スキル運で、運がいい俺を追放したギルドは倒産したけど、俺の庭にダンジョン出来て億稼いでます。～ラッキー～

第43話 豚肉のレアはダメらしいです。

冒険者ギルドの帰り、前に厚切りの豚肉を買ったお肉屋さんに寄った。
　お肉屋さんに貼られている『ヒレ肉とロースと牛肉の三種売り始めました』と言う広告に引かれて、俺たちは広告の品を買って帰った。

「いや、意外に安かったな。」
「はい。私が今日の晩御飯を作るので、佐藤さんはゴロゴロと待機していてください。」
「僕も手伝うよ」
「助かります。」

２人は、スーパーで必要な材料を購入した。俺も、新刊の『実力者』と言う中二病心をくすぐる内容の漫画を買った。
　スーパーに本が売っていないだろ、っと思う人も居るかもしれないが、田舎は本屋とスーパーが合体している所があるのだ。

家に帰ると、２人は俺の台所に向かい早速料理を始めるようだ。

「何を作るんだ～」

俺は、ミツキに尋ねた。

「はい、ヒレ肉とロースと牛肉の三種全部を揚げようと思います。」
「へえ～俺も、豚肉を8cmと言う極厚トンカツ作ったことあるな～中はレアだったが美味しかったぞ～」
「え？」

佐々木さんが驚いた声を出した。

「君は、豚肉を舐めているのか？」
「え？」
「十分加熱されていない状態で豚肉や内臓を食べるのは、E型肝炎ウイルス感染や食中毒のリスクがあり大変危険があるんだよ！！」
「え、そうなの。」
「そうだよ。佐藤くんの運が良かっただけで、食中毒とか起こすからこれからは気おつけなよ。」
「はい」

俺は反省した。
レア肉とかあるので、大丈夫だろうと食べていたがどうやら危険もある事が分かった。

「そうですね、ミツキが思うに極厚トンカツといえど半分の4cmくらいまでがちょう良いと思います。それ以上厚いと火が通らないから美味しく出来ないかもしれないです。なので、今度ミツキが極厚トンカツ作ってあげます。」
「ありがとう。」

ミツキは、揚げる準備などをしながらアドバイスをくれた。
　昔は、俺の方が料理出来ると思っていた。
だけど、今はミツキの方が料理が上手だと認めている。

そんな事を話していると、台所から『ジュ―パチパチパチ』と揚げる音が聞こえ、とても心地よくお腹を空かす音だ。

俺が漫画を読み終えたときには、揚げ物が全部できていた。
　ヒレ肉とロースと牛肉は、一人３枚づつと合計９個と豪華な夜ごはん。
佐々木さんは、ピーラーでキャベツのみじん切りとごはんのスイッチを押すだけで途中から俺の本を横から見ていた。

「「「いただきま～す」」」

俺は、まず俺はヒレ肉をミツキが作った特製ソースにくぐらせ口に運んだ。
　柔らかなヒレ肉を衣に包み、心躍る期待感で揚げた。香ばしい油の匂いが部屋中に広がる中、一口かみしめると、肉の柔らかさが口いっぱいに広がった。繊細な肉質が舌の上でとろけ、衣のサクサクとした食感が心地良い対比を生んだ。旨みがじんわりと広がり、この特製ソースは少し辛めに作ってあり更にヒレ肉の美味しさを引き立て味蕾を魅了する。この美味しさに、俺は自然と微笑みがこぼれる。

ヒレ肉の次にロースだ。
　衣のカリカリ感とロースの肉汁が凝縮されたジューシーさとの調和が、舌を興奮させた。ソースの辛さが舌を刺激し、一瞬息を飲むが、すぐにその辛さが肉の旨みと絡み合い、口の中に広がる。辛味が口の中に残りつつも、ロースの贅沢な肉質が舌を包み込む。刺激的な辛さと肉の深い味わいが、一口ごとに舌を魅了した。

ご飯が進んでしまい、もうご飯が足りない。

　普段なら俺は２杯目のおかわりをしないが、おかわりをして、牛肉を食べることにした。辛味の特性ソースにくぐらせた揚げ牛肉を頬張る。衣のヒヤッとした熱さと肉のジューシーさが、辛さと共鳴する。ソースの辛味が舌を刺激し、口の中に広がる一方で、牛肉の旨みもじんわりと広がっていく。舌が辛さと旨味の快楽に包まれ、全身に広がる興奮感がたまらない。ソースの辛さが牛肉の深い風味と相まって、口の中で一体化する瞬間は、何度も繰り返したくなるほどの快感だった。


俺は、満腹になり満足した。
　ちなみに、キャベツもしっかり食べた。