異世界チート(初等部編)~底辺で怠惰な俺が能力チート貰って転生してもやる気ないのは変わんない。でもみんな無駄に俺を頼ってくる件

三浦ウィリアム

文字の大きさ
上 下
84 / 101
第2章~2回目の小学生~

第14話~卒業式~

しおりを挟む
 俺は6年間お世話になったリール・ア・リーフ初等学校を卒業する。ここでは様々な事があったし、今までならせいぜいできて2人か3人だった友人もそれなりにたくさんできた。
 そしてその友人たちのほとんどが俺と同じ中等学校に進学するのもありがたい。自分から友人ではない相手に声を掛けるのが苦手な自分にとっては新しい学校で知らない人間に声を掛けるのはハードルが高い。
 この学校でできた友人だってほとんどがセリオスに声を掛けられて彼と友人となり、彼を介して友人となったという流れだ。しかし知っている人が最初から居るというのは心強い。

 卒業式は親と全校生徒に見送られるのは俺が知っている卒業式と同じ。名前を呼ばれて壇上に上がるのも同じなのだが、粛々とした雰囲気というよりは人気のある生徒の名が呼ばれ、壇上に上がった際は歓声が上がったり、指笛が鳴らさられたりと陽気な雰囲気だった。
 俺が壇上に上がった際はそこそこ歓声が起こったが、セリオスに比べれば大したことは無かった。どうもセリオスは同級生だけではなく下級生にも人気なようで非常に盛大に声が上がっていた。

 次に卒業生代表、つまり俺たちの代の代表の挨拶。当然俺は代表ではない。仮に頼まれても絶対に断っている。代表はラーク・ヴァレンス。リール・ア・リーフ領主であるヴァレンス家の三男だ。あまり彼とは話したことは無いが、非常に優秀な少年でアメリアと同じシェーベリー学術学校への進学が決まっている。
 さすが領主様の子というべきか、つつがなくすらすらと挨拶をする。聞き取りやすい声と声量。この世界には拡声器のようなものは無いので彼の地声だけだがそれでもすっと耳に入ってくる。そういった話し方や声の発し方のコツのようなものがあるのかもしれない。
 俺は東亜として日本語を話していた時も、この世界に来てこの世界の言語で話している時も聞き返されたりすることが結構ある。そういうこともあって少し羨ましい。

 代表の挨拶が終われば学校長の挨拶が入って、式は終了となる。リール・ア・リーフ初等学校の現学校長は非常に挨拶が長いと生徒はおろか教員にすら思われている人だ。当然生徒たちの新しい門出ともなれば学校長は張り切る。
 15メラーもの時間をかけて超大作を読み上げた学校長は満足そうな笑みを見せていた。俺たちはもうほとんど聞き流していたが。そうとはいえ15メラー分もの話をよく考えてきたなと感心もする。やっぱりほとんど聞き流したが。
 それからしばらくすれば新しい生徒が入ってくる入学式。ドキドキとワクワクを持って入ってきた新入生は彼の洗礼を受けることになるだろう。それを思い俺は被ることのない後輩たちの為に心から祈った。なるべく手短になることを。

 学校長の超大作を聞いた後は俺たち卒業生は退場する。これで卒業式は終わり。あとは夜に行われるペイツ。俺はペティを家にまで迎えに行くことになっている。別に会場で合流すれば良いのではないかと思ったが、父と母にそれはそういうものだと言われて両親がそう言うならそうなのだろうということで彼女を迎えに行くことになった。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

ボッチになった僕がうっかり寄り道してダンジョンに入った結果

安佐ゆう
ファンタジー
第一の人生で心残りがあった者は、異世界に転生して未練を解消する。 そこは「第二の人生」と呼ばれる世界。 煩わしい人間関係から遠ざかり、のんびり過ごしたいと願う少年コイル。 学校を卒業したのち、とりあえず幼馴染たちとパーティーを組んで冒険者になる。だが、コイルのもつギフトが原因で、幼馴染たちのパーティーから追い出されてしまう。 ボッチになったコイルだったが、これ幸いと本来の目的「のんびり自給自足」を果たすため、町を出るのだった。 ロバのポックルとのんびり二人旅。ゴールと決めた森の傍まで来て、何気なくフラっとダンジョンに立ち寄った。そこでコイルを待つ運命は…… 基本的には、ほのぼのです。 設定を間違えなければ、毎日12時、18時、22時に更新の予定です。

拾ったメイドゴーレムによって、いつの間にか色々されていた ~何このメイド、ちょっと怖い~

志位斗 茂家波
ファンタジー
ある日、ひょんなことで死亡した僕、シアンは異世界にいつの間にか転生していた。 とは言え、赤子からではなくある程度成長した肉体だったので、のんびり過ごすために自給自足の生活をしていたのだが、そんな生活の最中で、あるメイドゴーレムを拾った。 …‥‥でもね、なんだろうこのメイド、チートすぎるというか、スペックがヤヴァイ。 「これもご主人様のためなのデス」「いや、やり過ぎだからね!?」 これは、そんな大変な毎日を送る羽目になってしまった後悔の話でもある‥‥‥いやまぁ、別に良いんだけどね(諦め) 小説家になろう様でも投稿しています。感想・ご指摘も受け付けますので、どうぞお楽しみに。

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

異世界に転生したので幸せに暮らします、多分

かのこkanoko
ファンタジー
物心ついたら、異世界に転生していた事を思い出した。 前世の分も幸せに暮らします! 平成30年3月26日完結しました。 番外編、書くかもです。 5月9日、番外編追加しました。 小説家になろう様でも公開してます。 エブリスタ様でも公開してます。

転生ヒロインは不倫が嫌いなので地道な道を選らぶ

karon
ファンタジー
デビュタントドレスを見た瞬間アメリアはかつて好きだった乙女ゲーム「薔薇の言の葉」の世界に転生したことを悟った。 しかし、攻略対象に張り付いた自分より身分の高い悪役令嬢と戦う危険性を考え、攻略対象完全無視でモブとくっつくことを決心、しかし、アメリアの思惑は思わぬ方向に横滑りし。

レベル上限5の解体士 解体しかできない役立たずだったけど5レベルになったら世界が変わりました

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
前世で不慮な事故で死んだ僕、今の名はティル 異世界に転生できたのはいいけど、チートは持っていなかったから大変だった 孤児として孤児院で育った僕は育ての親のシスター、エレステナさんに何かできないかといつも思っていた そう思っていたある日、いつも働いていた冒険者ギルドの解体室で魔物の解体をしていると、まだ死んでいない魔物が混ざっていた その魔物を解体して絶命させると5レベルとなり上限に達したんだ。普通の人は上限が99と言われているのに僕は5おかしな話だ。 5レベルになったら世界が変わりました

知識スキルで異世界らいふ

チョッキリ
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ

処理中です...