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暴徒初確認
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「凛花、おかえり」そう凛花に手を振った黒濤は、「さっさと帰ってご飯作るわよ」と凛花に言われ、彼女の後ろをついていこうとする。途端、「きゃぁぁぁぁぁ!!!」遠くから叫び声が聞こえては、「そこにいろ。」黒濤は凛花を庇い、走って行く。「バカ言わないでよ!」凛花が黒濤を追いかけては、「!?」そこには、自我を失い、ナイフを持って暴れている人間がいた。「ぅ゙ぐぉおお」声にならない声を上げ、ナイフを見せびらかしながら、凛花のほうに向かってくる人間。凛花が触れようとしたとき、「触っちゃダメだ!!!!!」と黒濤が叫んだ後、銃を二、三発撃つと、暴れていた人間はその場で倒れ込み、消失する。「消え….た?」凛花が瞬きし、呆然と人間が消えた方を見たが、下ではそれどころじゃない量の自我を失った人間たちが溢れかえり、次々と接触しては増やしおにのように増殖していき、パニック状態になっていた。「なんだあれ……」黒濤は、凛花を守りながら、必死に下へ走っていく。「下に行くの!?」凛花が声を上げるが、「上に行ったって追いかけられて俺たちもああなるだけだ、出口に行かないと!」と凛花を抱え、「うおおお!」と走りだした。外に辿り着けば、外ももう繁殖状態。黒濤と凛花以外に、かろうじて逃げることが出来た数十人しか意識を保っていそうな人間はいなかった。と、なれば当然こちらに奴らは向かってくる。刃物を振り回す奴、ラッパーみたいに手を動かす奴、すばしっこく無差別に人を触ろうとする子供。「みんな…どうしちゃったの」凛花が呟くと、黒濤は「さぁ…」と言葉を詰まらせる。自衛隊員が、銃で自我を失った人間たちを放つと奴らは消滅、直後、自衛隊員は黒濤に銃を向ける。「やめてください!俺たちは違─────」と言っては、自衛隊員は、「なんだ、兄貴か」とヘルメットを外し、にこり、と微笑んだ。「雅斗!??????」黒濤は、驚きながらも「これ、どういう状況だよ!?」と弟の雅斗に詰め寄る。「俺にも分からない」と雅斗は首を横に振った。「ただ奴らに触れば、俺たちもああなる。映画みたいだな」と説明し、少し興奮する雅斗に、黒濤は「帰った方がいいか」と問いかけるが、雅斗は「それもダメだ。もう交通機関は止まっている」と黒濤に補足した。「私たち帰れないの!?」凛花は突然の事態に混乱しながら叫ぶ。「情報が足りなさ過ぎる。もう暫く辛抱してくれ」と雅斗に宥められると、凛花は「いつ私たちが嗚呼なるかわからない状態で辛抱してって言われたって…」と不安で仕方ないような表情を浮かべた。黒濤は「モールの中も奴らだらけだった、頼む雅斗」と弟に託す。弟は「そのつもりだよ」と応えて、モールの中へ消えていった。黒濤が視線に気づき、後ろに振り返れば、黒パーカーの男が過ぎ去って行くのが見えた。黒濤は、「?」と不思議そうにその場を見つめるが、凛花が「とりあえず休める場所探しにいくよ」と黒濤を連れていけば、黒濤は「嗚呼…」と返し凛花に大人しく連れてかれるのだった。
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