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第4章 集まれ仲間達
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「皆様。楽しんでいらっしゃるかしら?」
明るく問いかけてきた声に皆が、入口の方へ驚いた顔を向けたことで、夫人が笑顔のまま小さく左へ首を傾げて動きを止めた。
その間、俺と公爵は、互いの目を見詰めて一切視線を逸らさずに居た。
再び俺は、右手の指を鳴らす。
『おい! グズ女! いい加減にしろ! その魔法薬は王家への納入品なんだぞ⁈ 作れないじゃ済まされないんだからな⁈』
突然、室内に響いた少年の声に、今度は公爵夫人が、びっくりしたような顔をした。
同時に、ぎしり、と嫌な音が鳴る。
歪んだ俺の顔を見て、公爵だけが、その音の発生源を俺の奥歯の音だと看破したようだった。
『すみません、おにいさま』
『すみませんで済むか! この能無し!』
『キャッ!』
バシッと乾いた音がして、彼女の小さな悲鳴が聞こえた。
このクソ野郎、ふざけやがって!
てめぇだけは、絶対ぇこの手でブチ殺す!
殺意と共に握った左手が、椅子の肘かけをゴリっと爪で削る音を響かせて、隣にいたエンディミオン殿下とアリューシャの視線がそこへ向いたのが気配だけで分かった。
『期限は明後日だ! それまでに魔法薬を作れなかったら、お前は鞭打ちの仕置きだ! 分かったな⁈』
『………はい』
「もういい。風の精霊を止めたまえ」
彼女の返事を聞いてすぐ、公爵がそう言ったので、俺は風精霊の中継を遮断した。
この会話が交わされている場所が何処なのか、俺は一切口にしなかったのに、公爵は全て分かっているような顔をしていた。
「キミが欲しているのは、物的な証拠だね?」
「そうだ」
公爵に問われたことに、俺は単語と称して差し障りのない、短い返事を紡いだ。
「ファーフリスタ伯爵家を潰せというのかね?」
「それはいい。かのじょをすくいだしたら、じりきでつぶす。そのまえに、ファーフリスタけが、かのじょをとりかえせない、せいとうなりゆうがほしい」
そう。
リリエンヌをこれだけイジメ抜いて、こきつかって、迫害レベルなことをしといて、一瞬でその苦しみを終わらせてなんかやるもんか。
「かぜのせいれいで、あのいえのじょうきょうは、こうしてさぐれる。やみのせいれいで、しょうこになりそうなものが、どこにかくされてるのかもつかんでる。だが、げんりんしているわけではない、せいれいたちに、ませきいがいのぶっしつは、きほん、つかさどっているぞくせいかんれんのものしか、はこぶことができない。かといって、おれがじぶんでのりこめば、あやしんだはくしゃくやクソアニキが、しょうこをいんめつするおそれもあるし、かのじょにだって、なにをするかわかったもんじゃない。それが、こうしゃくにたのんでる、おもなりゆうだ」
「恐らく、これがキミの秘密とやらの内の1つなのだろう? もう1つは?」
「……光の精霊。俺に見せてる物を皆にも見せてやれ」
公爵の言葉を交渉成立と受け取った俺は、右の掌上に光属性の魔力を集積して、ダリルの頭の上に放った。
俺から魔力を供給された光の精霊によって、パアッと明るいけれど、柔らかな光がそこに灯り。
『この人、王室暗部の人! ダリルっていうんだよ!』
と、描き出していた文字を光の精霊が具現化して、その場の全員が呆気に取られた顔をした。
良い子の皆は、言わなくても分かるよな!
光の精霊が、この文字を書いたのは、さっきじゃない。
今だ!
目的の1つも達成出来て、逃げ道の確保も出来る、一石二鳥の手段なんだよ!
いいじゃねぇか、ちょっとくらい誤魔化しても!
明るく問いかけてきた声に皆が、入口の方へ驚いた顔を向けたことで、夫人が笑顔のまま小さく左へ首を傾げて動きを止めた。
その間、俺と公爵は、互いの目を見詰めて一切視線を逸らさずに居た。
再び俺は、右手の指を鳴らす。
『おい! グズ女! いい加減にしろ! その魔法薬は王家への納入品なんだぞ⁈ 作れないじゃ済まされないんだからな⁈』
突然、室内に響いた少年の声に、今度は公爵夫人が、びっくりしたような顔をした。
同時に、ぎしり、と嫌な音が鳴る。
歪んだ俺の顔を見て、公爵だけが、その音の発生源を俺の奥歯の音だと看破したようだった。
『すみません、おにいさま』
『すみませんで済むか! この能無し!』
『キャッ!』
バシッと乾いた音がして、彼女の小さな悲鳴が聞こえた。
このクソ野郎、ふざけやがって!
てめぇだけは、絶対ぇこの手でブチ殺す!
殺意と共に握った左手が、椅子の肘かけをゴリっと爪で削る音を響かせて、隣にいたエンディミオン殿下とアリューシャの視線がそこへ向いたのが気配だけで分かった。
『期限は明後日だ! それまでに魔法薬を作れなかったら、お前は鞭打ちの仕置きだ! 分かったな⁈』
『………はい』
「もういい。風の精霊を止めたまえ」
彼女の返事を聞いてすぐ、公爵がそう言ったので、俺は風精霊の中継を遮断した。
この会話が交わされている場所が何処なのか、俺は一切口にしなかったのに、公爵は全て分かっているような顔をしていた。
「キミが欲しているのは、物的な証拠だね?」
「そうだ」
公爵に問われたことに、俺は単語と称して差し障りのない、短い返事を紡いだ。
「ファーフリスタ伯爵家を潰せというのかね?」
「それはいい。かのじょをすくいだしたら、じりきでつぶす。そのまえに、ファーフリスタけが、かのじょをとりかえせない、せいとうなりゆうがほしい」
そう。
リリエンヌをこれだけイジメ抜いて、こきつかって、迫害レベルなことをしといて、一瞬でその苦しみを終わらせてなんかやるもんか。
「かぜのせいれいで、あのいえのじょうきょうは、こうしてさぐれる。やみのせいれいで、しょうこになりそうなものが、どこにかくされてるのかもつかんでる。だが、げんりんしているわけではない、せいれいたちに、ませきいがいのぶっしつは、きほん、つかさどっているぞくせいかんれんのものしか、はこぶことができない。かといって、おれがじぶんでのりこめば、あやしんだはくしゃくやクソアニキが、しょうこをいんめつするおそれもあるし、かのじょにだって、なにをするかわかったもんじゃない。それが、こうしゃくにたのんでる、おもなりゆうだ」
「恐らく、これがキミの秘密とやらの内の1つなのだろう? もう1つは?」
「……光の精霊。俺に見せてる物を皆にも見せてやれ」
公爵の言葉を交渉成立と受け取った俺は、右の掌上に光属性の魔力を集積して、ダリルの頭の上に放った。
俺から魔力を供給された光の精霊によって、パアッと明るいけれど、柔らかな光がそこに灯り。
『この人、王室暗部の人! ダリルっていうんだよ!』
と、描き出していた文字を光の精霊が具現化して、その場の全員が呆気に取られた顔をした。
良い子の皆は、言わなくても分かるよな!
光の精霊が、この文字を書いたのは、さっきじゃない。
今だ!
目的の1つも達成出来て、逃げ道の確保も出来る、一石二鳥の手段なんだよ!
いいじゃねぇか、ちょっとくらい誤魔化しても!
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