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第4章 集まれ仲間達

砦 of Dead -5-

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 国境門戦におけるmission-3のメインモンスである生腐屍者アンデット・ドラゴンが、そこに湧き出るようにして現れたのは、地下通路に配置されたフランから合図の氷柱が突き上げてすぐのことだった。

 公式がTwittailで「四つ足キ○グギ○ラが生っぽいゾンビになったと思いねぇ!」なんて冗談半分の投稿文と共にコイツのスクショを掲載した時には、よもや自分がエルドレッドになって、しかも3歳時点の今、この時にり合うことになるだなんて夢にも思ってなかった。

 真ん中の頭が火、右の頭が水、左の頭が風属性のブレスをブッパしてくる筈のコイツは、下位互換なのか、3つ全部の首が灰色に紫が混じったような色の霧状ブレスしか吐かなくなっていた。

 但し、その霧には、しこたまアンデット・ウイルスが含まれていて、抗薬を持ってないヤツがブチ当たったら即、終了のお知らせ確定だ。

 俺は可能な限り空に居て、コイツの注意を国境門から逸らし、ベーターグランディア側で戦闘を展開していた。

 門の近くにはリリエンヌが居て、彼女を守る序でに砦の兵 ── 領軍兵達と傭兵達 ── を精霊達が守っていた。

 デカイ、邪魔い、ウザい、の三拍子が綺麗に揃っている生腐屍者アンデット・ドラゴンに俺は、空の上で舌打ちする。

「いっそ、けっかいのなかにとじこめて、いっきにやきはらうか?」

 それが早い気がして仕方ない。

 リリエンヌ達もただ俺が戦ってるのを見てる訳じゃなくて、人の生腐屍者アンデットを変わらず引き受けてくれている。

 だが、そう長くは保たない気がした。

 普通の敵軍兵と違って、コイツらは何も恐れない。

 痛みもなければ、苦痛もない。

 だから、後退も撤退も何処ぞにいる術者が選択しなければ有り得ない。

 術者を叩きに行きたいのは山々だが、キン○ギド○モドキをどうにかしないと、其奴をどうこうしに行く暇が俺にもない。

 このまま行ったら間違いなくジリ貧だ。

 そう思っていた俺の目の前で3つの頭がブレスの予備動作を始めた。

「ブレスくるぞ!」

 全部、俺にブッパしてくれるなら何の問題もないが、リリエンヌを守る精霊達の守護結界内にいないヤツとか、コイツの周辺で戦ってるヤツが巻き込まれない保証がどこにもなかったので、予備動作を始める度にこうして警戒を呼びかけるようにしていた。

 それが今の所、功を奏しているようで、戦闘中に噛まれたり引っ掻かれたりしているヤツを除けば、ウイルスに被弾している味方は少なかった。

 リリエンヌの作った抗薬と回復薬、プラス、ルナが作ってくれた装備でそれと全く同じ効果のあるものを遠距離投擲することで、ここまでの損耗は実質、プラマイゼロには出来ていたんだ。

 この瞬間までは。

 最初、それに気がついたのは俺ではなく、リリエンヌだった。

 彼女が守護結界の中から生腐屍者アンデット・ドラゴンと交互に様子見するような視線を投げていたことからそれに気づいた俺は、空を飛びながらそちらに目を向ける。

 そこには、泣いている小さな女の子が1人いた。

 俺なのか、他の誰かに倒されたのか分からないが、もう動かなくなった生腐屍者アンデットの傍で大泣きしている姿。

 それが幸が不幸かは、意見の別れる所だろうが、ベーターグランディアの策から逃げ果せることが出来た子が居たらしい……と素直に思って、俺と似たようなことを考えたのだろう。

 敵を倒す為に結界外にいた傭兵の1人が、一瞬、迷ってから、その子を保護しようと近づいた。

 まぁ、敵国の子ったって、その子自身が悪い訳じゃないしな……。

 人道的に考えれば、これは仕方のない判断だったと俺も思った。

 だが。



       “偽物! こいつもう死んでる!”



 その子の頭の上に、光の精霊が描き出した文字を目にして状況が変わった。

「そのこに、ちかづくなーっ‼︎」

 気づけば俺は、そう叫んでいた。

 よりにもよって、ブレスを吐きかけている3つ首生腐屍者アンデット・ドラゴンの目の前で。

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