人は仙千代を後ろから抱きしめ、すでに一度果てた男根を仙千代の菊座に挿したまま、仙千代の首をのけぞらせて舌を飲むような口吸いを交わす。
仙千代の内部は熱くとろけ、蔵人の陰茎を扱くように肉襞が蠢いた。
「んん……」
そうやって口唇で交わっていると、蔵人の男根は仙千代の中でピクピクと脈打ち、ふたたび力を取り戻していく。
「あぁ……」
長い長い接吻のあと、ようやく口唇を解放された仙千代は、切ない吐息をもらした。
「蔵人、私を滅茶苦茶にしてくれ……二度とそなたを忘れられぬように……」
「仙……!」
「ああっ!」
蔵人が後ろから突き上げると、仙千代は短い声をあげた。
「もっと、もっとそなたを感じたい……」
二人は交わったまま、蔵人は相手を褥の上に四つん這いにさせた。
「よいか、仙?」
蔵人の問いかけに、少年はうなずいた。
その細い腰骨をつかむと、蔵人は腰を前後に動かした。
「はぁ、ああっ、あ、ああ──!」
蔵人の動きに合わせて、仙千代の肉体は揺れる。
いつもなら、できるかぎり声を出すまいと堪えている仙千代が、今日は悲鳴のような声をあげて激しく乱れた。
こんなにも、あられもない姿を見せるのは、初めてだった。
行為が終わると、蔵人は相手の頬を濡らす涙を、指先でやさしく拭いてやった。
「蔵人……」
仙千代は腕を伸ばし、なおも蔵人の抱擁を求めてしがみついてくる。
「仙……」
最後の逢瀬。
最後の夜。
──このまま夜が続けばいいのに……。
生木を引き裂くような別れを前に、二人は夜が明けるまで肌を重ね合わせていた。
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