お金がないっ!

有馬 迅

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第3章 謎な扉のその先に

世界のことを

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 やがてウインドウさんのVer.UPが終了し、この消失点が存在するレベルの壁天井一杯に詰め込まれている本の群れ……ライブラリーらしき物をギュギュッと取り込んでくれたことを。

【ライブラリーのインストールが完了しました】

 の、表示で知る。

 これでどれだけのことをこのウインドウさんで教えてくれるようになったのかは、分からないけれど、少なくとも分かんないことだらけの俺よりは、きっと知識が一杯ある筈。

「教えてくれ。この世界は、俺が前世で住んでいた所のように “星” ……何処かの惑星上にあるのか?」

【YES, 惑星サーナタリオスに存在する7つの大陸、その1つであるセルリオ大陸上にあります】

「では、セルリオ大陸について教えてくれ」

【YES, 惑星サーナタリオスのald15.7pec(緯度36度)、artw41.5pec(経度95度)に存在する大陸です。総面積41,480,000helz(約95,000,000k㎡)、昨日までの存在国数47ヶ国、現在存続国数12ヶ国です】

(うわぁっ……たった1日で減ったなぁ)

【東西にも南北にも広い大陸であり、存在種族も他の大陸に比べて種類豊富なのが特徴。現在、虫人による全方位無差別侵略行為により大陸全土が戦禍の只中にあります】

「被害状況を地図にして出せるか?」

【YES】

 俺の求めに従って、ウインドウさんが左側の何も置いていない壁に大きく地図を出してくれた。

 赤が虫人達の侵略終了地域、まだ頑張って防衛している国は青で表示されているのが、右側にある凡例の所でわかる。

 さっきの説明通り大陸上は、ほぼ真っ赤っか状態で、これが戦略シミュレーションや陣取りゲーム系ならこっから逆転するの無理ゲーじゃね? と判断する人間が圧倒的な気がした。

 ……逆に燃える人も居そうだけど。

 とにかく侵略スピードが尋常じゃなく早い。

「この世界に空を飛ぶ乗り物はあるか?」

【NO】

「では、それに相当する魔法や種族特性で飛行可能な者、またはその代替え手段に成り得る物体や生物はいるか?」

【YES, 魔法は自身に空を飛ぶ力を発現させる飛翔魔法が存在します】

 やっぱ魔法だとあるんだ。

【種族特性としては、翼や羽根がある生物が存在しますが、ごく1部、滑空はできても飛べない種が半人種、多様種に確認されています】

 そうね。

 滑空は出来ても飛べないもんね、蜚蠊って。

【物体としては反重力鉱物グラビティアライトが存在していますが、まだ発見されていません】

 未発見鉱物ぅー。

 何となくだけど王政政治な国が最低でも47ヶ国中、3ヶ国ある訳で、航空機に該当する物がないくらいの文明レベルっていうと地球で言うとこの産業革命前だな。

 機械化が殆ど進んでない系かな?

 下手すりゃ大航海時代的なものすら来てない可能性があるし?

 ……もしかするとアレかな?

 石炭とか石油とかと一緒で、この反重力鉱物グラビティアライトっていうのが発見されると一気に文明が進んだりするんだろうか?

 知ることによって新たな謎が発生する、辞典辞書盥回しイタチごっこに陥ってるような気がヒシヒシとしながら、俺は質問することの優先順位を頭の中で整理し直していた。

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