お金がないっ!

有馬 迅

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第3章 謎な扉のその先に

魔法のことを -1-

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 では次に優先順位第4位。

「この世界の魔法は、私にも習得可能か?」

【YES, 学習または修行をする方法と万能花葉で該当ポーションを作成、摂取することで履修できます】

 万能花葉さんは、本当に万能だった。

 やっぱりさ、誰もが1度は考えると思うんだ!

 折角、魔法があるのなら。

 それを自分が使えそうだって分かったら、使ってみたいじゃん⁈

(という訳で! 万能花葉さん! 俺が魔法使えるようにして!)

 どう頼めばいいもんなのか、てんで分からないので、かなりアバウトかつ、総括的な感じで頼んだ俺に万能花葉さんは、2本の青いバラを出してきた。

 バラの中心には、綺麗な空色をした琥珀糖みたいなのがそれぞれあった。

 俺は2つを収穫して、いつものようにジッと眺める。

【蒼き賢者の石:定められた材料ときちんとした製法で作られたことにより空の蒼を宿した万能エーテル結晶。1つを額中央に、もう1つを心臓上に押し当てることで使用します】

 へー……賢者の石ってマンガとかゲームとかで出てくることあるけど、某連作ゲーム以外は赤が主流だったから赤い物なのかと思ってた。

【赤き賢者の石は、定められた材料の1つを手に入れることが出来ない者達が唯一、手に入る代用品を使って作成する為、赤くなります】

 なるほど。

 原材料の差が色に出るんだ。

 効果にも差が出来るのかな?

【病原菌と微生物が満載された毒沼の泥水と超純水くらいの差があります】

 え?

 それってさ?

 物を溶かす能力自体に差はないけど、意味と方法が違う的な、そんな感じ?

【YES】

 ……分かったような、分かんないような?

 まぁ、いいや。

(えっと、額の中心と心臓の上)

 俺は、それ以上、深く考えることをやめてウインドウさんが教えてくれた通り、2つの石を所定の位置に押し付けた。

 すると押し当てた石は、何の抵抗もなく俺の身体の中へ、スルッと入って行ってしまう。

 予想外のことが起こって驚いた俺は、つい反射で石を取ろうとしてしまったけど、遅かったみたいで、もう掴むことも摘むことも出来なくなっていて、完全に俺の中に入り、消えてしまった。

(えっ⁈ こ、これ、大丈夫なん?)

【YES, 自身で制御することの出来なかった魔力とエーテルを2つの賢者の石によって制御出来るようになりました。この世界の魔法を取得しますか?】【YES】【NO】

 あー……そもそもの目的そこだもんな。

 持ってない、使えない物を利用可能にするからには、何かしらの処置って必要だよな。

(例え俺がこの世界に、ちゃんと存在する種族として転生してきたんだとしても修行とかしないでいきなり使えるようにしてくれって言ったんだもんな。これからは確認してからやるようにしよう。うん)

 自分が選択した結果の出来事でした。

 はい。

 分析と反省終わり。

(ウインドウさん、これYESとNOそれぞれ選んだ場合、どうなるのか教えて?)

【NOの場合は体内魔力の循環がスムーズになる為、より確実に魔力の流れを感知出来るようになり、また世界に溢れているエーテルの存在を知覚出来るようになるだけなので魔法の習得は自力で行うか、別途、万能花葉での取得が必要になります。YESの場合は、万能花葉で取得しただけの魔法をすぐ使用可能になります】

 やっぱり聞けば教えてくれた。

 これが正解だな。

 そんでもって、現状、すぐに魔法を使いたければYESを選択して、今、得た能力を把握して慣れてから魔法取得するならNOって感じか。

 んー……石が身体の中へ入って来ても違和感、特にないしなぁ。

(YESでいっか)

 魔法への好奇心が抑えられないのもあって、俺は【YES】の文字に触れ、後はウインドウさんと万能花葉さんに任せることにした。

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