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第5章 女神の間にて
ダリルの場合
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結局、あらゆる意味で巻き込まれる運命にあるのだと、この時になってやっと俺は理解した。
『あ! おもいだした! かくしこうりゃくたいしょうのダリル、だ!』
殿下にこの妙な枕詞付きで名を呼ばれた時、俺はこの呼称について、もっと突っ込むべきだったんだ。
隠し攻略対象。
何の? 誰の?
その答えが、この女神様に見せられている俺であって俺ではない男の所為で判明していた。
目の前の景色がフワ~っとぼやけたと思ったらキラキラと漂ってきた光の粒が見たことのない文字を描き出す。
見たことのない文字なのに、今は読めるし、意味も分かる。
「花咲く丘にキミと2人で」
ぼやけた景色の中、並ぶ少年達の中、ただ1人腰から上がシルエットな人物が1人。
いやいやいや。
確かに部長へ報告しに来る時は、いつも同じ姿だよ?
他の人には、これが俺だって、1番判別しやすいのも認めるよ。
でもさ?
身体の上を影っぽくして隠したって知ってる人間には誰だか分かるってば、これ!
自分を含めた彼等の姿が消え、暫く浮かんでいたその文字すら消え去ると次に現れたのは、ステータス画面によく似た四角だった。
初めにあなたの名前をおしえてね!
そう書かれた四角の中には、既に「アリューシャ」という名前が入っている。
四角の中で下部に配置されている「これでいい!」が明るい橙色に光る。
それが下に引っ込むような動きをすると四角に記されている文章の内容が変わった。
ヒロインモードを選んでね!
そんな内容の文字列に変わった文章の下には、また別の四角があって。
現在のヒロインモード:穏やかモード
▼このモードのヒロインは、アルフレッドとマックスと早く出会えるよ!
と書かれていた。
四角の後半が「天然モード」に変わると早く出会える相手はエンディミオンとエルドレッドという文章に変わる。
他にも組み合わせが変わったり、相手が1人だけになったりしたが、その中で「ミステリアスモード」というのになった時だけ出会える相手の名前が「??????」となっていた。
▼このモードのヒロインは??????と早く出会えるよ! 隠し攻略対象と確実に出会えるのはこのモードだけ!
…ってね。
「うっわぁ、すっげぇ嫌な一致……」
中には「逆ハールートに入れるのはこのモードだけ!」なんて書かれてるものもあったんだが、何とこの目の前の四角は、このモードを選んだようで「これでいい!」が下へと引っ込むと「真の逆ハーエンディングでは隠し攻略対象の??????も出てくるよ!」と書かれていた。
うん、あのさ? 一応、俺、暗部の人間なので、そうホイホイと隠し攻略対象とかいう看板くっつけて、表舞台に動員しようとしないで欲しいんだけども?
俺の願いも虚しく目の前の四角は、ステータスボードと同じ能力値とか属性値なんかを表記したんだけど、ここにも「未設定ボーナス」とか言う俺の知らない数値があって、何とこれは、自分の好きな所にこのボーナスという所にある数値分だけ自分のステータスを自分で調整出来るという優れものだった。
「え。何この、ずっこい機能? ……ステータスオープン」
俺は以前、坊ちゃん達がやっていたと部長が報告され、以後、暗部では正式に使用を許可されたステータスボードを自分で開くことの出来る魔導を使った。
だが、何も起こらない。
「ファイア」
ごく、基礎的な魔法も発動しなかった。
自分の魔力は感じられるし、循環もしてる。
だけど使えない。
「とにかく、大人しく見てろってことなのかね?」
これを見せているのが、女神様である以上、そういうことなんじゃないかと勝手に解釈して、俺は首の後ろを右手の爪でボリボリ掻いて溜息をついた。
巻き込まれるの、何で俺なんだろ。
どうして俺なんだろ。
部長とか班長とかにすればいいじゃん‼︎
『あ! おもいだした! かくしこうりゃくたいしょうのダリル、だ!』
殿下にこの妙な枕詞付きで名を呼ばれた時、俺はこの呼称について、もっと突っ込むべきだったんだ。
隠し攻略対象。
何の? 誰の?
その答えが、この女神様に見せられている俺であって俺ではない男の所為で判明していた。
目の前の景色がフワ~っとぼやけたと思ったらキラキラと漂ってきた光の粒が見たことのない文字を描き出す。
見たことのない文字なのに、今は読めるし、意味も分かる。
「花咲く丘にキミと2人で」
ぼやけた景色の中、並ぶ少年達の中、ただ1人腰から上がシルエットな人物が1人。
いやいやいや。
確かに部長へ報告しに来る時は、いつも同じ姿だよ?
他の人には、これが俺だって、1番判別しやすいのも認めるよ。
でもさ?
身体の上を影っぽくして隠したって知ってる人間には誰だか分かるってば、これ!
自分を含めた彼等の姿が消え、暫く浮かんでいたその文字すら消え去ると次に現れたのは、ステータス画面によく似た四角だった。
初めにあなたの名前をおしえてね!
そう書かれた四角の中には、既に「アリューシャ」という名前が入っている。
四角の中で下部に配置されている「これでいい!」が明るい橙色に光る。
それが下に引っ込むような動きをすると四角に記されている文章の内容が変わった。
ヒロインモードを選んでね!
そんな内容の文字列に変わった文章の下には、また別の四角があって。
現在のヒロインモード:穏やかモード
▼このモードのヒロインは、アルフレッドとマックスと早く出会えるよ!
と書かれていた。
四角の後半が「天然モード」に変わると早く出会える相手はエンディミオンとエルドレッドという文章に変わる。
他にも組み合わせが変わったり、相手が1人だけになったりしたが、その中で「ミステリアスモード」というのになった時だけ出会える相手の名前が「??????」となっていた。
▼このモードのヒロインは??????と早く出会えるよ! 隠し攻略対象と確実に出会えるのはこのモードだけ!
…ってね。
「うっわぁ、すっげぇ嫌な一致……」
中には「逆ハールートに入れるのはこのモードだけ!」なんて書かれてるものもあったんだが、何とこの目の前の四角は、このモードを選んだようで「これでいい!」が下へと引っ込むと「真の逆ハーエンディングでは隠し攻略対象の??????も出てくるよ!」と書かれていた。
うん、あのさ? 一応、俺、暗部の人間なので、そうホイホイと隠し攻略対象とかいう看板くっつけて、表舞台に動員しようとしないで欲しいんだけども?
俺の願いも虚しく目の前の四角は、ステータスボードと同じ能力値とか属性値なんかを表記したんだけど、ここにも「未設定ボーナス」とか言う俺の知らない数値があって、何とこれは、自分の好きな所にこのボーナスという所にある数値分だけ自分のステータスを自分で調整出来るという優れものだった。
「え。何この、ずっこい機能? ……ステータスオープン」
俺は以前、坊ちゃん達がやっていたと部長が報告され、以後、暗部では正式に使用を許可されたステータスボードを自分で開くことの出来る魔導を使った。
だが、何も起こらない。
「ファイア」
ごく、基礎的な魔法も発動しなかった。
自分の魔力は感じられるし、循環もしてる。
だけど使えない。
「とにかく、大人しく見てろってことなのかね?」
これを見せているのが、女神様である以上、そういうことなんじゃないかと勝手に解釈して、俺は首の後ろを右手の爪でボリボリ掻いて溜息をついた。
巻き込まれるの、何で俺なんだろ。
どうして俺なんだろ。
部長とか班長とかにすればいいじゃん‼︎
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