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第5章 女神の間にて
魔王戦に漂う不穏 -1-
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「ねぇ? エルっちってさー? もしかして、こないだのでかみさまになっちゃった、とかじゃないよねぇ?」
「なってねぇがな」
神にはな。
「じゃあ、ちょいちょいサーシャエールさましかしらないようなはなしをしってるりゆうってなんなのよ?」
「えー……ご覧の通り、俺は六精霊から全精霊の魔導術士となった訳なんだけれどもー? それに付随して、とある契約をすることになりましてですねー? 神々側の知識を持ってるのは、そのおまけみたいな感じ?」
そう。
これはあくまでオマケであって、アレのメイン能力では決してない。
「アンタ、ただでさえエルドレッドのじょういごかんみたいなヤツになってたのに……」
「こくおうへいかにバレたら、かくじつに “だいまじん” みたいなあだなをつけられましてよ?」
「ってか、エルっちさー? ひとりで、ちょうぜつチートキャラにへんしんするのやめてくれるー? 」
「好きでなったんじゃねぇよ! エンディ達、人質同然状態で、このままだと野郎共全員死ぬよ? これにサインしたら助けられるよ? みたいなこと言われて出された契約書にサインしない選択肢とか、あの生腐屍者戦真っ最中に選べる訳ねぇだろうが⁈」
何となくグサグサくる女の子達のツッコミに俺が事実の片鱗を口走ると3人は、一斉に俺の肩、背中、頭に「ぽん」と手を置いた。
「ならばよし」
声を揃えて言った台詞がこれなあたり、やはりオタクの意識は深淵の底で繋がっていると思う。
「あのとき、マックスさまがいってたことは、なんとなくしかわかんなかったけど、こういうことにもつながってたのね」
「で? けっきょく、なにになったのよ、アンタ」
「お前の2つ名が断罪の聖女からランクアップしても構わねぇなら教えるけど?」
「なんでよ⁈」
「知るってことはさ? その事象に近づくってことと同義なんだよ。前にも言ったろ? 馬車ってものの構造を知らなくてもその恩恵に与ることは出来る。俺と同じにならなくても。俺が何になったかを知ることで『それ』に近づく危険を犯さなくても。俺が居れば、その恩恵は手に入る。正直言って、オススメしないから」
転生物語やチート俺TUEEEEE物語とは違って、それを得る為の見返りは、数年どころか数転生分になるのはガチだからな。
「これからのせんとうも、まおうせんも、それがあればらくになるんでしょ? なら、アンタだけじゃなくて、せいじょのわたしも……」
「そういう意味で言うなら俺の存在は、完全に異分子だ。魔王・勇者・聖女が、この世界本来のセンテンス。それらを補完する為の称号持ちまでならともかく、穴に嵌るヤツを増やしてまで、これを手に入れなきゃならない戦いじゃない。それはお前も知ってる筈だろ?」
[あなた達ー? そろそろ魔王戦始まっちゃうわよー?]
妙な方向に転がりかけた俺達の話しを遮ってくれたのは、サーシャエール「様!」だった。
有り難い。
「この話しは、これで終わりだ」
[彼が何になってしまったのか。その答えは、前世の話しに絡めて、全員に教えてあげるわー]
「サーシャエール‼︎」
[言ったでしょ? “上” の許可は降りてるって。そもそもが秘密を共有して、蟠りを起こさない為の集まりなのよ? 知ることで、巻き込まれないようにする道だってあるわ。諦めなさい]
つまり、教えることも予定調和って訳か。
「今回の魔王戦って “花キミ” の魔王戦とBAD END塞いであること以外にも違いがあるのか?」
[分からないわ]
「分からない?」
「えっ⁈」
「どういういみですの? サーシャエールさま」
この世界のことならば、例の痛イン関連以外の全てを把握することが可能である筈の女神がした発言に俺達は、不穏な物を感じて問いを発していた。
「なってねぇがな」
神にはな。
「じゃあ、ちょいちょいサーシャエールさましかしらないようなはなしをしってるりゆうってなんなのよ?」
「えー……ご覧の通り、俺は六精霊から全精霊の魔導術士となった訳なんだけれどもー? それに付随して、とある契約をすることになりましてですねー? 神々側の知識を持ってるのは、そのおまけみたいな感じ?」
そう。
これはあくまでオマケであって、アレのメイン能力では決してない。
「アンタ、ただでさえエルドレッドのじょういごかんみたいなヤツになってたのに……」
「こくおうへいかにバレたら、かくじつに “だいまじん” みたいなあだなをつけられましてよ?」
「ってか、エルっちさー? ひとりで、ちょうぜつチートキャラにへんしんするのやめてくれるー? 」
「好きでなったんじゃねぇよ! エンディ達、人質同然状態で、このままだと野郎共全員死ぬよ? これにサインしたら助けられるよ? みたいなこと言われて出された契約書にサインしない選択肢とか、あの生腐屍者戦真っ最中に選べる訳ねぇだろうが⁈」
何となくグサグサくる女の子達のツッコミに俺が事実の片鱗を口走ると3人は、一斉に俺の肩、背中、頭に「ぽん」と手を置いた。
「ならばよし」
声を揃えて言った台詞がこれなあたり、やはりオタクの意識は深淵の底で繋がっていると思う。
「あのとき、マックスさまがいってたことは、なんとなくしかわかんなかったけど、こういうことにもつながってたのね」
「で? けっきょく、なにになったのよ、アンタ」
「お前の2つ名が断罪の聖女からランクアップしても構わねぇなら教えるけど?」
「なんでよ⁈」
「知るってことはさ? その事象に近づくってことと同義なんだよ。前にも言ったろ? 馬車ってものの構造を知らなくてもその恩恵に与ることは出来る。俺と同じにならなくても。俺が何になったかを知ることで『それ』に近づく危険を犯さなくても。俺が居れば、その恩恵は手に入る。正直言って、オススメしないから」
転生物語やチート俺TUEEEEE物語とは違って、それを得る為の見返りは、数年どころか数転生分になるのはガチだからな。
「これからのせんとうも、まおうせんも、それがあればらくになるんでしょ? なら、アンタだけじゃなくて、せいじょのわたしも……」
「そういう意味で言うなら俺の存在は、完全に異分子だ。魔王・勇者・聖女が、この世界本来のセンテンス。それらを補完する為の称号持ちまでならともかく、穴に嵌るヤツを増やしてまで、これを手に入れなきゃならない戦いじゃない。それはお前も知ってる筈だろ?」
[あなた達ー? そろそろ魔王戦始まっちゃうわよー?]
妙な方向に転がりかけた俺達の話しを遮ってくれたのは、サーシャエール「様!」だった。
有り難い。
「この話しは、これで終わりだ」
[彼が何になってしまったのか。その答えは、前世の話しに絡めて、全員に教えてあげるわー]
「サーシャエール‼︎」
[言ったでしょ? “上” の許可は降りてるって。そもそもが秘密を共有して、蟠りを起こさない為の集まりなのよ? 知ることで、巻き込まれないようにする道だってあるわ。諦めなさい]
つまり、教えることも予定調和って訳か。
「今回の魔王戦って “花キミ” の魔王戦とBAD END塞いであること以外にも違いがあるのか?」
[分からないわ]
「分からない?」
「えっ⁈」
「どういういみですの? サーシャエールさま」
この世界のことならば、例の痛イン関連以外の全てを把握することが可能である筈の女神がした発言に俺達は、不穏な物を感じて問いを発していた。
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