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3章
姫は通気口の中
しおりを挟む「は?」
地を這うような声がした。いや、おひいさんって誰よ。というか、眼鏡彼女持ちだったのか。絶対何股とかしてるんだろ。その内の本命がおひいさん?うわ、なかなかに最低なやつだったのか。
「いやぁ、悪いなー。」
鶴羽さんが悪びれなく謝罪してるがそんな態度とったら相手を怒らすだけでは?あの人ほんと敵しか作らねぇ。
「今更のこのこやって来て、何かと思えば…………貴方という人はっ!!」
ガンッ
ドガッ
おっと、戦闘の予感。これは流れ弾くるパターンでは?
「まあまあ、元々お前のものでもないんだし。大体あの子もまさか君から好かれてるとは思ってすらいないよ?恋愛下手だなぁー。」
へらへらと笑いながらひらりひらりと躱しながら眼鏡に対して蹴りを入れていくが、眼鏡は器用に受け止める。現状互角の戦いだが、鶴羽さん、武器を持ってないのだろうか?
あの腰に付いてるブツは武器ではないのだろうか?
「貴方、どこにやったんです?」
眼鏡が投げナイフを投げたりするが、鶴羽さんの服にすら掠りもしない。
あの人ほんと動きが軽いよなー。体重どれくらいなんだろうか。もし、私より軽ければ審議の余地がある。
「さぁ?まだ連れ出してないかもしれないし、連れ出したかもしれない。どっちだろうなぁ。……どっちだと思う?」
茶化すような鶴羽さんの口調が一瞬突き放すような声に変わる。はー、流石鶴羽さん。演技力も高いわー。うん、これは演技。これは演技。私、鶴羽さんの殺気なんて知らないよー。
「恐らく連れ出した後なのでしょう?でなければこんな悠長なことはしない。」
ハッハッハ、鶴羽さんに常識が通じると思ってる辺りこいつはまだまだだな。
というかいつまで殴り合ってるの。眼鏡が拳につけてるのメリケンサックじゃない?危なすぎない?というかなんでそんな野蛮なもの持ってんの?お前インテリ眼鏡じゃないの?
「君の頭の固さは相変わらずだなぁ。そんなんだから昇格出来ないだぞ。」
語尾に星がつく勢いで言ってるけどこいつも結構偉くなってるからね?瑠璃くんの直属部下とか位置的には高いんだからね?まあ、上司が瑠璃くんな辺りは不憫だとは思うけれど。名持ちじゃないと昇格してない判定は安易だと思いますよ。
「私は前よりは権力はあります!昔とは違う。」
そうそう、こいつも頑張ってるんだよ。瑠璃くんという暴君に仕えている。もうそれだけで素晴らしいと思うよ。
でも昔の方が仕事的には楽だったんじゃない?
…………あれ?私いつまでここにいればいいの?
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