125 / 458
第4章 集まれ仲間達
マックスからのコンタクト -1-
しおりを挟む
流石にコレは精霊じゃ誤魔化せない。
どないしょ? とか思ってた俺は、唐突に右手をギュッと握られてそちらを見た。
銀髪でセンターよりやや右側で分けてる、ゆるふわミディアム。
何か知らんが俺を見て興奮でキラキラしている黒目、その右目の奥には、賢者の称号を得る者だけが持つという “♾” の中央を横2本線の十字架が貫いているようなマークが光る。
「………マックスじゃねぇか」
「ぼくのことをごぞんじでいらしたんですね、ししょう! うれしいです!」
はへ?
師匠? 何の?
「ししょう、ぼくはいま、すきになったおんなのこがいて、こんご、そのおんなのこと、けっこんをぜんていとして、おあいすることになるはずなのです! はるばるアルファードゥルークからいらしてくださる、かのじょのために、ぼくにできることをおしえてください!」
そう言って、マックスは俺の手を離すと小脇に抱えていた物の表装を両手で俺に突き出した。
紺色をした質のいい革へ金押しされたアルファードゥルーク王家の紋章。
あれ? まさか、会う相手って……?
そう思っていた俺の目の前で、マックスが俺に向かって表装を開くと現れたのは、ルナルリア王女の肖像。
そして流れ来る彼女の声で紡がれる婚約打診の内容。
宰相閣下以外は、初めて知ったのだろうそれに、俺への驚愕とは別の意味をした驚きで室内が満たされ、上書きされたような状態に陥る。
マックスgj! じゃなくて!
こんなに早くルナルリア王女がシグマセンティエに来るなんて聞いてねぇ!
アルフレッド鬱フラグ発生まで後、何日ある?
つか、ダンジョン潜ってる暇あんのか、俺達⁈
「き……きんきゅうさいしょうしゅう!」
左手だけで一気に四体の風精霊を呼び出した俺は、そいつらの目の前に転移魔法を圧縮した球を作り上げ、風魔法で包み込んだものを渡した。
「エンディ、アリィ、フラン、リリエンヌ。でんごんは『ルナルリアおうじょしゅうらいよていはんめい。きんきゅうさいしょうしゅう』だ。それをわたして、ここへてんいするようにつたえろ。いけ!」
左から順に誰の所へ飛ぶかと、伝言の内容を指示して風の精霊を放つ。
「マックス。おまえがおうけのしじで、ルナルリアおうじょに、こんやくだしんの、しんしょおくったの、いつだ?」
「13にちまえです、ししょう」
「その、まどうばんとやらが、おまえのトコにとどいたのは?」
「8かまえです、ししょう」
「なんでそっちがさきなんだよ⁈ アリューシャといい、ルナルリアおうじょといい、こらえしょうねぇな! おれもそれにかんしては、あんまひとのこといえねぇけど!」
「ぼくが、8かまえにきた、ルナルリアおうじょのしんしょに、へんじをしたのが5かまえです。ふうかんは、ぼくが、ひのまほうをつかってとかしています。さんこうになりますか? ししょう」
恐らくは聞かれるだろうと思って、先に答えたのだろうマックスがした自己申告に俺は、思わず凍りついてしまった。
どないしょ? とか思ってた俺は、唐突に右手をギュッと握られてそちらを見た。
銀髪でセンターよりやや右側で分けてる、ゆるふわミディアム。
何か知らんが俺を見て興奮でキラキラしている黒目、その右目の奥には、賢者の称号を得る者だけが持つという “♾” の中央を横2本線の十字架が貫いているようなマークが光る。
「………マックスじゃねぇか」
「ぼくのことをごぞんじでいらしたんですね、ししょう! うれしいです!」
はへ?
師匠? 何の?
「ししょう、ぼくはいま、すきになったおんなのこがいて、こんご、そのおんなのこと、けっこんをぜんていとして、おあいすることになるはずなのです! はるばるアルファードゥルークからいらしてくださる、かのじょのために、ぼくにできることをおしえてください!」
そう言って、マックスは俺の手を離すと小脇に抱えていた物の表装を両手で俺に突き出した。
紺色をした質のいい革へ金押しされたアルファードゥルーク王家の紋章。
あれ? まさか、会う相手って……?
そう思っていた俺の目の前で、マックスが俺に向かって表装を開くと現れたのは、ルナルリア王女の肖像。
そして流れ来る彼女の声で紡がれる婚約打診の内容。
宰相閣下以外は、初めて知ったのだろうそれに、俺への驚愕とは別の意味をした驚きで室内が満たされ、上書きされたような状態に陥る。
マックスgj! じゃなくて!
こんなに早くルナルリア王女がシグマセンティエに来るなんて聞いてねぇ!
アルフレッド鬱フラグ発生まで後、何日ある?
つか、ダンジョン潜ってる暇あんのか、俺達⁈
「き……きんきゅうさいしょうしゅう!」
左手だけで一気に四体の風精霊を呼び出した俺は、そいつらの目の前に転移魔法を圧縮した球を作り上げ、風魔法で包み込んだものを渡した。
「エンディ、アリィ、フラン、リリエンヌ。でんごんは『ルナルリアおうじょしゅうらいよていはんめい。きんきゅうさいしょうしゅう』だ。それをわたして、ここへてんいするようにつたえろ。いけ!」
左から順に誰の所へ飛ぶかと、伝言の内容を指示して風の精霊を放つ。
「マックス。おまえがおうけのしじで、ルナルリアおうじょに、こんやくだしんの、しんしょおくったの、いつだ?」
「13にちまえです、ししょう」
「その、まどうばんとやらが、おまえのトコにとどいたのは?」
「8かまえです、ししょう」
「なんでそっちがさきなんだよ⁈ アリューシャといい、ルナルリアおうじょといい、こらえしょうねぇな! おれもそれにかんしては、あんまひとのこといえねぇけど!」
「ぼくが、8かまえにきた、ルナルリアおうじょのしんしょに、へんじをしたのが5かまえです。ふうかんは、ぼくが、ひのまほうをつかってとかしています。さんこうになりますか? ししょう」
恐らくは聞かれるだろうと思って、先に答えたのだろうマックスがした自己申告に俺は、思わず凍りついてしまった。
0
お気に入りに追加
49
あなたにおすすめの小説
私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?
新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。
※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!
忘れられた妻
毛蟹葵葉
恋愛
結婚初夜、チネロは夫になったセインに抱かれることはなかった。
セインは彼女に積もり積もった怒りをぶつけた。
「浅ましいお前の母のわがままで、私は愛する者を伴侶にできなかった。それを止めなかったお前は罪人だ。顔を見るだけで吐き気がする」
セインは婚約者だった時とは別人のような冷たい目で、チネロを睨みつけて吐き捨てた。
「3年間、白い結婚が認められたらお前を自由にしてやる。私の妻になったのだから飢えない程度には生活の面倒は見てやるが、それ以上は求めるな」
セインはそれだけ言い残してチネロの前からいなくなった。
そして、チネロは、誰もいない別邸へと連れて行かれた。
三人称の練習で書いています。違和感があるかもしれません
王が気づいたのはあれから十年後
基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。
妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。
仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。
側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。
王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。
王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。
新たな国王の誕生だった。
えぇ、死ねばいいのにと思ってやりました。それが何か?
真理亜
恋愛
「アリン! 貴様! サーシャを階段から突き落としたと言うのは本当か!?」王太子である婚約者のカインからそう詰問された公爵令嬢のアリンは「えぇ、死ねばいいのにと思ってやりました。それが何か?」とサラッと答えた。その答えにカインは呆然とするが、やがてカインの取り巻き連中の婚約者達も揃ってサーシャを糾弾し始めたことにより、サーシャの本性が暴かれるのだった。
仲の良かったはずの婚約者に一年無視され続け、婚約解消を決意しましたが
ゆらゆらぎ
恋愛
エルヴィラ・ランヴァルドは第二王子アランの幼い頃からの婚約者である。仲睦まじいと評判だったふたりは、今では社交界でも有名な冷えきった仲となっていた。
定例であるはずの茶会もなく、婚約者の義務であるはずのファーストダンスも踊らない
そんな日々が一年と続いたエルヴィラは遂に解消を決意するが──
目が覚めたら夫と子供がいました
青井陸
恋愛
とある公爵家の若い公爵夫人、シャルロットが毒の入ったのお茶を飲んで倒れた。
1週間寝たきりのシャルロットが目を覚ましたとき、幼い可愛い男の子がいた。
「…お母様?よかった…誰か!お母様が!!!!」
「…あなた誰?」
16歳で政略結婚によって公爵家に嫁いだ、元伯爵令嬢のシャルロット。
シャルロットは一目惚れであったが、夫のハロルドは結婚前からシャルロットには冷たい。
そんな関係の二人が、シャルロットが毒によって記憶をなくしたことにより少しずつ変わっていく。
なろう様でも同時掲載しています。
【完結】皇太子の愛人が懐妊した事を、お妃様は結婚式の一週間後に知りました。皇太子様はお妃様を愛するつもりは無いようです。
五月ふう
恋愛
リックストン国皇太子ポール・リックストンの部屋。
「マティア。僕は一生、君を愛するつもりはない。」
今日は結婚式前夜。婚約者のポールの声が部屋に響き渡る。
「そう……。」
マティアは小さく笑みを浮かべ、ゆっくりとソファーに身を預けた。
明日、ポールの花嫁になるはずの彼女の名前はマティア・ドントール。ドントール国第一王女。21歳。
リッカルド国とドントール国の和平のために、マティアはこの国に嫁いできた。ポールとの結婚は政略的なもの。彼らの意志は一切介入していない。
「どんなことがあっても、僕は君を王妃とは認めない。」
ポールはマティアを憎しみを込めた目でマティアを見つめる。美しい黒髪に青い瞳。ドントール国の宝石と評されるマティア。
「私が……ずっと貴方を好きだったと知っても、妻として認めてくれないの……?」
「ちっ……」
ポールは顔をしかめて舌打ちをした。
「……だからどうした。幼いころのくだらない感情に……今更意味はない。」
ポールは険しい顔でマティアを睨みつける。銀色の髪に赤い瞳のポール。マティアにとってポールは大切な初恋の相手。
だが、ポールにはマティアを愛することはできない理由があった。
二人の結婚式が行われた一週間後、マティアは衝撃の事実を知ることになる。
「サラが懐妊したですって‥‥‥!?」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる