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見知らぬ家
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「う、ううん……」
私はうなだれるように起きた。
最初目に映ったのは、天井が高く辺り一面丸い木材を横に組み上げて作られた、コテージのような建物だった。
私は寝返りを打った。
そこに見えたのは暖炉で串を刺した魚を焼いている青年の姿。
「お、起きたか。まあ座れ」
怪しい感じではなかったが見たこともない肌の色をしていたので少し引いてしまった。
「ん? ああ。この肌のことは気にすんな。生まれつきだ」
見透かされてた。
私は言われるがままぺたぺたと木の床を歩き、暖炉の前にあるテーブルと椅子に座った。
「食うか?」
青年は焼いた魚を差し出した。
思えばお腹空いた。昨日あんなに走ったからか、何か食べたい。
青年は腹に食らいつくように食べる。
私はその魚を受け取り、私もそれに倣って頂く。脂がのって、身は極上のお肉のように柔らかく、ほのかに香る塩の香りが食欲をそそらす。
(美味しい!)
私は乙女にそぐわぬ食べっぷりでいただいた。
「俺の名はルーイ。ルーイ・マグネスだ」
青年は食べる手を途中で止め、私に挨拶してきた。
「……私は、サーシャ」
「サーシャか。なあサーシャ、お前どこから来たんだ?」
突拍子に質問してきたので少し黙ってしまう。
そんなことを言われても……自分でもよく分からないけど落ちてきたので、私は上を指さした。
「いや空からって……俺受け止めたのだからそれくらいは分かるよ……。どうやって空から落ちてきたと聞いてるんだよ」
(うーん、なんて言えばいいのかな)
「くしゅん!!」
くしゃみが出てしまった。思ったよりも大きい音が出てしまった。
私は恥ずかしくって赤くなってしまう。
「あ、悪い悪い。着るもの外に干したままだった。しかしまだ乾いてないからな……ちょっと待ってろ」
そう言った後ルーイは出かけて行った。
男物のシャツを一着。今の私はそんな恰好だった。
それを人に見られたということに深い羞恥心を感じ、また顔が真っ赤になる。
暫く恥ずかしさで悶えていると、急にドアが開いた。
「!」
私は咄嗟に近くにある棚に隠れる。
もう帰ったの?
そう思ったが玄関から現れたのは全く見知らぬ人だった
「オイ、ルーイ居るか?」
緑色で統一された軍服のような服装に、腰の右には七十センチくらいの刀、左には拳銃を黒色のホルスターに入れてぶら下げていた。
髪はショートの黒髪で肌の色はルーイと比べたら比較的白く、黒い深い瞳をしていた。
少しかっこいい。
「オイ、聞いているんだが」
は、じっと見てしまってばれてしまった。隠しても仕方ないので正直に答える。
「そうか、居ないか。なら置き土産をするか」
そう言った彼は、ゆっくりと私のところに近づく。
え、何?
手が触れられる距離まで来たとき、急に腕を掴まれ引っ張られた。
え、何?
「キャー!!」
反射的に悲鳴を上げてしまう。
そのまま後ろの首の辺りに手刀。
そのまま私は気絶してしまった。
作者からの一言
余談だが、この方法で人が気絶することはまずない。
余りにも強い力でやると脳震盪で殺しかねないので、みんなマネするなよ☆
私はうなだれるように起きた。
最初目に映ったのは、天井が高く辺り一面丸い木材を横に組み上げて作られた、コテージのような建物だった。
私は寝返りを打った。
そこに見えたのは暖炉で串を刺した魚を焼いている青年の姿。
「お、起きたか。まあ座れ」
怪しい感じではなかったが見たこともない肌の色をしていたので少し引いてしまった。
「ん? ああ。この肌のことは気にすんな。生まれつきだ」
見透かされてた。
私は言われるがままぺたぺたと木の床を歩き、暖炉の前にあるテーブルと椅子に座った。
「食うか?」
青年は焼いた魚を差し出した。
思えばお腹空いた。昨日あんなに走ったからか、何か食べたい。
青年は腹に食らいつくように食べる。
私はその魚を受け取り、私もそれに倣って頂く。脂がのって、身は極上のお肉のように柔らかく、ほのかに香る塩の香りが食欲をそそらす。
(美味しい!)
私は乙女にそぐわぬ食べっぷりでいただいた。
「俺の名はルーイ。ルーイ・マグネスだ」
青年は食べる手を途中で止め、私に挨拶してきた。
「……私は、サーシャ」
「サーシャか。なあサーシャ、お前どこから来たんだ?」
突拍子に質問してきたので少し黙ってしまう。
そんなことを言われても……自分でもよく分からないけど落ちてきたので、私は上を指さした。
「いや空からって……俺受け止めたのだからそれくらいは分かるよ……。どうやって空から落ちてきたと聞いてるんだよ」
(うーん、なんて言えばいいのかな)
「くしゅん!!」
くしゃみが出てしまった。思ったよりも大きい音が出てしまった。
私は恥ずかしくって赤くなってしまう。
「あ、悪い悪い。着るもの外に干したままだった。しかしまだ乾いてないからな……ちょっと待ってろ」
そう言った後ルーイは出かけて行った。
男物のシャツを一着。今の私はそんな恰好だった。
それを人に見られたということに深い羞恥心を感じ、また顔が真っ赤になる。
暫く恥ずかしさで悶えていると、急にドアが開いた。
「!」
私は咄嗟に近くにある棚に隠れる。
もう帰ったの?
そう思ったが玄関から現れたのは全く見知らぬ人だった
「オイ、ルーイ居るか?」
緑色で統一された軍服のような服装に、腰の右には七十センチくらいの刀、左には拳銃を黒色のホルスターに入れてぶら下げていた。
髪はショートの黒髪で肌の色はルーイと比べたら比較的白く、黒い深い瞳をしていた。
少しかっこいい。
「オイ、聞いているんだが」
は、じっと見てしまってばれてしまった。隠しても仕方ないので正直に答える。
「そうか、居ないか。なら置き土産をするか」
そう言った彼は、ゆっくりと私のところに近づく。
え、何?
手が触れられる距離まで来たとき、急に腕を掴まれ引っ張られた。
え、何?
「キャー!!」
反射的に悲鳴を上げてしまう。
そのまま後ろの首の辺りに手刀。
そのまま私は気絶してしまった。
作者からの一言
余談だが、この方法で人が気絶することはまずない。
余りにも強い力でやると脳震盪で殺しかねないので、みんなマネするなよ☆
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