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第4章 集まれ仲間達

自覚はあるよ? -7-

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 唖然茫然の空気の中、唯一動いていたのは意外にもリリエンヌだった。

 とととっと小走りでボコボコになった木偶人形へと近寄って行って、その周囲をキョロキョロと見回し、目的の物を見つけたのか、嬉しそうな顔をしてそれを拾い上げた。

「ルナさま、すごいですっ! おほしさまが、ほんとうに、ほしのかたちをしていますっ!」

 両手で頭上に掲げた真っ黒でデコボコした表面のそれは隕石というより、寧ろ、溶岩片に見えた。

 それをしっかりと胸に抱えて、また小走りで戻って来たリリエンヌは、それをエンディミオン殿下とアリューシャへと掲げて見せた。

「ほらっ、エンディミオンでんか! アリューシャさまっ、みてくださいっ! おほしさまですよ!」
「う、うん……しるしとしては、よくみるけど、このかたちで、ほんとうに、そらからふってこられると、ふしぎなかんじがするね」

 コメントに困ったエンディミオン殿下が、苦し紛れな感想を口にした。

 いっそハッキリ「ねぇわ」って言ってやれや。

「ようがんでつくった、はいざらとかおもいだすんだけど?」

 アリューシャ、それは言わないお約束だ。

 斯く言う、俺もイタリアのエトナ火山製の灰皿とか、火事の現場で見た高温で溶融したケイ酸を含む何か ── 元が何だったのかは溶け切っている為、不明 ── が過ぎったりとかしたけどな!

 2人の反応が、何やら自分の思っていた物と違ったのだろう。

 手元に下ろしてきたそれをじっと見詰めていたリリエンヌは、ふと俺の方を見ると、にっこりした笑みを浮かべて走り寄って来た。

「エルドレッドさまっ! おほしさまです!」
「そうだね。ちなみに、リリエンヌが、おほしさまだなーっておもうのは、その、りょうめんまったいらの、ほしマークみたいなヤツなのかい? それとも」

 言いながら俺は右手と左手、それぞれ別に土の魔力を練り上げて、右手に金色の正24面体、左手に銀色の大星型12面体を作り出してリリエンヌへと差し出す。

「こーんなかたちのヤツなのかなー?」
「‼︎」

 リリエンヌがビックリ顔で3つの星型を順繰りに何度も見て。

「えっと、えっと……ぜ、ぜんぶ、おほしさまなのですっ!」
「しょうじきもののしょうじょよ。3つのほしをぜんぶ、あなたにあげましょう」
「わあっ‼︎ ありがとうぞんじます! おほしさま、だいじにしますね!」
「ちょっと? そこで、いずみのせいゴッコはじめるのやめてくれる?」

 金の斧、銀の斧で有名な童話をもじって3つの星をリリエンヌに持たせ、ご満悦な彼女を堪能していると、物凄く呆れた声でルナルリア王女からのツッコミが入った。

「いいじゃん。どうせ、とうさまが、けっかいのじょうたいをたしかめおわるまで、こうげきラインはつかえないって」
「うー……フランがさきにつかってくれたほうがよかったかしら?」
「いや、いりょくてきには、そっちをゆうせんしないほうが、せいかいだったとおもうぜ?」

 武器の試し使いをしてないのは、フランと俺だけなので、そう言ったのだろうルナルリア王女に、俺は否を唱え、肩を竦めて見せた。

「……そうなの?」
「もしかして、わすれてる? そのフランは・・・・・・、やみとっかじゃなくて、ほのおと、こおりの、にぞくせいもちになってるんだぞ?」

 傾げた首もそのままに指摘してやるとルナルリア王女が、固まった。

 やがて理解が至ったのだろう。

「あああああああああっ‼︎ わすれてたぁっ‼︎ ちょっとフラン! さっきわたした、たんけん2ほん、ちょうせいするからいっかい、かして!」
「あ、はい……」

 ルナルリア王女の求めにフランが両手の指先を突っ込んだ場所は、何故か袖口の中だった。

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