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二、鬼と人
帰路
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ハクがルリ姫を城へ送り届ける道中。
「ハクさん、今日は色々あって怖かったわ」
「ハクさん、あの鬼は不思議ね」
「私、あの鬼は怖くなかったの。あ、お礼を言いそびれてしまったわ」
ルリ姫が一方的に話をしている。
「また、彼に会えるかしら」
ここでようやくハクが反応し「私から彼に伝えておきます」と、彼女に視線を向けて言った。
ルリ姫は、彼の視線が自分に向いたことが嬉しくて、真顔の彼に思わず彼女の頬が桃色に染まる。
ルリ姫は思い切って彼に尋ねた。
「あの、ハクさん! 最近、町に気になる女性でもいますの?」
ハクは何やら考え込んでいるようだ。ルリ姫の鼓動は落ち着かない。
(そんな女性はいないと言って! ハクさん!)
「はい。います」
今度はルリ姫に視線を向けず、ハクは答えた。あっという間に、彼の関心が彼女から逸れてしまったようだ。
(……こんな事なら聞かなければ良かったわ)
血の気が引くと同時にルリ姫の視界が真っ白になり、彼女の可憐な桃色の表情は、色褪せた灰色へと変わった。
「ハクさん、今日は色々あって怖かったわ」
「ハクさん、あの鬼は不思議ね」
「私、あの鬼は怖くなかったの。あ、お礼を言いそびれてしまったわ」
ルリ姫が一方的に話をしている。
「また、彼に会えるかしら」
ここでようやくハクが反応し「私から彼に伝えておきます」と、彼女に視線を向けて言った。
ルリ姫は、彼の視線が自分に向いたことが嬉しくて、真顔の彼に思わず彼女の頬が桃色に染まる。
ルリ姫は思い切って彼に尋ねた。
「あの、ハクさん! 最近、町に気になる女性でもいますの?」
ハクは何やら考え込んでいるようだ。ルリ姫の鼓動は落ち着かない。
(そんな女性はいないと言って! ハクさん!)
「はい。います」
今度はルリ姫に視線を向けず、ハクは答えた。あっという間に、彼の関心が彼女から逸れてしまったようだ。
(……こんな事なら聞かなければ良かったわ)
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