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第2章 共同戦線スタート

女神サーシャエール -2-

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[アリューシャ、フランソワーヌ……いえ、舞子さん、友理恵さん、わたくしの世界へようこそ]

 本物の美女の微笑みって凄いな。
女の私達ですら見惚れてしまって即座に言葉が出て来ない。

 ん?

 てか、まいこさんって……舞子さん?

 わたしの前世の名前じゃん。

「サーシャエール様」

 右隣でフワッと何かが光ったのを感じて、そちらに目をやったわたしは、フランソワーヌの姿が光の粒みたいになって輪郭を歪ませ、バリキャリ秘書みたいなメガネ美人が現れたのに目を瞠った。

「これって異世界転生なんですよね? どんな理由で自分が死んだのか、よく覚えてないですけど、寝食削りに削って貢ぎまくった大好き過ぎる世界に呼んでいただけて光栄です。高慢チキで高飛車なお嬢様とか悪の華とか私じゃ絶対再現無理だけど、それでも生で動いて喋ってる最推し聖騎士、アルフレッド様を拝めるというただそれだけで、例え悪役令嬢転生だろうが処刑ENDを食らうのだろうが、2回目の我が人生、既に悔いなし飯ウマ確定です。本当に有り難う御座います」

 指組みした両手で祈りを捧げるような格好をしたバリキャリ秘書は、心からそう思っているのが分かるキラキラした瞳をサーシャエール様に向けながら感謝らしきものを紡いだ。

 言ってる内容、特に後半部分が、わたしと同じガチ勢臭しかしない発言に塗れていて共感しかなかった。

 サーシャエール様は、彼女……多分、友理恵さん? の発言に引く様子すら見せず、正に女神としか思えないような美しい微笑みを再び見せてくれた。

[うふふ。喜んでくれて嬉しいわ。貴女達2人はね、わたくしが生み出した世界のことをキャッチして、アプリゲームというのにしてくれた方達を通して、この世界とそこに居る人々をとっても愛してくれているからって、地球の管理界神様が魂を預けてくださったのよ?]
「地球の神様が、ですか?」
[ええ]

 わたし達がこの世界に転生することになった事情部分なのだろうことを口にしたサーシャエール様に問いを投げるとすぐに、ゆるりとした優雅な仕草での首肯が返った。

[実はね、貴女達の他にも数億人規模でいるのだけれど、地球で起こったある不幸な出来事で、亡くなった沢山の魂達が傷ついてしまって、このまま地球の地獄や冥界で裁判を経て転生しても壊れた魂の所為で長生き出来なかったり、不幸な生を送ることが分かり切っていたから、地球の管理界神様達と神仏界仏神様達が協議なさって、貴女達が、楽しい嬉しいって思えそうな他世界へ一時的に魂を預けて健やかに過ごして貰うことで、魂の傷を癒し、救済をしたいと色々な世界へ協力を要請なさったのよ]
「地球の神様スーパースペシャル有り難う! ウルトラgj! 誰が何と言おうと貴方がたの判断と決断を全力で支持し、この溢れ出る萌えと共に最大級の感謝を捧げます!」
「右に同じ! この恩は生涯忘れません!」

 力強く握った右手を高々と上げたバリキャリ秘書・友理恵さんとわたしは、全力で地球の神様達にエールと感謝を送った。

[うふふ。だからね? 悪役令嬢とか女主人公ヒロインとか、あんまり深く考えなくていいわ。残念ながらお約束だから魔王は復活しちゃうけど、目的が目的だから魔王に関するBADENDルートは今回・・塞いであるわ。勝てることもその方法も分かってる子達ばっかり転生して来てるから、その子達と協力して、楽しく過ごして?]

 魔王戦のBADENDルートは別名「全世界滅亡ルート」だから、今聞いた目的を考えるならサーシャエール様の判断は間違っていないとは思う。

 けど「今回は」って、どういう意味?

 それを質問しようとしたけれど、それより早くサーシャエール様は仰った。

[そうそう。貴女達を含めた転生者達の推しは、全員ちゃんとゲームに出てきたこの世界の子だから元々のカップルとか気にしないで、安心してアタックしてね?]


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