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第2章~2回目の小学生~
第14話Part.9~ラークくんってどんな人?~
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「ごめんなさい。つい話し込んでしまって。」
「いいよ。俺もちょっと人と話していたから。」
「少し、疲れてますか?」
「ん。俺ってそんなに顔に出やすいかな……。」
「ファンデン様の誠実な所、私は好きです……なんて。」
ペティにまで自分の表情を読まれてしまった。ラークと話して少し疲れたのは事実で、顔には出していないつもりだったのだが、あっさり見抜かれた。この際なので自分は表情に出やすいのかとペティに尋ねてみた。俺の問いに対する答えを聞いて俺は
「え……?そ、そうだ。ラーク・ヴァレンスくんと話してみたことあるかな?」
「え?えぇ。あります。」
彼女の言葉の意図をはっきり掴めていないが「好き」という単語に思わず胸がドキッとしてしまった。それを誤魔化すように本当に聞きたかった話題を振ってみた。ラークのことは聞くまでも無く知っていると思うので、彼と会話したことはあるかと尋ねるとペティも話した事はある様子だ。
「さっき話してた人っていうのがそのラークくんだったんだけど、素晴らしい方だなあと思って。」
「私も何度か声を掛けていただきました。とてもお優しい言葉で、父も母も感激していました。」
ペティの家はリール・ア・リーフ屈指の豪商であるフィオーニ家であるため領主一家の子であるラークともそれなりに話した事があるようだ。ペティの印象は優しい言葉を掛けてくれた領主の息子という感じだ。話し方や表情を見ても言い繕っているようには見えない。
フィオーニ家とラークの会話がいつだったのかは分からないが、さっき見せたあの忌々し気な表情で言葉を吐き捨てたあの姿とは被らない。
俺はペティにラークの評判について探りを入れたことを悟らせないようにもう少しラークの話を続けてから話を切り上げた。
会話を続けているとそろそろペイツも終わりの時間が近づいてきたようだ。ペイツの最後に投票を行って男女1人ずつ代表を選出してペアでダンスを披露するという催しがある。投票用紙を貰って男子は男子、女子は女子に投票する。別に自分に入れても良いらしいが当然俺はそんなことしない。
「誰が選ばれるかな。」
「そうですね。ファンデン様は誰に投票しましたか?」
「セリオスに入れておいた。」
「私はアメリアさんに入れました。」
「もしこの2人が選出されたら中々おもしろそうだね。」
そんなことを話しながら待っていると集計が終わったらしい。最初挨拶した初老の男が出てきて、投票結果を読み上げ始めた。
「投票の結果を発表します。ペイツエルヴィンはファンデン・ロートリース様、ペイツイリィスはリータ・アヴォット様です。」
「いいよ。俺もちょっと人と話していたから。」
「少し、疲れてますか?」
「ん。俺ってそんなに顔に出やすいかな……。」
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ペティにまで自分の表情を読まれてしまった。ラークと話して少し疲れたのは事実で、顔には出していないつもりだったのだが、あっさり見抜かれた。この際なので自分は表情に出やすいのかとペティに尋ねてみた。俺の問いに対する答えを聞いて俺は
「え……?そ、そうだ。ラーク・ヴァレンスくんと話してみたことあるかな?」
「え?えぇ。あります。」
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「私も何度か声を掛けていただきました。とてもお優しい言葉で、父も母も感激していました。」
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フィオーニ家とラークの会話がいつだったのかは分からないが、さっき見せたあの忌々し気な表情で言葉を吐き捨てたあの姿とは被らない。
俺はペティにラークの評判について探りを入れたことを悟らせないようにもう少しラークの話を続けてから話を切り上げた。
会話を続けているとそろそろペイツも終わりの時間が近づいてきたようだ。ペイツの最後に投票を行って男女1人ずつ代表を選出してペアでダンスを披露するという催しがある。投票用紙を貰って男子は男子、女子は女子に投票する。別に自分に入れても良いらしいが当然俺はそんなことしない。
「誰が選ばれるかな。」
「そうですね。ファンデン様は誰に投票しましたか?」
「セリオスに入れておいた。」
「私はアメリアさんに入れました。」
「もしこの2人が選出されたら中々おもしろそうだね。」
そんなことを話しながら待っていると集計が終わったらしい。最初挨拶した初老の男が出てきて、投票結果を読み上げ始めた。
「投票の結果を発表します。ペイツエルヴィンはファンデン・ロートリース様、ペイツイリィスはリータ・アヴォット様です。」
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