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第5章 女神の間にて
舞子の場合 -4-
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5386周目が終わり、エンドロールを眺めながら大学生舞子さんは、満足げに笑った。
『よしっ! これで現時点におけるエンディミオン殿下の幸せルートは確定ね! 後はアプデ来た時にもっと良さげなルートあったらそっちに変えるだけだわ! ……と、言うわけでぇ……これからはひたすら萌えるぞー!』
自分で構築したストーリー展開に満足したらしい大学生舞子さんは、そう宣言するが早いか5387周目に突入し。
『きゃあああああああああっ‼︎ エンディミオン殿下素敵ぃ! 最高ぉぉぉぉぉぉっ‼︎』
ここで漸く俺達の知ってる舞子さんのよく叫ぶ台詞とバタバタとベッド上でのたうち回る姿に到達した映像。
「アリューシャ。貴女って子は……」
この状態を見て、映像の舞子さんとアリューシャが本当に同一人物なのだと納得いったらしいランドリウス公爵夫人が、深々と溜息をついた。
その間にも映像の舞子さんはベッドの上でエンディミオン殿下萌え全開で叫んでは、のたうちまわっている。
[この後、彼女が5388周目に突入するより先にこの4人の居た世界は、大きな災害に見舞われて、一瞬で何億万人という人々が亡くなってしまったの]
「えっ⁈」
サーシャエールの言葉にエンディミオン殿下が驚きに顔を染めて俺達を見た。
親世代組からも勇者パーティ組からも注がれる視線が痛い。
「あ、でもでも! わたくしたち、なにがあってじぶんたちがしんだのか、ぜんぜんわかんないの。だから、しんぱいしないで! しんじゃったショックとかないから。ねっ?」
「そうですわね。わたくしも。げんいんはおろか、そのときにどうしんだのかすら、おぼえてはおりませんわ」
「わたしもよ」
「………」
「エルドレッド。貴方も前に話しをしてくれた時は覚えてないって言ってたわよね? どうして今は黙ってるの?」
3人の女の子達に同調しなかった俺に気づいたのは、流石と言うべきなのか、母様が1番早かった。
「うん。前は知らなかったんだけど、今は知ってるから。でもサーシャエールがそれを言わない以上、俺からは言えない。多分 “上” の許可が降りてないんだろうから」
[そうよ。これは神々の約定で知らせないことに決定しているし “あの方々” もそれで了承しているの。貴方みたいな特殊な例を除けば、本人が思い出してしまわない限り、誰にも教えることはできないわ]
「まぁ、目的考えたらそうなるよな」
「それは、お前の加護に書いてあった、特定庇護というヤツに関係している事柄なんだな?」
「うん」
父様の問いかけに俺は頷きながら短く答えを返した。
[先程も教えた通り、映像に映っている子は、アリューシャの前世である舞子という女の子なの。災害で亡くなった彼女の魂をわたくしが引き受けて、アリューシャとしてこの世界で生まれ変わってもらったのだけれど、特例庇護の内容は、それを反映したものになっているのよ]
「……うん。わかる。あのこ、アリィが、あらぶってるときとおなじことしてたもんね……」
荒ぶってるって。
その表現、誰に教わったエンディミオン殿下。
「だって! ぜんせのゲームで、だれよりもわたしがすきになったおとこのこが、エンディミオンでんかだったのよ⁈ でも、こうしてうまれかわってきて、わたしじしんがであったエンディは、ゲームより、もっともっとステキなおとこのこだったんだもの。むかしもいまも、だいすきってさいだいげんしゅちょうするのが、なによりのわたしのあいじょうひょうげんなのよ!」
「……うん。ありがとう。ずっとぼくをすきでいてくれて。これからも、すきでいてね? ぼくもアリィのこと、だいすきだから」
「もちろんよ! だからなかないで。あなたをヘタレンディになんか、ぜったいしないわ、わたし!」
「う、うん……」
慰めてんのか、追い討ちかけてんのか微妙な具合で、前世掲示板におけるエンディミオン殿下の仇名を口にした舞子さんに、俺達、転生組3人は、お口チャックで銘々に2人から目を逸らしていた。
『よしっ! これで現時点におけるエンディミオン殿下の幸せルートは確定ね! 後はアプデ来た時にもっと良さげなルートあったらそっちに変えるだけだわ! ……と、言うわけでぇ……これからはひたすら萌えるぞー!』
自分で構築したストーリー展開に満足したらしい大学生舞子さんは、そう宣言するが早いか5387周目に突入し。
『きゃあああああああああっ‼︎ エンディミオン殿下素敵ぃ! 最高ぉぉぉぉぉぉっ‼︎』
ここで漸く俺達の知ってる舞子さんのよく叫ぶ台詞とバタバタとベッド上でのたうち回る姿に到達した映像。
「アリューシャ。貴女って子は……」
この状態を見て、映像の舞子さんとアリューシャが本当に同一人物なのだと納得いったらしいランドリウス公爵夫人が、深々と溜息をついた。
その間にも映像の舞子さんはベッドの上でエンディミオン殿下萌え全開で叫んでは、のたうちまわっている。
[この後、彼女が5388周目に突入するより先にこの4人の居た世界は、大きな災害に見舞われて、一瞬で何億万人という人々が亡くなってしまったの]
「えっ⁈」
サーシャエールの言葉にエンディミオン殿下が驚きに顔を染めて俺達を見た。
親世代組からも勇者パーティ組からも注がれる視線が痛い。
「あ、でもでも! わたくしたち、なにがあってじぶんたちがしんだのか、ぜんぜんわかんないの。だから、しんぱいしないで! しんじゃったショックとかないから。ねっ?」
「そうですわね。わたくしも。げんいんはおろか、そのときにどうしんだのかすら、おぼえてはおりませんわ」
「わたしもよ」
「………」
「エルドレッド。貴方も前に話しをしてくれた時は覚えてないって言ってたわよね? どうして今は黙ってるの?」
3人の女の子達に同調しなかった俺に気づいたのは、流石と言うべきなのか、母様が1番早かった。
「うん。前は知らなかったんだけど、今は知ってるから。でもサーシャエールがそれを言わない以上、俺からは言えない。多分 “上” の許可が降りてないんだろうから」
[そうよ。これは神々の約定で知らせないことに決定しているし “あの方々” もそれで了承しているの。貴方みたいな特殊な例を除けば、本人が思い出してしまわない限り、誰にも教えることはできないわ]
「まぁ、目的考えたらそうなるよな」
「それは、お前の加護に書いてあった、特定庇護というヤツに関係している事柄なんだな?」
「うん」
父様の問いかけに俺は頷きながら短く答えを返した。
[先程も教えた通り、映像に映っている子は、アリューシャの前世である舞子という女の子なの。災害で亡くなった彼女の魂をわたくしが引き受けて、アリューシャとしてこの世界で生まれ変わってもらったのだけれど、特例庇護の内容は、それを反映したものになっているのよ]
「……うん。わかる。あのこ、アリィが、あらぶってるときとおなじことしてたもんね……」
荒ぶってるって。
その表現、誰に教わったエンディミオン殿下。
「だって! ぜんせのゲームで、だれよりもわたしがすきになったおとこのこが、エンディミオンでんかだったのよ⁈ でも、こうしてうまれかわってきて、わたしじしんがであったエンディは、ゲームより、もっともっとステキなおとこのこだったんだもの。むかしもいまも、だいすきってさいだいげんしゅちょうするのが、なによりのわたしのあいじょうひょうげんなのよ!」
「……うん。ありがとう。ずっとぼくをすきでいてくれて。これからも、すきでいてね? ぼくもアリィのこと、だいすきだから」
「もちろんよ! だからなかないで。あなたをヘタレンディになんか、ぜったいしないわ、わたし!」
「う、うん……」
慰めてんのか、追い討ちかけてんのか微妙な具合で、前世掲示板におけるエンディミオン殿下の仇名を口にした舞子さんに、俺達、転生組3人は、お口チャックで銘々に2人から目を逸らしていた。
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