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23話

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(え...ゾビ男がゾンビじゃない...?)

俺は、顔の鎧が壊れたゾビ男の顔がゾンビではない生きているエルフだったことに衝撃を受けた。

「ゾ、ゾビ男はゾンビじゃないの?」
「ああ、そうだ」

ゾビ男に問いかけるといつもアーしか言わなかったゾビ男が喋った。

「じゃあ、エルフが言っていたことは...」
「嘘じゃない。俺は、エルフの王であるエール・ヨタだ。俺は、エナに近づくためにゾンビのふりをしてあの城に居た。」

「だ、だけど、王様はメレッタって言う女性に惚れて、エナさんの事を国外追放と死刑としてエナさんを追っている最低なエルフじゃ...」

俺が、ゾビ男にエルフの王様が最低な奴だと、言うとゾビ男は頷き否定はしなかった。

「ああ、そうだ。俺も、メレッタに何故か惚れていた。自分でも気づかないくらいに。俺は、メレッタに合うまでは、エナの事を本気で愛していた。しかし、俺はいつの間にかメレッタの魅了の魔法で俺は操られていたんだ。気づいた時には、エナは俺のもとから離れて、エナはいつの間にか国外追放と死刑が言い渡されて追われる身になっていた。」

「え?」

王様のヨタはメレッタに魔法で魅了され言いなりになっていたと言う。これが、言い訳なのかどうかは分からない。

だけど、最低な事をしたのは事実。それなのに、何故エナさんの近くに居るのか分からない。
そんな、最低な事をしてよくエナさんに近づくことが出来るなと、怒りがこみあげてくる。
だけど、俺を助けてくれたのは事実なので、優し目にエナさんの近くにいる理由を聞いた。

「どうして、ゾンビのふりまでしてエナさんに近づくの。魔法に操られているからって最低な事をしたんだよ。」

俺は、エナさんの悲惨な過去を知っているため、つい口調が強くなってしまう。
ゾン男は重い顔をして教えてくれた。

「それは、そうかもしれない。だけど、これは償いだよ。俺は、エナを傷つけた。そして、エナを命が狙われる存在にしたのも俺だ。だから、俺はエナを守るためにこの姿になりエナを守り続け、身の回りの事を手伝っている。だけど、これで許されるとは思っていない。」

「じゃあ、どうしてエナさんの国外追放と死刑を取り消してくれないの!!エルフの王様なんでしょ!!」

「ああ、だか俺はもう、王様としての権力はゼロに等しい。王国はメレッタの魅了の魔法でほとんどがメレッタの言う事しか聞かなくなっている。だから、今さな俺が王国に戻ったとしても、ただ捕まりメレッタと強制的に結婚させられるだけだ。」


エルフの国は、どうやらメレッタの魅了の魔法でメレッタの命令しか聞かない独裁国家のような国になっているようだ。ただの、平民だったエルフの女性がここまで国を侵略したと思うと凄さよりも恐怖の方が上回る。もう、お時話の魔王のような存在に思えてきた。

「じゃあ、どうしてゾビ男じゃなくて、ヨタは魅了魔法から脱出できたの。魅了魔法にかかってたんでしょ?」

俺はエルフの王様だと分かったが、魅了で操られていたとしてもエナさんに酷いことをしたクズ王子なので、呼び捨てで呼んだ。

「ああ、それは俺が王様であったことが幸いしたんだと思おう。代々王族は魔力が強い、だから魔力量が多いおかげで魅了魔法の効力が薄れて解けたんだと思う。俺は解けてすぐに、エナの事について調べてエルフの国を出たってわけだ。」

「じゃあ、これからどうするの?俺にヨタの正体ばれたけど」

「それは、俺はこのままゾビ男として置いてくれないか?俺はエナに償いをしなければいけい。だから、エナには黙って欲しい」

エルフの王様であったヨタに頭を下げられてしまった。
俺を助けたから、体中傷ついて顔の鎧が壊れた。
だから、渋々俺はエナさんには、黙ってあげることにした。

「わかった。エナさんには黙っておいてあげる。だけど、エナさんを今度悲しませたら俺がゾビ男をボコるからな」
「ああ、それでいい」

俺は力が無くなり、ボコる力もない。
それは、ゾビ男にもわかっているが了承してくれた。

エナさんの居る城に帰るのだが、もう夜が遅くなりエナさんが心配しているのでゾビ男には、まだやっている店で安い顔の鎧を買い帰った。
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