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第2章~2回目の小学生~
第15話Part.7~俺たちの学園生活はこれからだ!~【終】
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ルークが入った一等男子寮は学校から多少離れた高台にある。街の中心だとどうしても騒音が多くなるため、ゆっくりと過ごす空間を提供するために離れた場所での設計になったらしい。しかし遠くなった分は寮に常に馬車が控えており、それを使って楽に通学できるようだ。
まあ俺たち二等以下の寮生からすれば一等の寮を訪ねるのは中々にホネだ。まあそれも狙ってのことだという噂も聞くが、本当のところは分からない。
さすがに徒歩で一等寮に行くのは面倒なので、みんなでお金を出し合って馬車に乗った。6人乗りの大きな馬車。雨は降らなさそうなので料金が多少安くなる屋根のないの馬車にした。
運転手に戦闘大学校の一等寮に行きたいと言うと少し嫌そうな顔をされたが一応そちらに向かってくれるようだ。行先を言う前はニコニコしていたのに言った途端に嫌そうな顔をされた意味が分からないまま一等寮に到着する。
俺たちは一等寮の守衛に学生証を提示してルークが到着しているか、到着していれば取り次いで欲しいとお願いする。守衛は恭しく応じたが俺たちの後ろに居る馬車をチラリ見た。何か少し鼻に付く動きだった。なるほど馬車の運転手が嫌そうだった理由が何となく分かった。
ルークはこちらに到着しているようだ。使用人に取り次いでもらい、俺たちはルークの部屋へと通してもらった。ルークの部屋は俺の部屋よりも更に広い上、調度品や家具なども超一流の品ばかり。こんなものを一学生の一部屋ずつ置いているのかと圧倒させられた。
一部屋一部屋にとてつもない費用が掛かっているであろうことは容易に想像がつき、おいそれと物に触れないなと思った。
「みんな!来てくれてうれしいよ!」
「よ!すっげえ部屋だなあルーク。何だこれ!」
「あはははは……。僕もちょっと慣れない……。」
「これはぁ、僕のお小遣いの何ヶ月分だろぉ。」
「分からん。」
嬉しそうに出迎えてくれたルーク。彼もこの豪華絢爛な部屋は慣れないらしい。彼のアバーテ家はリール・ア・リーフの伯爵家。だがその伯爵家の家よりもこの部屋は絢爛豪華なものになっているらしい。
「でも5階のフルーレ大公家のバルフォア殿下が入る時は色々運びこまれてたからもっとすごそうだよ。」
「バルフォア、殿下……?」
聞きたくもない名前が出た。まああり得ないだろうとは思っていたが、俺との闘いでの失態で試験に落ちていてくれないかなあと少しだけ期待していたあのチンピラ大公殿下、バルフォア・フルーレ・ドーラ・アヴァカンもやはり合格していたようだ。
「ど、どうしたの……?」
「ファンデンの奴、殿下に絡まれちまったんだよ。」
「そ、それは……ご愁傷様でした。」
俺の表情が明らかに不快さと面倒くささが同居したものに変わったのを感じ取ったルークがどうしたのかと聞いてきた。俺は何も答えなかったが、代わりにあの時一緒だったセリオスがルークに教えてやる。ルークもアイツの様子は見たようで、慰めの言葉を掛けてくれた。俺はもう苦笑いするしかなかった。
「バルフォア・フルーレ・ドーラ・アヴァカン?あの破剣公バルトルメスの子孫だろ?!どうしたんだ!」
「いや……その……。気に障ったのか、怒らせたのか……ちょ、ちょっとね。」
「何ッ?!……まあファンデンが意味も無くわざわざ怒らせるわけないか。」
普段はあまり口数が多くないフリオもバルトルメス関係ともなれば話は別、俺とバルフォアの間に一悶着あったと聞いて慌てたように俺に聞く。俺はどう説明したものかと少ししどろもどろになったが、フリオも割合あっさりと納得してくれたようで直ぐに引いてくれた。
「ルークも行くよな!?飯!」
「ありがとう。もちろん僕も一緒に行くよ。」
「よぉし、みんなで行こぉ!」
シェーベリー戦闘大学校を全員で受けて全員が受かった。そしてシェーベリーで再集結した俺たちがまず初めに行ったことは一緒にディナーへ行く。
目指すものは皆それぞれ違い、きっと今のようにずっとは共に居れないだろうが、今はそんなことは考えずに友人たちとの時間を過ごそう。せっかくもう一度の人生を貰ったのだから……。
まあ俺たち二等以下の寮生からすれば一等の寮を訪ねるのは中々にホネだ。まあそれも狙ってのことだという噂も聞くが、本当のところは分からない。
さすがに徒歩で一等寮に行くのは面倒なので、みんなでお金を出し合って馬車に乗った。6人乗りの大きな馬車。雨は降らなさそうなので料金が多少安くなる屋根のないの馬車にした。
運転手に戦闘大学校の一等寮に行きたいと言うと少し嫌そうな顔をされたが一応そちらに向かってくれるようだ。行先を言う前はニコニコしていたのに言った途端に嫌そうな顔をされた意味が分からないまま一等寮に到着する。
俺たちは一等寮の守衛に学生証を提示してルークが到着しているか、到着していれば取り次いで欲しいとお願いする。守衛は恭しく応じたが俺たちの後ろに居る馬車をチラリ見た。何か少し鼻に付く動きだった。なるほど馬車の運転手が嫌そうだった理由が何となく分かった。
ルークはこちらに到着しているようだ。使用人に取り次いでもらい、俺たちはルークの部屋へと通してもらった。ルークの部屋は俺の部屋よりも更に広い上、調度品や家具なども超一流の品ばかり。こんなものを一学生の一部屋ずつ置いているのかと圧倒させられた。
一部屋一部屋にとてつもない費用が掛かっているであろうことは容易に想像がつき、おいそれと物に触れないなと思った。
「みんな!来てくれてうれしいよ!」
「よ!すっげえ部屋だなあルーク。何だこれ!」
「あはははは……。僕もちょっと慣れない……。」
「これはぁ、僕のお小遣いの何ヶ月分だろぉ。」
「分からん。」
嬉しそうに出迎えてくれたルーク。彼もこの豪華絢爛な部屋は慣れないらしい。彼のアバーテ家はリール・ア・リーフの伯爵家。だがその伯爵家の家よりもこの部屋は絢爛豪華なものになっているらしい。
「でも5階のフルーレ大公家のバルフォア殿下が入る時は色々運びこまれてたからもっとすごそうだよ。」
「バルフォア、殿下……?」
聞きたくもない名前が出た。まああり得ないだろうとは思っていたが、俺との闘いでの失態で試験に落ちていてくれないかなあと少しだけ期待していたあのチンピラ大公殿下、バルフォア・フルーレ・ドーラ・アヴァカンもやはり合格していたようだ。
「ど、どうしたの……?」
「ファンデンの奴、殿下に絡まれちまったんだよ。」
「そ、それは……ご愁傷様でした。」
俺の表情が明らかに不快さと面倒くささが同居したものに変わったのを感じ取ったルークがどうしたのかと聞いてきた。俺は何も答えなかったが、代わりにあの時一緒だったセリオスがルークに教えてやる。ルークもアイツの様子は見たようで、慰めの言葉を掛けてくれた。俺はもう苦笑いするしかなかった。
「バルフォア・フルーレ・ドーラ・アヴァカン?あの破剣公バルトルメスの子孫だろ?!どうしたんだ!」
「いや……その……。気に障ったのか、怒らせたのか……ちょ、ちょっとね。」
「何ッ?!……まあファンデンが意味も無くわざわざ怒らせるわけないか。」
普段はあまり口数が多くないフリオもバルトルメス関係ともなれば話は別、俺とバルフォアの間に一悶着あったと聞いて慌てたように俺に聞く。俺はどう説明したものかと少ししどろもどろになったが、フリオも割合あっさりと納得してくれたようで直ぐに引いてくれた。
「ルークも行くよな!?飯!」
「ありがとう。もちろん僕も一緒に行くよ。」
「よぉし、みんなで行こぉ!」
シェーベリー戦闘大学校を全員で受けて全員が受かった。そしてシェーベリーで再集結した俺たちがまず初めに行ったことは一緒にディナーへ行く。
目指すものは皆それぞれ違い、きっと今のようにずっとは共に居れないだろうが、今はそんなことは考えずに友人たちとの時間を過ごそう。せっかくもう一度の人生を貰ったのだから……。
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コメントありがとうございます。
正直ほとんど関係ありません。
自分でもこれは無駄すぎると思い初等部編で一度完結という形を取り、この辺りの昔話を圧縮しようと考えています。
もしかしたら見落としただけかもしれませんが主人公の容姿について説明書いてありますか?親の容姿や、兄弟が親のどこを引き継いでいるのかについて書いてあるのに、主人公は説明されていないので気になりました
感想ありがとうございます!
完全に忘れてました。申し訳ありません。
追記しておきます。