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第4章 集まれ仲間達
エルドレッドの選択 -4-
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きっと言いたいことが顔に出ていたのだろう。
フランソワーヌが、俺を見て何処か遠い目をするだけで返事とし、そそくさと屋敷のパーラーメイドなのだろう女性の所へ向かって指示を出し始める。
彼女の目が物語っていたもの。
それはきっと「止められるものなら止めている」的な代物なのだろう。
まぁ、確かに悪役令嬢のストッパー効果って女主人公には、ありとあらゆる意味合いで無視されることの方が多いしな、うん。
ご苦労さん。
「ねぇ、エル。キミのそのかみのけと、ひとみのいろは、やっぱり、せいれいのかごをもらってる、しるしなのかい?」
興味津々のキラキラおめめを男に向けられても嬉しくないが、同郷の士であり、同好の士でもある2人は先刻承知だろうから、この場でそれが分からないのはエンディミオン殿下だけなんだよな。
「そうだよ。おれは、じぶんのもくてきのために、ちからがひつようだったから、からだやいのちに、どれだけふたんがかかろうが、かまわないってはなしをして、それぞれのせいれいおうから、いちばんつよいかごをもらったんだ」
「さいしょから、せいれいおうにこうしょうしたの⁈ むちゃするわねぇ」
「ええ。よくとおりましたわね」
段階を一切踏まず、一足飛びで精霊王に交渉を持ちかけたのは、俺にとっては命がけの賭けだったけれど、精霊王達にとっては織り込み済みの予定調和だったのだろうと思う。
俺がそれを確信したのは、水の精霊王と交渉した時。
王と呼ばれているのに女性体で現れた水の精霊王は、あの時、確かに俺に言ったのだ。
『これまで、わたくしたち精霊からの加護が欲しい、契約して欲しいと求める者達は、須らく己の欲望を満たす為、という者が多かったのだけれど、その望みの果てに他者がいる子は珍しいわね。魂が女神の庇護下にある理由が窺えるわ』
女神の庇護下。
恐らくは、アリューシャとフランソワーヌもそれに該当しているのだろうと、こうして2人と会った今なら分かる。
だからかな。
このメンバーには、話しておいた方がいい気がした。
「うんがよかったぶぶんもあったさ。なんっていうかぁ、こおぉ、しほうはっぽうから、からだのあちこちをメッチャつよくひっぱられてぇ、こまかぁく、バッラバラにされたあげくに、ちまちまちまちまつなぎあわされて、もとにもどされた? っつーのが、いちばん、あじわったかんかくに、ちかいんだよな。もどったはもどったんだろうけど、どこかでじぶんじゃなくなってるってかんじが、しばらくぬけなかったし?」
物凄く感覚的に俺が体験したことを話してやると、エンディミオン殿下は難しそうな顔をして眉間に皺を寄せ、アリューシャは呆れ混じりに厭そげな顔をした。
「むごたらしくも、こうしょうなたいけんの、ぶりょうをなぐさめるには、たりないかもしれませんが、おちゃうけに、こちらをどうぞ」
ほんの僅か、同情を滲ませた口調で言ったフランソワーヌが、紅茶の入ったカップを配り置いて行くパーラーメイドの後を追いかけるようにして、テーブルの上へと差し出してきたのは、細長い陶器の皿に。
白、黒、茶の順で、ちょこんと乗った。
間違うことなき。
温泉まんじゅうだった。
フランソワーヌが、俺を見て何処か遠い目をするだけで返事とし、そそくさと屋敷のパーラーメイドなのだろう女性の所へ向かって指示を出し始める。
彼女の目が物語っていたもの。
それはきっと「止められるものなら止めている」的な代物なのだろう。
まぁ、確かに悪役令嬢のストッパー効果って女主人公には、ありとあらゆる意味合いで無視されることの方が多いしな、うん。
ご苦労さん。
「ねぇ、エル。キミのそのかみのけと、ひとみのいろは、やっぱり、せいれいのかごをもらってる、しるしなのかい?」
興味津々のキラキラおめめを男に向けられても嬉しくないが、同郷の士であり、同好の士でもある2人は先刻承知だろうから、この場でそれが分からないのはエンディミオン殿下だけなんだよな。
「そうだよ。おれは、じぶんのもくてきのために、ちからがひつようだったから、からだやいのちに、どれだけふたんがかかろうが、かまわないってはなしをして、それぞれのせいれいおうから、いちばんつよいかごをもらったんだ」
「さいしょから、せいれいおうにこうしょうしたの⁈ むちゃするわねぇ」
「ええ。よくとおりましたわね」
段階を一切踏まず、一足飛びで精霊王に交渉を持ちかけたのは、俺にとっては命がけの賭けだったけれど、精霊王達にとっては織り込み済みの予定調和だったのだろうと思う。
俺がそれを確信したのは、水の精霊王と交渉した時。
王と呼ばれているのに女性体で現れた水の精霊王は、あの時、確かに俺に言ったのだ。
『これまで、わたくしたち精霊からの加護が欲しい、契約して欲しいと求める者達は、須らく己の欲望を満たす為、という者が多かったのだけれど、その望みの果てに他者がいる子は珍しいわね。魂が女神の庇護下にある理由が窺えるわ』
女神の庇護下。
恐らくは、アリューシャとフランソワーヌもそれに該当しているのだろうと、こうして2人と会った今なら分かる。
だからかな。
このメンバーには、話しておいた方がいい気がした。
「うんがよかったぶぶんもあったさ。なんっていうかぁ、こおぉ、しほうはっぽうから、からだのあちこちをメッチャつよくひっぱられてぇ、こまかぁく、バッラバラにされたあげくに、ちまちまちまちまつなぎあわされて、もとにもどされた? っつーのが、いちばん、あじわったかんかくに、ちかいんだよな。もどったはもどったんだろうけど、どこかでじぶんじゃなくなってるってかんじが、しばらくぬけなかったし?」
物凄く感覚的に俺が体験したことを話してやると、エンディミオン殿下は難しそうな顔をして眉間に皺を寄せ、アリューシャは呆れ混じりに厭そげな顔をした。
「むごたらしくも、こうしょうなたいけんの、ぶりょうをなぐさめるには、たりないかもしれませんが、おちゃうけに、こちらをどうぞ」
ほんの僅か、同情を滲ませた口調で言ったフランソワーヌが、紅茶の入ったカップを配り置いて行くパーラーメイドの後を追いかけるようにして、テーブルの上へと差し出してきたのは、細長い陶器の皿に。
白、黒、茶の順で、ちょこんと乗った。
間違うことなき。
温泉まんじゅうだった。
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