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第4章 集まれ仲間達
3番街の地下迷宮 -2-
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「ギルド長? 何の冗談ですか? これ?」
「言うな。訳ありだ」
ダンジョンの入口受付に子供達を連れて行き、冒険者証を提出させると初っ端から受付嬢に一文句入れられた。
入口の門兵やってる騎士共にも似たようなことを聞かれて「国王陛下と王妃陛下、近衛の騎士団長は先刻承知だ。詳細は城に問い合わせろ」と答えて通過して来ている。
正直言って、俺の口から何処まで喋っていいのか分からねぇんだよな。
王妃であるカトリアーヌ様からは、市井の統制と制御を頼むと言われちゃいるが、正式発表されてない以上、まだ知ってる人間は少ない方がいいんだろう、としか思えない。
「……また国王陛下の無茶振りですか? こんな年端もいかない子供を7人もダンジョンに放り込むとか、普通に “ない” んですけど?」
「………」
受付嬢の言葉は、至極真っ当で、良識的な判断に基づいた物だった。
おかしいな。
数十分前まで、俺もあっち側でいられた筈だったのに……とか考えながら、俺はエルドレッドの小僧の両脇に手を入れて身体を持ち上げ、受付嬢へと差し出した。
「今はまだ、多くを語れん。コイツを見て、何となくでいいからその無茶振りの根底にあるものを察しろ」
我ながら無理な要求をしとると分かってはいるが、現状、これが俺に出してやれる精一杯のヒントだった。
「どうでもいいけど、おれをひきあいにだすのやめろよな」
「お前が1番、見た目で誰もが理解しやすいんだよ。仲間の為だ。諦めろ」
「まぁ、アホいがいに、つうじるみためなのは、みとめる」
文句というより、身体を持ち上げられていることも含めた不本意感を出したかったらしい。
小僧の一言を俺が却下しただけで、ホントにそこ自体はどうでもよかったらしいエルドレッドは、溜息をついて俺の判断を認めてから、ひらひら、と受付小屋の者達に向かって右手を振った。
全員が自分に注目したのを確かめてから小僧は、人差し指で自分の右目を指差す。
「いち」
次に同じ指で自分の左目を差す。
「に」
次は親指で右側の髪を2色纏めて摘み上げ。
「さん、よん」
最後に左手で左側の髪を2色同じように摘み上げてみせた。
「ご、ろく……ね?」
何の気負いも衒いもなく、ただ目の前にある事実を確認させる為だけの行為だと示しているのか、笑顔で首を傾げ、1文字だけの確認を投げかける。
1番近くにいたカウンター前の受付嬢が、並べられた冒険者証から、魔法士登録されている1つをみつけて取り上げ、魔力を流した。
するとそれまで革製のように見えていたその冒険者証は、金色に姿を変えて裏側に「S」という級を浮かび上がらせた。
勿論、それは小僧の名前とレベルなんかと一緒に表側にも表示されている筈だった。
「S級冒険者、エルドレッド・アセンカザフ……そう。キミが六精霊の魔導術士様なのね。こんな小さな子供だなんて思わなかったわ」
「さすがに、ほんのすうねんや、すうかげつ、がんばっただけでどうこうできるほど、おれたちのてきは、あまいあいてじゃないんでね。もしおれが、じりきでたてないあかんぼうだったとしても、こしイッちゃってるごろうじんだったとしても、このしょうごうをもってるかぎり、ヤツがおれたちをみのがしてくれることはありえない。なら、いまのうちから、できることやっときたいわけ。りかいして?」
自分達のことを「訳あり」と表現された理由を彼女が理解出来たと感じたらしい小僧は、人族3歳を疑わせるような論理展開で言って、最後に「理解」を求めて受付嬢を見た。
「……私は冒険者ギルド受付嬢よ。キミと、そうね。後はレベル15を越えてるこの2人の子。それ以外の子達は適正レベルに達していないことを理由に入場を許可しません」
ギルド長である俺を前にして、それでも許可しない、と言い放った受付嬢にエルドレッドが、俺の手から浮き上がって、カウンターへと風で流れるようにして寄って行った。
ああ……やめろバカ女。
小僧のいらねぇ地雷踏みやがって……何の為に俺が同行してんのかくれぇ考えやがれ。
「あ・そ。じゃ、まにあわなくなって、ほんせんでコイツらがくたばったら、おねぇさんがそれにきいんする、ぜんせきにんをとってね?」
「えっ⁈」
そらみろ、始まったぁ。
「ねんのためにいっとくけど、とってもらうせきにん、それだけじゃすまないからね? おねぇさんがしたことは、ぎるどちょうがしょうだくし、せいきのてつづきにのっとったかたちでおこなわれている、こくおうへいかと、おうひへいか、それと、きしだんちょうのようせいに “いな” をつきつけたのと、いみはおなじだ」
まぁ、ギルド長である俺の専横を防ぐ為に受付嬢に否認権があるのは確かだし、王族の要請を断る権利もあるのは事実だ。
だけどな?
この小僧が六精霊の魔導術士と分かっていて。
この子供達の正体を察していて。
尚、それを通そうってのは、無理があんだよ。
分かれよ、頼むから。
「それにさ? きゃっかした4にんのうちのひとりである、だい1おうじは、ほんせんのきりふだなんだよ? まにあわなければ、おねぇさんのクビ1つでたりるじたいなんかで、おさまらないんだけど? めつぼうまったなしになるの、そうぞうできないの? ほんせん、はいたいとせかいめつぼうのひきがねをひいた、1きゅうせんぱんとして、めがみサーシャエールさまのまえにたつ、どきょうがあるとは、とうていおもえないんだけど、そのへんのにんしきどうなの? おれは、りかいしてくれ、といったはずだけど? そこまでかんがえて、きょかしないっていえてる? ぜったい?」
小僧は、魔王戦という直接的な単語こそ出さなかったものの、ここで許可を出さずに人類側が被る被害と彼女の判断ミスによって引き起こされるだろう最悪の未来を可成り突っ込んだ所まで口にしていた。
「あ………あっ、う」
青を通り越して真っ白になった顔色で、言葉になっていない音を漏らす様子を見ていれば、彼女がやっと小僧の求める「理解」に達したことは知れているだろうに。
「それでもきょかしないっていえるほどのかくごがあるならしかたない。ダンジョンがあるのも、ぼうけんしゃギルドがあるのもこのくにだけじゃない」
キッパリとそう言って背を向けると地に降り立って仲間の所へとスタスタ迷いなく歩いて行く。
「アルファードゥルークにきょてんをうつす。ルナ、しろまえのてんいざひょうよこせ」
「はーい」
小僧の下した決定に何処で打ち合わせしてたんでもないだろうに子供達は綺麗に全員、受付に背を向けてエリアの出口へ歩き出した。
「待ってください! 未来に戦うかもしれない魔王の為に今、急いで命を賭けて備えることに何の意味があるんですか⁈ もっと大人になってからじゃダメなんですか⁈」
「おねぇさんは、かけだしのぼうけんしゃれんちゅうにもそういうの? “いつかたたかうかもしれないドラゴンにそなえて、いまからやくそうさいしゅすることになんのいみがあるんですか? もっとおとなになってからにしなさい” って?」
「……それとこれとはっ!」
「おなじだよ。おれたちにとってはね」
受付嬢が言い募る言葉に無理矢理、自分の言葉を被せて止めた小僧は、振り向きもしないで続ける。
「ここていどのモンスにかなわないで、まおうにいどめって? それこそむちゃいうなよ。いまからやれば、1にちすうレベルですむのに、おねぇさんのいう、おとなとやらまでまってたら、ちゃばけまおうせんおわってるんですけど? もう1かいだけいうけど、じぶんのせいで、せかいをめつぼうさせたくないなら、いますぐここできょかをだすか、だまっておれたちをアルファードゥルークにいかせろよ。アンタのめのまえにぶらさがってるせんたくしは、このふたつだけなんだよ」
「おい、小僧。その口振りだと魔王戦いつなのか、お前は知ってるんだろ? いつなんだ?」
仲間になる後1人の為だけではない急ぎように若干の不安を覚えた俺は、カトリアーヌ様すら知らされていない魔王戦の開始時期をエルドレッドの小僧が知っている気がして口を挟んだ。
「たしょうのごさはでるかもしれないが、まおうのこうたんがかくにんされるのは、おれたちが15のとし。まおうせんのほんせんは、17のとしになる。おれたちがプレ・デビュタントをむかえるとしには、のこりじかんが10ねんきり、デビュタントをむかえるころには、のこり1ねんきってるけいさんだ。おとなになるまでまて? Fクラスのぼうけんしゃが、さいたん1ねんで、どこまでうえにあがれるのか、しってるにんげんのことばとはおもえねぇよ。まおうなめてんの? たたかうのじぶんじゃないくせに? わらわせんなよ」
「エル、よしなさい。それがせいぎだとか、おさないこどもをまもるのにひつようなことなんだとかおもいこんでるにんげんに、いったところで、じかんのむだよ。とっととアルファードゥルークにむかいましょう」
「待った」
殿下の婚約者らしい、アリューシャとかいう娘がエルドレッド以上のキッパリした口調で断じたことで、コイツらは受付嬢を脅して譲歩を引き出そうとしてるんじゃなく、本気で拠点を移す気だと理解した俺は、嘆息と共に降参を態度で示して、両手を上げた。
「責任は俺が取る。ここを使え」
「ギルド長!」
「お前はギルドの全受付業務から1度外す。頭を冷やせ。カズン! 手続きだ」
多少、強引にでも話しを進めることにしなければ別の意味でヤバくなる。
そんな気がしていた。
「言うな。訳ありだ」
ダンジョンの入口受付に子供達を連れて行き、冒険者証を提出させると初っ端から受付嬢に一文句入れられた。
入口の門兵やってる騎士共にも似たようなことを聞かれて「国王陛下と王妃陛下、近衛の騎士団長は先刻承知だ。詳細は城に問い合わせろ」と答えて通過して来ている。
正直言って、俺の口から何処まで喋っていいのか分からねぇんだよな。
王妃であるカトリアーヌ様からは、市井の統制と制御を頼むと言われちゃいるが、正式発表されてない以上、まだ知ってる人間は少ない方がいいんだろう、としか思えない。
「……また国王陛下の無茶振りですか? こんな年端もいかない子供を7人もダンジョンに放り込むとか、普通に “ない” んですけど?」
「………」
受付嬢の言葉は、至極真っ当で、良識的な判断に基づいた物だった。
おかしいな。
数十分前まで、俺もあっち側でいられた筈だったのに……とか考えながら、俺はエルドレッドの小僧の両脇に手を入れて身体を持ち上げ、受付嬢へと差し出した。
「今はまだ、多くを語れん。コイツを見て、何となくでいいからその無茶振りの根底にあるものを察しろ」
我ながら無理な要求をしとると分かってはいるが、現状、これが俺に出してやれる精一杯のヒントだった。
「どうでもいいけど、おれをひきあいにだすのやめろよな」
「お前が1番、見た目で誰もが理解しやすいんだよ。仲間の為だ。諦めろ」
「まぁ、アホいがいに、つうじるみためなのは、みとめる」
文句というより、身体を持ち上げられていることも含めた不本意感を出したかったらしい。
小僧の一言を俺が却下しただけで、ホントにそこ自体はどうでもよかったらしいエルドレッドは、溜息をついて俺の判断を認めてから、ひらひら、と受付小屋の者達に向かって右手を振った。
全員が自分に注目したのを確かめてから小僧は、人差し指で自分の右目を指差す。
「いち」
次に同じ指で自分の左目を差す。
「に」
次は親指で右側の髪を2色纏めて摘み上げ。
「さん、よん」
最後に左手で左側の髪を2色同じように摘み上げてみせた。
「ご、ろく……ね?」
何の気負いも衒いもなく、ただ目の前にある事実を確認させる為だけの行為だと示しているのか、笑顔で首を傾げ、1文字だけの確認を投げかける。
1番近くにいたカウンター前の受付嬢が、並べられた冒険者証から、魔法士登録されている1つをみつけて取り上げ、魔力を流した。
するとそれまで革製のように見えていたその冒険者証は、金色に姿を変えて裏側に「S」という級を浮かび上がらせた。
勿論、それは小僧の名前とレベルなんかと一緒に表側にも表示されている筈だった。
「S級冒険者、エルドレッド・アセンカザフ……そう。キミが六精霊の魔導術士様なのね。こんな小さな子供だなんて思わなかったわ」
「さすがに、ほんのすうねんや、すうかげつ、がんばっただけでどうこうできるほど、おれたちのてきは、あまいあいてじゃないんでね。もしおれが、じりきでたてないあかんぼうだったとしても、こしイッちゃってるごろうじんだったとしても、このしょうごうをもってるかぎり、ヤツがおれたちをみのがしてくれることはありえない。なら、いまのうちから、できることやっときたいわけ。りかいして?」
自分達のことを「訳あり」と表現された理由を彼女が理解出来たと感じたらしい小僧は、人族3歳を疑わせるような論理展開で言って、最後に「理解」を求めて受付嬢を見た。
「……私は冒険者ギルド受付嬢よ。キミと、そうね。後はレベル15を越えてるこの2人の子。それ以外の子達は適正レベルに達していないことを理由に入場を許可しません」
ギルド長である俺を前にして、それでも許可しない、と言い放った受付嬢にエルドレッドが、俺の手から浮き上がって、カウンターへと風で流れるようにして寄って行った。
ああ……やめろバカ女。
小僧のいらねぇ地雷踏みやがって……何の為に俺が同行してんのかくれぇ考えやがれ。
「あ・そ。じゃ、まにあわなくなって、ほんせんでコイツらがくたばったら、おねぇさんがそれにきいんする、ぜんせきにんをとってね?」
「えっ⁈」
そらみろ、始まったぁ。
「ねんのためにいっとくけど、とってもらうせきにん、それだけじゃすまないからね? おねぇさんがしたことは、ぎるどちょうがしょうだくし、せいきのてつづきにのっとったかたちでおこなわれている、こくおうへいかと、おうひへいか、それと、きしだんちょうのようせいに “いな” をつきつけたのと、いみはおなじだ」
まぁ、ギルド長である俺の専横を防ぐ為に受付嬢に否認権があるのは確かだし、王族の要請を断る権利もあるのは事実だ。
だけどな?
この小僧が六精霊の魔導術士と分かっていて。
この子供達の正体を察していて。
尚、それを通そうってのは、無理があんだよ。
分かれよ、頼むから。
「それにさ? きゃっかした4にんのうちのひとりである、だい1おうじは、ほんせんのきりふだなんだよ? まにあわなければ、おねぇさんのクビ1つでたりるじたいなんかで、おさまらないんだけど? めつぼうまったなしになるの、そうぞうできないの? ほんせん、はいたいとせかいめつぼうのひきがねをひいた、1きゅうせんぱんとして、めがみサーシャエールさまのまえにたつ、どきょうがあるとは、とうていおもえないんだけど、そのへんのにんしきどうなの? おれは、りかいしてくれ、といったはずだけど? そこまでかんがえて、きょかしないっていえてる? ぜったい?」
小僧は、魔王戦という直接的な単語こそ出さなかったものの、ここで許可を出さずに人類側が被る被害と彼女の判断ミスによって引き起こされるだろう最悪の未来を可成り突っ込んだ所まで口にしていた。
「あ………あっ、う」
青を通り越して真っ白になった顔色で、言葉になっていない音を漏らす様子を見ていれば、彼女がやっと小僧の求める「理解」に達したことは知れているだろうに。
「それでもきょかしないっていえるほどのかくごがあるならしかたない。ダンジョンがあるのも、ぼうけんしゃギルドがあるのもこのくにだけじゃない」
キッパリとそう言って背を向けると地に降り立って仲間の所へとスタスタ迷いなく歩いて行く。
「アルファードゥルークにきょてんをうつす。ルナ、しろまえのてんいざひょうよこせ」
「はーい」
小僧の下した決定に何処で打ち合わせしてたんでもないだろうに子供達は綺麗に全員、受付に背を向けてエリアの出口へ歩き出した。
「待ってください! 未来に戦うかもしれない魔王の為に今、急いで命を賭けて備えることに何の意味があるんですか⁈ もっと大人になってからじゃダメなんですか⁈」
「おねぇさんは、かけだしのぼうけんしゃれんちゅうにもそういうの? “いつかたたかうかもしれないドラゴンにそなえて、いまからやくそうさいしゅすることになんのいみがあるんですか? もっとおとなになってからにしなさい” って?」
「……それとこれとはっ!」
「おなじだよ。おれたちにとってはね」
受付嬢が言い募る言葉に無理矢理、自分の言葉を被せて止めた小僧は、振り向きもしないで続ける。
「ここていどのモンスにかなわないで、まおうにいどめって? それこそむちゃいうなよ。いまからやれば、1にちすうレベルですむのに、おねぇさんのいう、おとなとやらまでまってたら、ちゃばけまおうせんおわってるんですけど? もう1かいだけいうけど、じぶんのせいで、せかいをめつぼうさせたくないなら、いますぐここできょかをだすか、だまっておれたちをアルファードゥルークにいかせろよ。アンタのめのまえにぶらさがってるせんたくしは、このふたつだけなんだよ」
「おい、小僧。その口振りだと魔王戦いつなのか、お前は知ってるんだろ? いつなんだ?」
仲間になる後1人の為だけではない急ぎように若干の不安を覚えた俺は、カトリアーヌ様すら知らされていない魔王戦の開始時期をエルドレッドの小僧が知っている気がして口を挟んだ。
「たしょうのごさはでるかもしれないが、まおうのこうたんがかくにんされるのは、おれたちが15のとし。まおうせんのほんせんは、17のとしになる。おれたちがプレ・デビュタントをむかえるとしには、のこりじかんが10ねんきり、デビュタントをむかえるころには、のこり1ねんきってるけいさんだ。おとなになるまでまて? Fクラスのぼうけんしゃが、さいたん1ねんで、どこまでうえにあがれるのか、しってるにんげんのことばとはおもえねぇよ。まおうなめてんの? たたかうのじぶんじゃないくせに? わらわせんなよ」
「エル、よしなさい。それがせいぎだとか、おさないこどもをまもるのにひつようなことなんだとかおもいこんでるにんげんに、いったところで、じかんのむだよ。とっととアルファードゥルークにむかいましょう」
「待った」
殿下の婚約者らしい、アリューシャとかいう娘がエルドレッド以上のキッパリした口調で断じたことで、コイツらは受付嬢を脅して譲歩を引き出そうとしてるんじゃなく、本気で拠点を移す気だと理解した俺は、嘆息と共に降参を態度で示して、両手を上げた。
「責任は俺が取る。ここを使え」
「ギルド長!」
「お前はギルドの全受付業務から1度外す。頭を冷やせ。カズン! 手続きだ」
多少、強引にでも話しを進めることにしなければ別の意味でヤバくなる。
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