上 下
1 / 4

1話

しおりを挟む
魔女は、国で雇われている薬師である。
魔女は、魔法と言う普通の人間では使えない不思議な力がある。
そのせいで、魔女は昔は恐れられて、迫害や残虐な行為をされていたが、昔の王様、ダージリン・プラ・ニケスという男が魔女に対する迫害などの行為を禁じ今では、魔女の不思議な力を薬を作る薬師として働くようになり、魔女にも生きやすい国になった。

そんな私は、ダージリン・プラ・ニケスの人に感謝を表すために、ここで薬師として働いているのだが...

私は余り、魔法などが得意ではない方なのでなかなか上手くお薬を作ることができない。

そんな私を雇ってくれている国のためにも頑張ろうとしているのだが、爆発したり、毒ガスを作ったり、虹色に発光する何かを作ったりと、まともなお薬を作った事がないのです。

「また、あのオグリが変な物を作ったらしいわよ。」

「また~、今度はどんなのを作ったのよ」

「さあ~わかんないけど惚れ薬でも作ったんじゃないの~」

「まさか~そんなの作ったら犯罪じゃん」

「まあね~」

廊下でコソコソと同僚の人に噂されている。
惚れ薬は、この国では禁止されている。

昔、一人の魔女が王様を恋に堕とそうと惚れ薬を作り国を混乱させようとしたらしく、調合法などは禁止されているのだが...私は本の通りに回復薬ポーションと言う液体の飲み薬を作っていたハズなのだけど...

何故か、ポーションではなく惚れ薬が出来てしまった。

ーーーどこで調合を間違ったの?

魔女には鑑定と言う能力があるので、私はその鑑定を使うと回復薬ではなく『惚れ薬』と文字表記されていた。


「ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ、どうしよう、どうしよう!!」


私はかなり焦ってしまっている。
その、禁止された惚れ薬を間違って作ってしまった。
どうすればいいのか、液体の惚れ薬が入った瓶を持ちながらウロウロして考えている。

ー--部屋の外では、同僚の噂しいるし、むしろ毒とか爆発とかの方がましだよ!!

そんなことを心の中で叫びながら、部屋でウロウロしている。

しかし、隠すにしても私の部屋は隠す場所が無いし、捨てるにしても誰かが見られてしまうと怪しまれるし...

ー--どこかいい場所はないか...

そう考えていると、部屋に誰かがドアをノックする音がした。

「大丈夫か~?毒消しとか要るか?」

ー--ターニャ先輩だ。もしかし、私が毒で倒れていると思って心配して来てくれた?

昔、私は薬の調合で毒ガスが発生して動けなくなったことがあってしまい、危ない状態になったことがある。私が薬を調合するときには、先輩が心配して、たまに私の部屋に毒消し薬を持って様子を見に来てくれる面倒見のいい先輩である。

だけど、今日だけは来て欲しくなかった。優しい先輩なのは分かる。分かるけど...今日だけは来ないで欲しかった!!


ー--ヤバイ、もし部屋の中に入られたりすれば...惚れ薬を誤って作ったことがばれてしまう!!

「居ないの?」

私は先輩が今にも私の部屋に入って来そう。
なので、私は決意をした。
この部屋の窓から脱出して、だれも通らない場所で惚れ薬を捨てると。

部屋の出入り口には先輩が待っている。

ー-この窓から飛び降りるしかない...

この部屋は二階でそれほど高くはない。
だから大丈夫なはず。

意を決して、咄嗟にポケットに惚れ薬入りのピンク色の瓶をポケットの中に入れた後、窓の扉を開け二階から飛び降りた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。

鶯埜 餡
恋愛
 ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。  しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが

【完結】引きこもり令嬢は迷い込んできた猫達を愛でることにしました

かな
恋愛
乙女ゲームのモブですらない公爵令嬢に転生してしまった主人公は訳あって絶賛引きこもり中! そんな主人公の生活はとある2匹の猫を保護したことによって一変してしまい……? 可愛い猫達を可愛がっていたら、とんでもないことに巻き込まれてしまった主人公の無自覚無双の幕開けです! そしていつのまにか溺愛ルートにまで突入していて……!? イケメンからの溺愛なんて、元引きこもりの私には刺激が強すぎます!! 毎日17時と19時に更新します。 全12話完結+番外編 「小説家になろう」でも掲載しています。

5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?

gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。 そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて 「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」 もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね? 3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。 4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。 1章が書籍になりました。

本の虫令嬢は幼馴染に夢中な婚約者に愛想を尽かす

初瀬 叶
恋愛
『本の虫令嬢』 こんな通り名がつく様になったのは、いつの頃からだろうか?……もう随分前の事で忘れた。 私、マーガレット・ロビーには婚約者が居る。幼い頃に決められた婚約者、彼の名前はフェリックス・ハウエル侯爵令息。彼は私より二つ歳上の十九歳。いや、もうすぐ二十歳か。まだ新人だが、近衛騎士として王宮で働いている。 私は彼との初めての顔合せの時を思い出していた。あれはもう十年前だ。 『お前がマーガレットか。僕の名はフェリックスだ。僕は侯爵の息子、お前は伯爵の娘だから『フェリックス様』と呼ぶように」 十歳のフェリックス様から高圧的にそう言われた。まだ七つの私はなんだか威張った男の子だな……と思ったが『わかりました。フェリックス様』と素直に返事をした。 そして続けて、 『僕は将来立派な近衛騎士になって、ステファニーを守る。これは約束なんだ。だからお前よりステファニーを優先する事があっても文句を言うな』 挨拶もそこそこに彼の口から飛び出したのはこんな言葉だった。 ※中世ヨーロッパ風のお話ですが私の頭の中の異世界のお話です ※史実には則っておりませんのでご了承下さい ※相変わらずのゆるふわ設定です ※第26話でステファニーの事をスカーレットと書き間違えておりました。訂正しましたが、混乱させてしまって申し訳ありません

私を幽閉した王子がこちらを気にしているのはなぜですか?

水谷繭
恋愛
婚約者である王太子リュシアンから日々疎まれながら過ごしてきたジスレーヌ。ある日のお茶会で、リュシアンが何者かに毒を盛られ倒れてしまう。 日ごろからジスレーヌをよく思っていなかった令嬢たちは、揃ってジスレーヌが毒を入れるところを見たと証言。令嬢たちの嘘を信じたリュシアンは、ジスレーヌを「裁きの家」というお屋敷に幽閉するよう指示する。 そこは二十年前に魔女と呼ばれた女が幽閉されて死んだ、いわくつきの屋敷だった。何とか幽閉期間を耐えようと怯えながら過ごすジスレーヌ。 一方、ジスレーヌを閉じ込めた張本人の王子はジスレーヌを気にしているようで……。 ◇小説家になろうにも掲載中です! ◆表紙はGilry Drop様からお借りした画像を加工して使用しています

【完結】白い結婚成立まであと1カ月……なのに、急に家に帰ってきた旦那様の溺愛が止まりません!?

氷雨そら
恋愛
3年間放置された妻、カティリアは白い結婚を宣言し、この結婚を無効にしようと決意していた。 しかし白い結婚が認められる3年を目前にして戦地から帰ってきた夫は彼女を溺愛しはじめて……。 夫は妻が大好き。勘違いすれ違いからの溺愛物語。 小説家なろうにも投稿中

【本編完結】婚約破棄されて嫁いだ先の旦那様は、結婚翌日に私が妻だと気づいたようです

八重
恋愛
社交界で『稀代の歌姫』の名で知られ、王太子の婚約者でもあったエリーヌ・ブランシェ。 皆の憧れの的だった彼女はある夜会の日、親友で同じ歌手だったロラに嫉妬され、彼女の陰謀で歌声を失った── ロラに婚約者も奪われ、歌声も失い、さらに冤罪をかけられて牢屋に入れられる。 そして王太子の命によりエリーヌは、『毒公爵』と悪名高いアンリ・エマニュエル公爵のもとへと嫁ぐことになる。 仕事を理由に初日の挨拶もすっぽかされるエリーヌ。 婚約者を失ったばかりだったため、そっと夫を支えていけばいい、愛されなくてもそれで構わない。 エリーヌはそう思っていたのに……。 翌日廊下で会った後にアンリの態度が急変!! 「この娘は誰だ?」 「アンリ様の奥様、エリーヌ様でございます」 「僕は、結婚したのか?」 側近の言葉も仕事に夢中で聞き流してしまっていたアンリは、自分が結婚したことに気づいていなかった。 自分にこんなにも魅力的で可愛い奥さんが出来たことを知り、アンリの溺愛と好き好き攻撃が止まらなくなり──?! ■恋愛に初々しい夫婦の溺愛甘々シンデレラストーリー。 親友に騙されて恋人を奪われたエリーヌが、政略結婚をきっかけにベタ甘に溺愛されて幸せになるお話。 ※他サイトでも投稿中で、『小説家になろう』先行公開です

【完結】番である私の旦那様

桜もふ
恋愛
異世界であるミーストの世界最強なのが黒竜族! 黒竜族の第一皇子、オパール・ブラック・オニキス(愛称:オール)の番をミースト神が異世界転移させた、それが『私』だ。 バールナ公爵の元へ養女として出向く事になるのだが、1人娘であった義妹が最後まで『自分』が黒竜族の番だと思い込み、魅了の力を使って男性を味方に付け、なにかと嫌味や嫌がらせをして来る。 オールは政務が忙しい身ではあるが、溺愛している私の送り迎えだけは必須事項みたい。 気が抜けるほど甘々なのに、義妹に邪魔されっぱなし。 でも神様からは特別なチートを貰い、世界最強の黒竜族の番に相応しい子になろうと頑張るのだが、なぜかディロ-ルの侯爵子息に学園主催の舞踏会で「お前との婚約を破棄する!」なんて訳の分からない事を言われるし、義妹は最後の最後まで頭お花畑状態で、オールを手に入れようと男の元を転々としながら、絡んで来ます!(鬱陶しいくらい来ます!) 大好きな乙女ゲームや異世界の漫画に出てくる「私がヒロインよ!」な頭の変な……じゃなかった、変わった義妹もいるし、何と言っても、この世界の料理はマズイ、不味すぎるのです! 神様から貰った、特別なスキルを使って異世界の皆と地球へ行き来したり、地球での家族と異世界へ行き来しながら、日本で得た知識や得意な家事(食事)などを、この世界でオールと一緒に自由にのんびりと生きて行こうと思います。 前半は転移する前の私生活から始まります。

処理中です...