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第5章 女神の間にて

友理恵の場合 -2-

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 中学生友理恵さんが所属していた部活は「文芸漫画クラブ」と「ヒーローアクション部」の2つだった。

「フランちゃんのがっこう、こうりつなのに、へんなぶかつあって、おもしろいわね」
「ちゅうがくのときは、ちかくにおおきなだんちがあるばしょにすんでおりましたので、いわゆるマンモスこうでしたの。しんたいしょうがいしゃクラスもあわせると1がくねん、7クラスありまして、そのせいでぶかつのかずもにんずうも、おおかったですので」
「おおいわねぇ。わたしのとこ4クラスしかなかったわ」
「わたくしもー」
「へー。俺のトコは10クラスあったな。1クラスも男女合わせて42人とか居たから、運動会とか学年割じゃなくて、クラス縦割りした色別対抗戦形式だったもん」
「アンタ、すきそうよね。そういうぎょうじ」
「すっごいかつやくしてそう」
「いや。1年の時から運動会とスポーツ大会は、何の種目にも出れなかった。ずっと応援団で拘束されてたから」
「ええっ⁈ ときょうそうとか、きょうせいでやらされなかったの?」
「諸事情あって、出させてもらえなかった」
「ナニソレ、すっごいきになる」

 俺達が、わやわやと当時の自分達が通っていた学校やら部活やらで盛り上がっている間に映像内の中学生友理恵さんは、週1水曜最終時限で文芸漫画クラブに、週3放課後でヒーローアクション部にそれぞれ通っていて、原稿用紙に小説を書き綴っていたり、演劇のアクションにおける殺陣や壁走りなんかを披露していた。

「これが、あなたのぜんせなのか? フランソワーヌじょう」
「そうですわ」
「いまの、かわいらしくてしゅくじょなあなたからは、そうぞうもつかないな」
「あら。わたくし、ヴェスタハスラムへんきょうはくけのたたかいにゆくまえには、みなさまとごいっしょにダンジョンをはしごしておりますのよ? まほうもたんけんじゅつも、あるていどはこなせますわ」
「……これみるとなっとくのけっかよねー。フランちゃん、カーテシーだって、じくブレしないもん。たいかんのきたえかた、きそからしってて、いまもそれをいかせてるけっかなのねー」
「はい。さようでございますわ」

 アルフレッドが、何処か呆然とした調子で話しかけて来たことに友理恵さんフランソワーヌが答え、亜梨沙さんルナルリアがそれを受けて合点がいったような言葉を漏らしていた。

 やがて映像の友理恵さんは、高校へと進み「演劇部」と「アニメ研究部」どちらに入るか迷った末に後者を選択することで、本格的に小説・マンガ・アニメ・ゲームといったコンテンツにドップリと浸かり込んでいったようだった。

 この頃までは受け手側というより、完全に発信側に居るように見えた友理恵さんが、部活を通して乙女ゲームというカテゴリーに出会い、2次創作の道へと入り込み “花キミ” に出会ったのは、舞子さんと同じ、大学生時代だった。

 それまで、オタク臭ゼロだった彼女の部屋が、アルフレッドグッズで埋もれて行く様は、圧巻の一言だった。

 ベッド上の天井ポスター貼りやるよなー。

 分かる分かる。(←)

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